今日は折角晴れたと思ったら、午後になって突然大雨が降ったりする不安定な空模様となりました。『春に三日の晴れなし』とは言いますが、こうお天気が安定しないと洗濯物もおちおちできません。
ところで、今日5月2日はアレッサンドロ・スカルラッティの誕生日です。
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660〜1725)はバロック期のイタリアの作曲家で、特にオペラとカンタータで著名です。オペラにおけるナポリ楽派の始祖と考えられていて、クラヴィーア・ソナタで有名な
ドメニコ・スカルラッティ(1685〜1757)の父親でもあります。
さて、一般的にはあまり馴染みのないアレッサンドロ・スカルラッティですが、実は名曲を生み出すきっかけを作ったといってもいい人物でもあります。それが《スターバト・マーテル》です。
アレッサンドロ・スカルラッティの《スターバト・マーテル》は、彼がナポリ総督宮廷楽長を勤めていた頃、ナポリ在住の貴族集団『悲しみの聖母騎士団』から委嘱され1724年に作曲したものでした。そして、後に同団体がスカルラッティの作品に代わる新たな《スターバト・マーテル》を委嘱したのが
あのジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710〜1736)でした。
二人の《スターバト・マーテル》はソプラノ、アルト独唱と弦楽器という編成であることや、世俗カンタータと室内二重唱曲の影響を受けていることなどが共通しています。このことから、ペルゴレージの名曲はアレッサンドロ・スカルラッティの曲に替わるものとして依頼されたと推定されていますが、そういった意味ではアレッサンドロ・スカルラッティの作品が無ければペルゴレージの名曲も生まれなかったわけです。
そんなわけで、今日はアレッサンドロ・スカルラッティの《スターバト・マーテル》をお聴きいただきたいと思います。後のペルゴレージの名曲誕生のきっかけとなった、時に静謐な、時に情熱的な音楽を御堪能ください。