今日は天気予報では雨が降らないと言われていたにも関わらず、時折小雨のパラつく残念な天候となりました。あまり雨が続くと体育の授業や校外学習のスケジュールにも影響が出てくるので、先生方もヤキモキされています。
ところで、今日5月17日はエリック・サティの誕生日です。
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(1866〜1925)は19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家です。
よく「作曲家には変人が多い」と言われていますが、恐らくサティほど突出した変人にはなかなかお目にかかれません。サティは伝統的な作曲技法から外れたということだけでなく行動面でも奇抜だったことから『音楽界の異端児』の異名を持つことでも知られていますが、それ故にドビュッシーやラヴェルといった後の印象派の作曲家たちに影響を与えましたし、一部の作品にはいわゆる無調音楽の先駆けのようなものもあって、ストラヴィンスキー等の次世代の作曲家にも大きな影響を与えました。
さて、代表的な作品である《3つのジムノペディ》や《6つのグノシエンヌ》の他に、《犬のためのぶよぶよとした前奏曲》《梨の形をした3つの小品》といった人を喰ったような風変わりな作品を多く世に遺したサティですが、そうした有名どころは拙ブログでは紹介しません。その代わり、今日はサティが初めて遺した処女作を紹介したいと思います。
1879年にパリ音楽院に入学したサティは、在学中に指導教授から
「君は才能が無い」
と否定され、1885年に除籍になってしまいました。その間、1884年に作曲したのが処女作のピアノ小品《アレグロ》です。
この処女作、実はとんでもなく短い曲で
御覧の通りなんとたった9小節しかなく、演奏すると20秒もかかりませんが、実にオシャレでさり気ないミニミニピアノピースです。後にジャン・コクトーやパブロ・ピカソといった芸術家たちとも親交をもったサティですが、その原点となったのは間違いなくこの《アレグロ》です。
そんなわけで、サティの誕生日である今日は彼の処女作《アレグロ》をお聴きいただきたいと思います。とにかくあっという間に終わるので、気をつけてお聴きください(笑)。