共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

簡単に言わないで

2016年12月12日 22時38分26秒 | 音楽
今日、教室から

『春のヴァイオリン発表会の最後に、生徒さん全員でパッヘルベルのカノンが出来たらという提案がありました。当該講師で話し合って下さい。』

というメールが来ました。

一瞬、頭の中で『・・・』となったのですが、落ち着いて考えをまとめてみることにしました。

カノンを合奏すること自体は、私も素敵だなとは思います。しかし、あの曲はサードポジションまで取れる中級クラスの技術の子でなければ弾けません。だから、サードの取れる子たちだけで合奏させるならともかく、初級の子がついてこられるようなイージーな曲ではないのです。それに、合奏するとなると生徒全員に発表会ネタと別に練習させなければなりませんから、生徒の負担も大きくなります。

そして、これが個人的に一番気になるのですが、カノンという曲は一パート一人で弾くものであって、大勢でワチャワチャ弾くモンではないのです。よくオーケストラで演奏されたりもしていますが、あれは『とっても上手な人たちが集まった統率のとれたアンサンブル』だから成り立つのであって、腕前もバラバラな素人が1~2回合わせて何とかなるシロモノではありません。

ということで、お止めになった方がいいですよ…ということをお伝えしておきました。企画自体は素敵だったのですけれどね。

そんなわけで(どんなわけぢゃっ…)、美しいカノンのアンサンブルを御堪能下さいませ。

Pachelbel Canon in D Major - the original and best version
コメント
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