横須賀に住んでいた小学生の頃、学校の正門近くにあったお寺に坂本龍馬の妻だった「お龍」のお墓がありました。当時はお龍という人がどういう人物か知らなかったのですが、お墓の前で手を合わせたことを覚えています。
それから約30年経ち、私は旧品川宿のはずれ、かつて土佐藩の下屋敷があった所の近くに住むようになりました。この街には、幕末の一時期、坂本龍馬がここを警護しながら剣術に励んだ縁で坂本龍馬の像があり、私は毎日の通勤の行き帰りに冒頭の写真の像の前を通っています。
3年前のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送中は、休みともなると大勢の人が大挙しておしかけて、街全体が大変賑わったものでした。当時、地元商店街のパン屋さんは、「龍馬の足跡パン」(右足はあんパン、左足はクリームパン)や「お龍のおっぱいパン」(妙にリアルな乳白色のパン)を作って、大変な売れ行きだったようです。
私は5月に日本橋を発ち、旧東海道を少しづつ歩いているのですが、先日は旧神奈川宿にある有名な「田中屋」の前を通りました。
田中屋は龍馬亡き後、一時期お龍が仲居として働いており、月琴を奏で外国語も堪能、酒も良く飲み、物おじしないまっすぐな性格がお客様に評判で、その後横須賀に嫁いだ後も、ひいき客からいつまでも話題に上がった人気者だったそうです。
こうしたことで、坂本龍馬とお龍は、私にとって一方的にとても身近な存在なのです。先日、京都の伏見で龍馬像を見た時、まるで旧知の友に会ったような気持ちにさえなりました。
ところで、坂本龍馬といえば歴史上の人物の中でも、かなりの人気者。皆さんの中にもファンが沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
昨日のブログで紹介したフォロワーが、「・・・しかたないなあ。いっちょ動いてやるか・・・」と思うことがリーダーシップの本質ならば、龍馬もきっとそういうタイプだったのではないでしょうか。
リーダーに限ったことではありませんが、いくつになっても性別に関係なく他者から「かわいい人」と好かれる人、「あの人のためだったら一肌脱ぎたい」、そう思わせることができる人がいます。「かわいい人」の定義は難しいですが、改めて考えると、これまで出会った良きリーダーと言われている人には、そういった要素があったのかもしれません。
リーダーシップに関しては、リーダーとしての心構えやスキルなどを学ぶ研修が一般的で、「かわいい人と思われる」、「人に一肌脱いでもらう」ための研修というのはあまり聞いたことがありませんが、新たなテーマとして研究してみると面白いかもと思っています。
(人材育成社)