呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

観る・聴く・丸呑み!~井上道義の上り坂コンサート Vol.7

2007-10-20 | コンサート・LIVE・演劇などの話
金曜の夜に、ブログ&神奈フィル応援団つながりの“Yurikamome”さんから、コンサートのお誘いのメールを頂いた。
いつも誘ってくださるが、平日に幕張から横浜近辺に駆けつけるのはなかなか厳しく、最近はお断りばかり。
でも今回は土曜日、それに昼間ということなので、ご一緒させていただくことにした。
神奈川フィルが出演するというだけで、詳細は分からないままに行くことにしたが
家に帰ってネットで調べたら、なんとなんと、とっても楽しそうなコンサートではないか!

◎井上道義の「上り坂コンサート」

指 揮:井上道義
バンドネオン:三浦一馬
A・サックス:矢野沙織
トランペット:菊本和昭
ヴァイオリン:石田泰尚
オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団


ジャズの矢野沙織が神奈フィルと共演!? 凄ぇ~!!
それもモーツァルトだよ!
モーツァルトにサックスコンチェルトなんてあったかい??
ある訳ないでしょう。あのオーボエ協奏曲(「のだめ」で黒木君がピンクのモツァルトにしたヤツ)をサックス用にアレンジしたらしい。
矢野沙織のCDはデビュー作から3枚持っているけど、ご機嫌のビーバップ・アルトサックスを吹く。
彼女がいったいどんな風にモツァルトを吹くのだろうか。
ピンクか?ブルーか?レインボーかぁ??

県立音楽堂に入るのは初めてだ。
古くてこぢんまりしているが、歴史と暖かさを感じさせるホールだ。
オケも小編成、井上さんがプレトークや曲の合間に面白おかしく解説を入れたりで
サロンコンサートのようなアットホームさに溢れるコンサートだった。

さてプログラムの内容は・・・

○マルコーニ:「バンドネオン協奏曲」
アルゼンチンタンゴに使うバンドネオンの協奏曲って、ほとんどないのでは?
世界最高峰のバンドネオン奏者マルコーニの作品で、アルゼンチン以外で演奏されるのは初めてらしい。
バンドネオンの三浦一馬君、なんと弱冠17歳!1990年生まれ!
とても高校2年生には思えない堂々としたステージだった。
演奏後のお辞儀なんかは初々しかったが、演奏はBravo!たいしたもんだ!!

○モーツァルト:「オーボエ協奏曲第一楽章(A・サックスバージョン)」
僕的には、本日一番楽しみだった矢野沙織ちゃんのモーツァルト。
例の「いかにもモーツァルト!」の軽やかなフレーズが始まって、沙織ちゃんのサックスが鳴り出した途端、ど~っと涙が溢れた。
そんなに素晴らしい演奏だったのかって?
う~ん、演奏そのものは、やっぱりクラシックは初めてという矢野沙織のアルトは、硬くてこじんまりして、いつもの伸びやかさや奔放さが感じられなかった。
「私はここで何をすればいいの?」という戸惑いも感じられる。
でも所々にジャズっぽいフレーズを入れたり、カデンツァなんかはバリバリにビーバップ・ジャジィー。
演奏というより、モーツァルトの華麗さだったり、井上さんがビッグバンドの指揮者よろしく腰をくねらせながら指揮したり、のだめオケのぱくり?のようにホルンとオーボエを起立させたり(左右に楽器を振ればよかったのに)・・・
そして16歳でデビューして今年21歳、ビーバップジャズの表街道を駆け上ってきた矢野が、モーツァルトを吹いている・・・
あぁ~、音楽ってなんて楽しんだろう!という感動の涙なんだなぁ。
この感激を味わっただけでも、今日のコンサートを聴いた甲斐があった。
矢野には10年後にまたモーツァルトを吹いて欲しいね。


休憩後の菊本和昭のアルチュニアン:トランペット協奏曲や石田コンマスのソロ、井上道義指揮&チェンバロのヴィヴァルディの「秋」、ピアソラの「ブエノスアイレスの秋」も、勿論よかった!
トランペットの菊本君もまだ27歳、若さ溢れる透明感のある演奏だった。
相変わらず金髪とピアスぷらぷらが似合っている石田さんのヴァイオリンは、繊細で華麗だ。
彼のピアソラを初めて生で聴いたけれど、結構骨太の音を出すんだぁ、と感じた。
クラシックのソロで聴かせる繊細さとは、ちょっとイメージが違う。
タンゴのような情熱的な曲の方が、石田さんの魅力をより引き出すんだろうか。(すみません、クラシックのソロも1回しか聴いたことないんですが)

このコンサートは、Yurikamomeさんから招待券を頂いた。
こんなに若手音楽家の情緒と感受性が溢れ出るコンサートは、なかな聴くことが出来ない。
マエストロ井上や主催者側の新境地への挑戦、冒険の試みにも敬意を表したい。
こんなコンサートがタダなんて、なんて幸せなんでしょう!
持つべきものは友!
Yurikamomeさん、ありがとう。これからも宜しくお願いいたします。



コメント (1)
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