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sharp山の成り立ちが・・・重力は語る!

2019-02-08 00:41:14 | MSL

(C)NASA / JPL-Caltech

https://mars.nasa.gov/news/8406/mars-buggy-curiosity-measures-a-mountains-gravity/

1972年にアポロ17号の宇宙飛行士は、バギーを月面で走らせ、特別な計器で重力を測定しました。
火星に宇宙飛行士は今のところ居ませんが、地球の賢い研究者たちのグループが彼らが操作している火星のCuriosityを月面のバギーと同じように重力測定に使えることに気づいていました。
Curiosityに重力計は搭載されていませんでしたが、加速度計とジャイロスコープを搭載しています。
それは、スマートフォンに搭載されているものと同じように働きます。スマートフォンを動かすと、これらのセンサーがその位置と向きを判断できます。Curiosityのセンサーも同じことを遥かに正確に行うことができます。
各ドライブの火星表面をナビゲートするのに重要な役割を果たします。
今回、科学雑誌Scienceで発表された論文「A surface gravity traverse on Mars indicates low bedrock density at Gale crater」には、Sol60(2012年10月6日)からSol1743(2017年7月2日)の約5年にわたるデータが使われています。
http://science.sciencemag.org/content/363/6426/535.full?ijkey=xakdRhWj7CWEE&keytype=ref&siteid=sci

その結論は、Sharp山がGaleクレーターの中でどのように成長したかについての一つの仮説について否定的なものでした。
その一つの仮説とは、Gale
クレーターがかつて堆積物で満たされていたということです。どれだけ埋め尽くされていたかは議論の余地がありますが、その考えによると、今のSharp山は、その堆積物が何百万年もの時間をかけて風などによる侵食によってできたというものです。
そこで今回の重力測定の結果が立ちふさがったわけですね。
Scienceで発表された論文によると、それらの岩石層の密度が予想よりはるかに低く、多孔質であり、Galeクレーターがかつて数kmの堆積物で埋まっていたという仮説に反証していることがわかりました。
Galeクレーターが堆積物で縁までいっぱいになっていた場合は、その堆積物の重量によってその下にある粒状の堆積物の多くの層を押し下げるか、または圧縮しているはずです。しかし、今回の論文の結論は、Sharp山の下層が半マイルから1マイル(1から2キロメートル)の堆積物の重力を受けた程度にしか圧縮されていないことを示唆しています - クレーターが完全に埋められた場合よりはるかに低い数字です。(仮説では、5km以上の堆積物と考えられていました。)
今回、Curiosityが測定したGaleクレーターの堆積岩の密度は、1立方メートル当たり1680±180キログラムでした。

下図は、Sol1743でのCuriosityの位置です。

(C)NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona 

Sharp山の傾斜は、下図のとおりです。

(C)NASA/JPL-Caltech


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