1月末、救急搬送された病院で急性腎盂腎炎と診断された姉の病状が思わしくない。3月末、ようやく地元の総合病院へ転院し、泌尿器科で専門的な治療を受けることになったので、安堵していたが、それも束の間、事態は最悪な状況へと進んでいた。
病名は、尿管膀胱逆流症(尿が膀胱から腎臓へ逆流する症状)だった。膀胱内に入り込んだ細菌が、逆流した尿に乗って腎盂まで上がることによって、40度前後の高熱を繰り返していたのだ。そのため、逆流を防ぐための手術(DEFLUX注入療法)を行うことになったが、薬剤はアメリカからの輸入品らしく(コロナの影響もあってか)、時間を要していた。それを待っている間に、姉の容態は悪化していた。第一、コロナ禍で面会ができないのは致命的である。毎日、本人の様子を見ることが出来るならまだしも、今はそれができない。何も見えない中で、いつの間にか、姉は敗血症(重症感染症)で重篤な状態になっていた。死の危険が迫っていた。
直ちに輸血と抗菌剤の投与がはじまった。その日(5月6日)、転院後はじめて面会が許された。看護師さんに案内され、部屋に入るや否や「どうなっているの!」と叫んだ。姉は白目をむき、意識を失っていた。看護師さんに「死んでいるのではないか!」と詰めよった。すぐに酸素とAEDが用意されたが、看護師さんが手こずっていたので(父の看病で人工呼吸器の扱いは慣れていたので)、すぐにマスクをしてやった。SPO2は87だったが、暫くして90を超えた。もう少し面会が遅れていたら、どうなっていたかわからない。後で看護師さんに注意されたが、いきなり酷い状況を見せられて、とても尋常ではいられなかった。連休前は電話ができるほどだっただけに、まさかこんなことになっているとは思わなかった。
緊急処置により、今は落ち着いているが、根本的な治療が終わっていないので、いつどうなるかわからない。早く逆流を防ぐための手術しないと、ふたたび敗血症になってしまう。来週、早めに手術ができればよいのだが。
《手術終了 2021.5.22更新》
転院からおよそ2ヵ月(当初の予定より約3週間遅れ)、5月18日、ようやく尿道逆流防止手術が終わった。今後、1週間程様子を見て問題がなければ前へ進むことができる。予想外の展開に一時はどうなることかと思ったが、僅かながら希望の光が見えてきた。
《術後経過報告 2021.5.30更新》
術後1週間、5月25日、主治医から経過報告があった。幸い、逆流現象は見られず、経過は順調とのことだった。ただ、体が著しく衰えているため、回復するまでしばらく入院が続く。まだまだ気は抜けない。