今日、家の整理をしていたら、書庫の奥から随分昔に買ってあったCDがいくつか出てきました。その中に、ハイドンの3つの協奏曲を古楽器で演奏しているものがあったので、久しぶりに聴いてみることにしました。
ハイドンは俗に『交響曲の父』と呼ばれるように、100曲を超える交響曲を作曲しましたが、協奏曲の分野でもなかなかの数の作品を遺しています。その中でこのCDにはオーボエ協奏曲とチェンバロ協奏曲、そしてトランペット協奏曲が収録されています。
バロック時代には高音域を駆使した華やかな名人芸的協奏曲が数多く作曲されたトランペットですが、ハイドンが活躍した古典派の時代にはそうした名人芸的技巧の伝統が途絶え、オーケストラの中でティンパニと共に曲にアクセントを添える存在に甘んじていました。そんな折に、当時ただ管をグルッと巻いただけだったトランペットにオーボエやクラリネットのようなキーをいくつか付けて、その当時のトランペットにはできなかった半音階などが演奏できるようにしたキー付きトランペットなるものが発明されました。そしてハイドンがこの革新的な新楽器のために作曲したのが《トランペット協奏曲変ホ長調》です。
ヴィヴァルディやテレマンといったバロック期のようなキラキラした華やかさこそありませんが、当時の一般的なトランペットが特定の自然倍音列の音しか出せなかった中にあって、このキー付きトランペットだからこそ可能だった半音階や大胆な転調、木管楽器並みの細かなパッセージが随所に聞かれます。当時としては革新的な作品だったでしょう。
それでも、そこはさすがにパパ・ハイドンの作品だけあってただ珍しいだけではなく、爽やかな朝の光と風のような第1楽章、一転して午後のまどろみの子守歌のような第2楽章、ハイドン的終楽章節炸裂の颯爽とした第3楽章と、各楽章それぞれにハイドンならではの美しいメロディがちりばめられています。トランペットの貴重なソロ作品として、今もなお珍重されている名曲です。
折角なので、我が家のCDと同じ音源の動画を載せてみました。マーク・ベネットのキー付きトランペットの独特な音色を、トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンソートの演奏で御堪能下さい。
Haydn - Trumpet Concerto in E-flat major, Hob. XVIIe:1
ハイドンは俗に『交響曲の父』と呼ばれるように、100曲を超える交響曲を作曲しましたが、協奏曲の分野でもなかなかの数の作品を遺しています。その中でこのCDにはオーボエ協奏曲とチェンバロ協奏曲、そしてトランペット協奏曲が収録されています。
バロック時代には高音域を駆使した華やかな名人芸的協奏曲が数多く作曲されたトランペットですが、ハイドンが活躍した古典派の時代にはそうした名人芸的技巧の伝統が途絶え、オーケストラの中でティンパニと共に曲にアクセントを添える存在に甘んじていました。そんな折に、当時ただ管をグルッと巻いただけだったトランペットにオーボエやクラリネットのようなキーをいくつか付けて、その当時のトランペットにはできなかった半音階などが演奏できるようにしたキー付きトランペットなるものが発明されました。そしてハイドンがこの革新的な新楽器のために作曲したのが《トランペット協奏曲変ホ長調》です。
ヴィヴァルディやテレマンといったバロック期のようなキラキラした華やかさこそありませんが、当時の一般的なトランペットが特定の自然倍音列の音しか出せなかった中にあって、このキー付きトランペットだからこそ可能だった半音階や大胆な転調、木管楽器並みの細かなパッセージが随所に聞かれます。当時としては革新的な作品だったでしょう。
それでも、そこはさすがにパパ・ハイドンの作品だけあってただ珍しいだけではなく、爽やかな朝の光と風のような第1楽章、一転して午後のまどろみの子守歌のような第2楽章、ハイドン的終楽章節炸裂の颯爽とした第3楽章と、各楽章それぞれにハイドンならではの美しいメロディがちりばめられています。トランペットの貴重なソロ作品として、今もなお珍重されている名曲です。
折角なので、我が家のCDと同じ音源の動画を載せてみました。マーク・ベネットのキー付きトランペットの独特な音色を、トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンソートの演奏で御堪能下さい。
Haydn - Trumpet Concerto in E-flat major, Hob. XVIIe:1