映画ナタリー 2025年1月22日 14:00
ボリビアの映画集団ウカマウの特集上映が、4月26日から東京・K's cinemaほか全国で順次開催される。
1962年、白人層に力が集中していたボリビアで、住民の半数以上を占めるアイマラ人やケチュア人ら先住民に無関係な映画を作ることはできないと考えたホルヘ・サンヒネスらを中心に活動を開始したウカマウ。1966年に発表した最初の長編映画「ウカマウ」を皮切りに、アンデス地域の先住民の視点に立った映画を模索し続け、今もラテンアメリカおよび世界に訴えかける映画製作を行っている。
フランスの映画批評家のジョルジュ・サドゥールは、かつて映画「ウカマウ」を「スペイン人征服者たちの到来以前からアメリカ大陸に住む人々の中で育まれ制作された、真のラテンアメリカ映画がついに誕生しつつあることを、この注目すべき作品は示している」と評した。
「女性ゲリラ、フアナの闘い ーボリビア独立秘史ー」海外版ポスター[拡大]
ウカマウの特集上映は2014年の開催以来、約10年ぶり。主宰する日本人スタッフは1975年に彼らと出会い、以来協働者として映画製作をサポートし続けている。2025年はボリビア独立200周年であり、日本との協働が始まって50周年でもある節目。それらを記念した特集上映では、初上映となる「女性ゲリラ、フアナの闘い ーボリビア独立秘史ー」「30年後 ーふたりのボリビア兵ー」を含む14本の全作品がスクリーンにかけられる。配給はシネマテーク・インディアスが担当。
また宣伝費などを募るクラウドファンディングが、MotionGalleryにて行われている。リターンとしてはサンヒネスからのメッセージや全国共通劇場鑑賞3回券などが用意されており、期限は4月18日23時59分まで。
ウカマウ集団 60年の全軌跡 全作品一挙上映
2025年4月26日(土)~5月23日(金)東京都 K's cinemaほか全国順次
上映予定作品
- 革命(1962年)
- 落盤(1965年)
- ウカマウ(1966年)
- コンドルの血(1969年)
- 人民の勇気(1971年)
- 第一の敵(1974年)
- ここから出ていけ!(1977年)
- ただひとつの拳のごとく(1983年)
- 地下の民(1989年)
- 鳥の歌(1995年)
- 最後の庭の息子たち(2003年)
- 叛乱者たち(2012年)
- 女性ゲリラ、フアナの闘い ーボリビア独立秘史ー(2016年 / 初上映)
- 30年後 ーふたりのボリビア兵ー(2022年 / 初上映)