北海道新聞 (09/18 16:00)
【登別】登別出身でアイヌ神謡集の著者知里幸恵(1903~22年)の足跡を紹介する「知里幸恵 銀のしずく記念館」(市内登別本町)が19日で3周年を迎える。来館者は道内外から年2千人を超え、遠くはアイルランドなど海外からも訪れる。幸恵のめいで館長の横山むつみさん(65)は3年間を振り返り「アイヌ文化の広がりを感じる」と話している。
記念館は、道内外延べ約2500人から集めた寄付金3200万円で建設。神謡集の出版を後押しした東京の言語学者金田一京助とやりとりした手紙や、幸恵がローマ字表記と日本語訳を併記したノートの原本など貴重な資料約140点が展示されている。
開館当初は「本当に運営できるか手探りだった」(横山さん)というが、現在では国内外を問わず来館者が絶えない。横山さんは「記念館は口伝いに世界に知られてきている」と手応えを語る。
同館を16日に訪れた愛知県あま市教委の教育部次長、浅井厚視さん(55)は「資料は原本ばかり。北海道の歴史の証しとして世界に誇ることができる記念館ですね」とたたえた。
「幸恵は、野蛮とか劣等だとか言われたアイヌ民族への無理解を改め、文化を広げようとしていた」と横山さん。この3年の間には幸恵の伝記が教育出版の教科書「中学国語」に11年ぶりに復活するという喜びもあり、「幸恵の思いが伝わった」と声を弾ませる。
教科書復活などを契機に、今後は若い世代への浸透に期待をかける。「そして、いつかPRする必要がなくなり、日常的にイランカラプテ(『こんにちは』を意味するアイヌ語)を使うようにアイヌ文化を普及させたい」。横山さんは力を込めた。(尾崎良)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/492453.html
【登別】登別出身でアイヌ神謡集の著者知里幸恵(1903~22年)の足跡を紹介する「知里幸恵 銀のしずく記念館」(市内登別本町)が19日で3周年を迎える。来館者は道内外から年2千人を超え、遠くはアイルランドなど海外からも訪れる。幸恵のめいで館長の横山むつみさん(65)は3年間を振り返り「アイヌ文化の広がりを感じる」と話している。
記念館は、道内外延べ約2500人から集めた寄付金3200万円で建設。神謡集の出版を後押しした東京の言語学者金田一京助とやりとりした手紙や、幸恵がローマ字表記と日本語訳を併記したノートの原本など貴重な資料約140点が展示されている。
開館当初は「本当に運営できるか手探りだった」(横山さん)というが、現在では国内外を問わず来館者が絶えない。横山さんは「記念館は口伝いに世界に知られてきている」と手応えを語る。
同館を16日に訪れた愛知県あま市教委の教育部次長、浅井厚視さん(55)は「資料は原本ばかり。北海道の歴史の証しとして世界に誇ることができる記念館ですね」とたたえた。
「幸恵は、野蛮とか劣等だとか言われたアイヌ民族への無理解を改め、文化を広げようとしていた」と横山さん。この3年の間には幸恵の伝記が教育出版の教科書「中学国語」に11年ぶりに復活するという喜びもあり、「幸恵の思いが伝わった」と声を弾ませる。
教科書復活などを契機に、今後は若い世代への浸透に期待をかける。「そして、いつかPRする必要がなくなり、日常的にイランカラプテ(『こんにちは』を意味するアイヌ語)を使うようにアイヌ文化を普及させたい」。横山さんは力を込めた。(尾崎良)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/492453.html