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「平均に惑わされてはいけない」

2013年06月22日 | コンサルティング

「1,692万円」この数字、日本の一世帯当たりの平均貯蓄額です。(総務省)

金額に驚かれた方も多いのではないでしょうか。自分はこの数字にはほど遠いと・・・。

数字は、はたしてどこまで真実を語るのでしょうか。我々は普段から物事を数値化したり、数値を分析することを求められることが多いです。数字の重要性は十分にわかっていると思うのですが、一方で数値ばかりに偏り過ぎてもいけないと思うことも多々あります。

今日は、毎月参加している勉強会でこの「数字をテーマに数字のとらえ方、導き方」について、担当しました。

添付の図では、英語と数学の平均点はどちらも50点で、左右対称に近い単峰の形になっています。しかし、同じ平均50点であっても、それぞれの全体像は大きく異なっています。

点数の分布が英語では平均点の50点の峰に比較的集中しているのに対し、数学では高い点から低い点までかなりばらつきがあるのです。

ですから、もし、授業をするのであれば、英語は同じクラスでの授業を進めやすいと思いますが、数学はばらつきがあるため、1クラスで授業をするとことは難しいと考えられます。

この例では、「平均」に対してどれくらいばらつきがあるのかをきちんと見ることが大事で、目に見える数字だけでなく、その裏側にある意味にも注意をしなければいけないということですね。

 なお、平均は「異常値」や「はずれ値」にも影響を受けます。冒頭の一世帯当たりの平均貯蓄額は、何十億も貯金がある人も合わせた上で、機械的に出した平均額なので、こんなにも高額になってしまうのです。実際の貯蓄額は200万円以下の方が一番多いようです。「平均」は必ずしも大多数を代表しているとは限らないということです。

 私は中学・高校生時代、学校のテストがあると、平均点は何点で自分の点数は平均点から上か下かでとらえることが多かったです。現在も調査をすると、「平均」として数値を取り扱うことが多いです。平均を「取ることは簡単、でも使い方は慎重に」(自戒の念をこめて)を念頭におかないと、思わず実態を取り違えかねません。

 「数字は事実をすべて語るわけではない」、数字をどのように取り扱うのは、人次第なのだと改めて考えました。

(人材育成社)