「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

凄いぞ、マランツ7Kプリアンプ!

2018年12月14日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

Mさん宅への訪問日は朝からあいにくの雨となった。やたらに車が多くて15分ほど遅れて到着すると前日のNさんも同席されていて3人によるとても賑やかな試聴会となった。


Mさんはレコードプレイヤーのたいへんな愛好家である。4台のプレイヤーと何種類ものトーンアームを使いこなされている。

イコライザーアンプもカンノをはじめピカリングなどがあり、レコード会社によって違う6種類のイコライザーカーブをスイッチ一つで切り換えて楽しんでおられる。

まるでアンプを代えたみたいに音が変わるのでレコードプレイヤーの世界も随分奥が深くてなかなか遊べそうだが、極めるためにはとうてい残された時間と資金が足りそうにないので諦めざるを得ないのが残念(笑)。

Mさんの現用スピーカーは「オートグラフ」と「クリプッシュホーン」の二つ。

今回の試聴の目的は新たに導入された「マランツ7K」プリアンプ(以下、「7K」)の出来栄えだったが、結果から先に言うとそれはそれは見事に期待した通りの音だった。

まずは「オートグラフ」
から聴かせてもらった。

   

7Kに組み合わせるパワーアンプは同じマランツの「8B」である。初めにカンノのイコライザーアンプで聴かせてもらい途中から7K内蔵のフォノイコに切り替えた。

試聴盤は「グレート」(シューベルトのシンフォニー第8番)。

       

ヨーゼフ・クリップス指揮だがクリップスにはオペラ「ドン・ジョバンニ」(モーツァルト)の名演があって、大好きな指揮者の一人。

「グレート」「ドン・ジョバンニ」とくれば奇しくもフルトヴェングラーにも名演がある。

大理石で出来たトーンアーム(オイルダンプ)で聴かせてもらった。手前はピカリングのストレートアーム。

   

とてもSNがいいし、しかも7Kのトーン・コントロールをいっさい弄らずに豊かな低音域が出ていることに驚いた。使ってある真空管は最初から「テレフンケン」(6本)だったそうで「これはたいへんな掘り出し物でしたねえ!」と思わず口をついて出た。


まるでゆったりと包み込んでくるような豊かな音で、さすがは独特の「オートグラフ」の世界、実に説得力があってオーディオ的にどうこう言えるような音ではなかった。

小さな箱にはそれなりのメリットもあるけれど、やっぱり大きな箱じゃないと出せない音ってのもたしかにありますなあ。

1時間ほど聴かせていただいてから今度は座る位置を変えて「クリプッシュホーン」の試聴へと移った。

  

プリアンプは同じ7Kの2系統の出力のうちの1系統を使い、パワーアンプは「KT88プッシュプル」(新藤ラボラトリー)。

新藤さんのアンプは定評があってこれまで悪い評判を聞いたことが無いのは特筆すべきことだし、社長さんがすこぶる熱心なことでもよく知られている。

このクリプッシュホーンの音にはたいへんな感銘を受けた。

   

これまで我が家を含めてさんざん「サキコロ」の冒頭のシンバルの音を聴いてきたが、このシンバルが最高の出来栄えだった。最高音域の鮮烈さもさることながらその質感というか光沢に独特の艶があってとても筆舌に尽くしがたい。

ほとほと感心するうちにお昼時になったので辞去してクルマで40分ほどで我が家に到着するなりさっそく耳の記憶が新しいうちにと、ウェストミンスター(改)で「サキコロ」の試聴に移った。

「いい音」が及ぼす波紋はどこまでも広がって深~く浸透していくなあ(笑)。

最低音域と最高音域はどうにか太刀打ちできそうに思ったが、あの6000ヘルツあたりのシンバルの独特の質感はどうしても我が家のシステムでは表現できなかった。

やっぱりレコードじゃないと無理かなあ・・・。

ほんとうに勉強になった1日だった。

ただし、時間が経つにつれ耳の記憶は薄弱となり自宅の音に自然に妥協していくのがこの世の倣いだ。刺激を新たにするために、これからもときどきMさん宅を訪問させてもらうことにしよう。

妥協は敵だ!(笑)

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