共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

夢のケーキ

2016年12月08日 23時12分16秒 | 日記
街中に溢れるイルミネーションや、ここ数日の冷たい風の中に身を置いていると、嫌でも年の瀬感が押し寄せてきます。何だかいろいろとあったような、それでいて何も出来ていないような、何とも複雑な思いを抱えている今日この頃です。

ところで、たまプラーザ駅に東急百貨店内の各洋菓子店舗のクリスマスケーキの予約受付のポスターが掲示されていました。その中に、こんな二段のケーキの写真がありました。

まだ子供の頃、駅前にあった不二家のショーケースの中にこんな凸の字型の2階建てケーキのサンプルが展示してありました。そのサンプルを目にして、幼い子供の私は密かに心ときめかせていたものでした。

我が家は、私と父は甘いものが大好きだったのですが、何故か女性軍が甘いものに興味がなかったため、普段あまり洋菓子など買わない家でした。なので、誕生日のケーキも私と父の時以外はかなりシンプルなものに限られていました。でも、甘いもの好きな私はどうしてもあの凸の字型の2階建てケーキが食べたくて、何回か母に談判したことがありましたが、

「人を呼んでお誕生会するわけじゃないんだし、家族だけで食べるんだったらそんなに沢山のケーキは必要ない。」

と一刀両断され続けたのでありました。

それ以降も凸の字ケーキへの憧れはしばらく続いていましたが、大人になるにつれてその憧れも徐々に色褪せていきました。そして、自分の生活圏内に不二家が無くなってからは、そんなこともすっかり忘れていたのです。

今日このポスターを見て、そんな子供の頃のほろ苦い記憶がふと甦ってきました。でも、今やいくら自分の裁量で買い物が出来る身とは言いながら、独り身の私にとってこの立派過ぎるケーキはますます遠い存在になってしまっているので、これから先も実際に購入することはないでしょう。このポスターの写真を見ながらそんなことを思って、懐かしさと諦め感とがごちゃ混ぜになったのでありました。
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