10月2日の惑星協会EmillyさんのブログによりますとCuriosityの左前輪に損傷が見られるとのことです。
Emillyさんは、「でも心配しないで!全く問題ありません!」と言ってます。
下図がSol411(2013年10月2日)にMAHLIによって撮影されたものです。
下図は、損傷箇所をアップしたものです。
Emillyさんは、この車輪に開いた穴を見た人は、2つの疑問を持つでしょうと言ってます。
1. 20億ドルも費やしたミッションなのに!アメリカは、より良い車輪を使えなかったのか?
2.このことで、ミッションに障害とならないのか?
Emillyさんは、最初に「2」について答えています。
Curiosityが要求されている性能については、この車輪の受けた損傷から全く影響を受けないとのことです。
車輪に要求されていることは、回転することと地面をしっかり掴むことです。
Curiosityの車輪は、めちゃくちゃ高いトルクを持っており、最高速度は、秒速5cmです。(時速:180m)
*これは、Opportunityとも同じだそうです。
通常の速度は、毎秒1cm~2cm(時速:36m~72m)です。
これは、「走行する」とか「回転する」と言うよりも「すり足」です。
(Emillyさんは、火星では車輪が正方形の方が上手く転がるという確かな筋からの情報を持っていると言ってますね。)
車輪のトレッドの間の肉厚が薄い部分に出来たこのような損傷は、予期されたものでミッションへの心配はないとのことです。
「1」の質問の答えは、宇宙探査のジレンマを象徴していますね。
火星へ持って行ける重量に制限があるためあちらを立てれば、こちらが立たずという中でのミッションの最適化の結果です。
Emillyさんは、以下のように言ってます。
「Curiosityの車輪に穴が開いたことは、全く間違っているように思える。しかし、それは、やるべきことをやった結果なのです。イライラしないでください。1マイルを走破した名誉のバッジとしてその穴を楽しんでください。」
同じSol411のRawImageの中に下記の画像がありました。
穴が開くには至ってませんが、全く無傷とはいきません。そこそこダメージを受けていることが分かります。
これからも更に長い距離を移動して、そして山登りを予定してますので、やっぱり心配ですね。