1月27日のMarsDailyの記事によりますと
Cornell大学の研究者が火星探査での宇宙飛行士の食事について研究しており、調査を実施する為のボランティアを募集しています。
締め切りは、2月29日となっています。
火星探査に3年の年月が掛かることを想定しており、火星には4ケ月滞在することとなっています。
その長期にわたるミッションを支える一つの重要な要素として「食事」にフォーカスして研究をしています。
食事の中心は、長期保存食となりますが、火星上では植物を育てたり、料理をすることが可能になると考えています。
今までの研究で、長期間の閉鎖空間でのミッションにおいて以下の問題点が確認されています。
①食事に飽きてくる
②無重力の状態では、嗅覚に影響が出る
上記の影響によって
①食欲が落ちて食事量が減ることで栄養不足になり、筋肉量や骨密度に影響が出る
②そして、厳しい環境での任務遂行に影響が出るし、宇宙飛行士を危険に晒すことにもなります。
③もうひとつの課題は、長期(3~5年)の保存に適した食品を開発することです。
今回のボランティア募集は、長期の宇宙探査に対応する為に次のことを調査することが目的です。
①用意したインスタント食品やクルーによって調理された食物の美味しさや好みを評価し、食べ物の好みが時間と共に変化するかどうかを判断します。
②食事の準備や片付けに必要な時間、労力そして水量を測定し、料理のレシピやコツを収集します。
③匂いが食欲などに与える影響を研究します。(無重力などの環境では、食物は口から食道、胃へと自然には落ちていきませんし、嗅覚にも影響が出るようです。)
寝たきりの病人は、地球上で同様な経験をしています。NASAの Flight Analogs Research Centerでベッドで横たわった状態での一連の実験による研究が行われています。
6人のボランティアと2人の代替要員が選出されてから研究は次のように行われます。
1.2012年夏にCornell大学で4日間のワークショップが実施されます。
個々人の能力の確認と今後の実験の為の打ち合わせとなるようです。
2.2012年後半に2週間のトレーニングを行います。
(500ドル支給されます。)
3.4ケ月の火星探査シュミレーション時の実験テーマ等を決める会議などを開催します。
4.いよいよ2013年に120日間の火星探査シュミレーションが実施されます。
場所は、ハワイ島にある不毛の溶岩地帯の実験場で行われます。
(1日当たり25ドルと完了した場合、5000ドル支給されます。)
しかしながら、ボランティアに求められる資格は、かなり厳しいものですね。
もちろん火星有人探査に強い意欲を持っていることが必要です。
英語での読み書きはもちろん技術的にもNASAの職員並みの資質が求められています。
肉体的にも強靭な資質が必要です。
食欲と嗅覚に問題ないこと。
過去2年間、タバコを吸っていないこと。
料理の経験があることが望ましいとも・・・
日本人のチャレンジャーがいることを期待します。
是非、応募して欲しいものです。