兎家のすのこはヒノキと真鍮釘を用いたが、ウサギが木をかじることを
思ん慮るならば、板にキリで穿ったら竹のひごなどを打ち込んで
オール木材のほうがよろしからう。
また、平面のすのこっちゃ足裏のいつも同じ部分に
負担が乗るから、丸太から芯材を抜いた周りのような
曲面付きの部材を組み合わせたすのこだとなおよし。
あまりぴったしカンカンの寸法に作ると、材の濡れて膨らんだ折に
きつきつで動かせなくなるから、ちょっと余裕を持たせる。
そんなこんなのうさぎに適した条件を初めから組み込めるとも
限らないから、物づくりでは、いつでも元に戻せたり、
直したり、リメイク・改良のできる設計や素材を選ぶべきと思う。
現代に流通する製品は、そういうものが少ない。
安い(軟弱な)素材で複雑に作られているから、壊れやすく修理は困難。
しかし長く愛用しながら、その時のシーンに合わせた最適化を為すためには、
確かで抜かりなき素材をシンプルな構造で形造ること。
真によきものは、条件を問わず見映え、機能を発揮できる。
僕はものを作りや風呂敷のちくちくも、そんなモットーを意識している。
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