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N響の第九を聴きに行った。相当の期待を込めて!
考えてみると、N響のコンサートなんて、第九はもちろんのこと何十年ぶりだろう。NHKホールだっていつ以来か覚えていないぐらいだ。
☆NHK交響楽団「第9」演奏会
日時:12月23日(水)午後3時開演
場所:NHKホール
指揮:クルト・マズア
独唱:(S)安藤赴美子、(A)手嶋眞佐子、(T)福井敬、(B)福島明也
合唱:国立音楽大学・東京少年少女合唱隊
ここまで読んでいただいて「あれっ?」っと思った方は結構のクラシック通。もっとも相当のマニアックなファンは「指揮者マズア」と聞いただけでピンと来るらしい。
そう、この第九の演奏には少年少女合唱隊が入っているんです!はてさて、如何なる第九が聴けることでしょうか!?
(以下、僕のインプレッションを披露しますが、なにせそれほどのディープなクラシックファンではないし、よってそれほど多くの演奏を聴いているわけでもない。まして文章表現力も貧困であり、うまくご説明できないことや勘違いはご勘弁)
第1楽章と第2楽章は、どちらかと言うとアグレッシブな印象だ。
どこが?と聞かれてもうまく答えられないが、結構メリハリの効いた演奏だった思う。
特にチェロのフォルテシモは凄かった。もちろんマエストロの指示だろうが、チェロ全員が相当に頑張って渾身の力を込めてフォルテシモを表現し、他の弦楽器を圧倒していた。
それでもさすがにN響の弦!バイオリンもチェロも決して乱れることがなくきっちりと等質な音を響かせていた。やっぱり上手いねぇ。
第3楽章でも、弦の素晴らしさは際立っていた。美しいなぁ。
僕はこの第3楽章が大好きだ。この3楽章があるから、次の「歓喜の歌」が映えるのだと思う。
弦と較べると、管楽器、特に木管にはイマイチ感動しなかった。なぜかなぁ。
でも中低音楽器好きの僕としては、第4楽章の最初のあの有名な歓喜のテーマを奏でる弦楽器の裏で、朗々とオブリガートを吹く2本のファゴットが大好き。
このファゴットはとても良かった。Bravo!
さぁ、いよいよバリトン独唱から合唱です!
福島さんのソロは、これまたマエストロ・マズアの指示だろうが、今まで聴いたソロとはちょっと違っていた。
「O Freunde! nicht diese Tone!」は他の演奏と同様に堂々と気高く。
しかしそのあとに続く「Freude shoner Gotterfunken~」は、静かに語りかけるように、囁くように歌いかける。あぁ~、これは初めてだなぁ。
そして合唱。う~ん、なるほど少年少女合唱隊が入ると、ソプラノの高音部が、キラキラと輝くように透明感を持って聴こえてくる。
これもありだなぁ。「歓喜の歌」を子供が歌って悪いわけがない。結構良いじゃないか!
福井さんのソロの素晴らしさは言うに及ばず! 小さい体相変わらずで素晴らしい歌声を聴かせてくれる。
ということで、僕にとっては相当満足の行く「第九」でありました。
マエストロ・マズアは御歳82歳。多少足元もおぼつかない様子だったが、欧米人特有の茶目っ気はたっぷりだ。
演奏後、なんども拍手に応えてステージに出て来たが、最後は第1バイオリンの後方の女性団員の手を取って「もう僕はダメだ。僕を楽屋に連れて行ってくれ」のパフォーマンス。
最後は爆笑で終わった演奏会、大満足!
それにしてもこの週は、音楽三昧でありました。
大学の合唱団あり、ポピュラーグループの若い芽があり、そして老舗のオケあり。
幸せで充実した年末だね!