ISRO(Indian Space Research Organisation)の”Mars Orbiter Mission”が迫って来ましたのでメモします。
”Mars Orbiter Mission”は、火星の楕円軌道(80,000km×372km)を回ることを目指した宇宙船を送る火星へのインドの最初のミッションです。
目標は
1. 火星へ到達し、目標の周回軌道に乗る能力を備えた宇宙船を設計し、実現することです。
2.もう一つの技術的挑戦は、約4億kmの遠く離れた深宇宙ミッションを立案し、通信管理を実現することです。
打ち上げロケット:The polar Satellite Launch Vehicle PSLV
搭載機器は、下記のとおりです。
1月9日の当ブログ「インドの火星探査」で惑星協会のEmilyさんの下記のような見解をお伝えしてます。
--- 科学は、このミッションの第2のゴールに過ぎないというのが私の印象です。
主要目的は、いくつかのものを巧みに計画実行しています。
地球-火星間の遷移軌道上に宇宙船を打ち上げることで単に成功し、首尾よく火星へ航海し、首尾よく火星軌道に入り、すべてそれを操作することがインドの主要な成果となるでしょう。
(どのような科学的データーが返って来るかにかかわらず)---
また、7月29日のEmilyさんのブログ「The road to Mars: updates on NASA's MAVEN and India's Mars Orbiter Mission」には、最近の進捗状況と元ISRO chiefの G. Madhavan Nair氏による否定的発言を取り上げてます。
現況:打上げ用ロケット(PSLV)の統合が始まった。また、ペイロード統合も進んでいます。(5つのすべての科学計器は今、バンガロールで宇宙船と一緒です。)
完成した宇宙船は、8月中旬にSriharikotaの発射設備に送られる予定です。 情報元: the Deccan Herald reports
G. Madhavan Nair氏の発言: Numerous headlines last week, including one from the Times of India, quote him as saying that the mission is "a publicity stunt."
先週、the Times of Indiaを含むたくさんのマスコミが彼がMars Orbiter Missionは「宣伝用行為」であると言ったと伝えています。
彼は、今回、打上のために準備されている宇宙船のサイズおよび能力について言及しています。
オリジナルの計画では、次世代の重量物打ち上げロケットを使用して火星探査ミッションを実行する予定でした。
しかしながら、そのGSLV(Geosynchronous Satellite Launch Vehicle)を使用せず、PSLVを使用することになったため、搭載燃料や搭載機器に影響し、火星探査そのものが貧弱なものになったという発言です。
搭載燃料が少ないため、火星に十分近づく軌道へ入れないとのこと。
でも、GSLVは、現状では信頼性が低いためMars Orbiter Missionそのものが2016年に延期される可能性が高かったということですので、やむを得ない選択だったかと事務局は思います。
なにせ、今年の打上でさえMAVENと一緒ということで気まずいのに、2016年となるとミッションそのものの意義も無くなっている可能性が大きいですね。
Emilyさんは、「 個人的には、私は、最も挑戦的なミッションゴールと真新しいロケットの組合わせでないことに安心します。」と言ってます。
そうですね。チャレンジは、必要ですが、無茶はいけませんからね。
2011年打上げのPhobos-Gruntを思い出します。「Phobos-Gruntの結果」「公式の結論「double restart」」
宇宙開発は、お金も掛かりますが、時間も掛かります。
時間は、宇宙開発という大きな目的のためには、面子よりも大切にしたいものです。