「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ブログの効用

2015年06月05日 | 独り言

ブログをやり出してから9年近くになる。2~3日おきにコツコツと更新を続けてきたが、そこは人間の悲しさで“山あり谷あり”、体調とか頭のスランプというのがあるようでときどきネタ拾いに苦労するときがある。

そういうときはいったい何でブログを続けているんだろうと自問自答することが多い。家内に言わせると「ブログなんて一銭の得にもならないでしょう」(笑)。

しかし、たしかにお金にはならないが自分ではそれ以上のものを享受しているように思っている。

まずは「社会との繋がり」。現役時代とは違って社会との接触が少なくなった寂しさをブログで補っているといっていいが、その反応の目安として読者のアクセス数やランキングなどの具体的な数値は即物的な面はあるものの大きな励みになっている。

そして、それ以上にこのブログのおかげでいろんな方々と知り合いになれたことはとても金銭には代えがたい。今となってはどんな趣味だって煎じ詰めると最後は人間同士の交流に尽きるのではあるまいかというのが偽らざる実感である。

昨日(4日)山形県にお住いの「H」さんという方から次のようなメールが届いた。匿名ということで無断掲載お許しください。

「いつもブログを楽しく拝見しております。グッドマン・アキシオム80、リチャードアレン・ニューゴールデン8、タンノイ・ニッコーのレシーバーなどで検索していたところ貴ブログを見つけました。最近見つけたばかりですので、過去記事を読むと、私と音楽の趣味が非常に似通っておりますので、メールした次第です。

1 五味康祐先生の大ファンで、著書「西方の音」をはじめ、ほぼ全てを再読中です。(記憶力が退化しておりますので、ときどき読み返しています。)

2 瀬川冬樹先生の大ファンです。知り合いの方からいただいたステレオサウンド第2号~第30号くらいまでを、大学卒業時にオーディオが好きな友人にあげてしまったことを、いまでも悔やんでいます。

3 時折、紹介される愛聴盤が好みで、ジネット・ヌヴー、クララ・ハスキル、エリカ・モリーニ、ヨハンナ・マルツィなど、一般的には今では忘れられた演奏家を取り上げておられ、西条卓夫先生のことも語られていたこと。

4 グッドマン・アキシオム80(復刻版)、リチャードアレン・ニューゴールデン8(アルニコ、フェライト両方)を使用しています。グッドマン・アキシオム80は、鶴岡市のオーディオラボ・オガワ(小川電器商会)から購入いたしました。貴殿のオリジナルには及びもつかないと思いますが、私のようなずぼらな者には、安定して使うことができて、良いのかもしれません。

当方、現在〇〇歳です。〇〇に勤務しております。また、家は寺で、周囲に畑も耕作しておりますので、何かと忙しく、貴殿のようには聴きこむことができません。本堂でゆっくりと聴くことが出来る日を夢見つつ、仕事をしております。」

いいですねえ!

クラシックへの情熱にかけては吉田秀和さんなんか足元にも及ばないほどの存在だった五味康祐さん、著作「西方の音」が出版されたとき、「どうして専門の音楽評論家にこうした優れた音楽評論が書けないのか」という新聞記事を見かけたことがあるが「まったくそのとおり」。

不世出のオーディオ評論家だった「瀬川冬樹」さん、先年「ステレオサウンド」社から「保存版」が出版されたのですぐに買い求めて以降ずっと座右の書にしている。

                        

そして「盤鬼」と称された「西条卓夫」さん、そしてジネット・ヌヴー、クララ・ハスキル、エリカ・モリーニ、ヨハンナ・マルツィなど、こういう名前を連続して見ただけでもうたまらん(笑)~。

それとオーディオラボ・オガワ。ずっと昔、朝日新聞でスピーカー修理の達人として「佐藤絹子」さんが紹介されていたのを記憶している。新聞の見出しはたしか「ゴールドフィンガー」だった。「AXIOM80」や「ローサーのPM6A」など超難物の修理も手掛けているとの記事だった。

この世の中で信じられないほどの組み合わせがある「音楽とオーディオ」についての趣味が一致する方を見つけるのはほんとうに至難の業だと実感しているので、「H」さんとはまるで百年の知己に巡り会った気がするが、こういう方とメル友になれるんだからブログを続けていて本当に良かった(笑)。

急いで返信メールを送ったのは言うまでもないが、追伸として次のメールが届いた。

「先のメールに記載するのを忘れていましたが、私もメインアンプは、PX-25シングル(マルコーニ製)を使用しています。何もわからずに、色々な偶然が重なって購入したものです。購入先は、山形市にある調所電器さんです。古典管の大変さは貴殿のブログで知ったところが多々あります。参考にさせていただいております。ほかにも調所電器さんの作製されたフィールド型SP、真空管プリメインアンプ、平面型SPなどを持っています。」

「調所電器」さんの真空管「PX25」(イギリス)への力の入れ方はホンモノで、国産では珍しくPX25専用のトランスを作っておられる。実は我が家の「PX25」アンプは電源トランスからチョーク、出力トランスまでこの調所電器さんの専用トランスを使っているのでこの偶然の一致にビックリ。

        


「H」さん、今後ともよろしくお願いしますね~。


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