今日は、いつもと違う小学校の放課後子ども教室がありました。
子どもたちとあれこれと楽しく過ごして時間に送り出してから、机の除菌や後片付けをしました。そしてミーティングになったのですが、そこで放課後子ども教室の取りまとめ役であるコーディネーターから話がありました。
何だか険しい表情で話し始めたのでどんな深刻な話かと思ったら、先週のセッションの設営に関して
「私の許可も得ないで勝手にセッティングしたりしていた」
とのことでした。曰く、自分が学校側や団体側と何度も話し合いを重ねて企画しているのに、当日その場でコーディネーターの許可も得ずに早くに椅子を準備したりしたことが癇に障ったようです。
基本的なラインは決めていたのでしょうが、実際に動いてみれば計画通りにはいかないと判断する場面というものはどこにでも存在すると思います。あの時も開園予定時刻に椅子の除菌からセッティングまですることを考えたら、早めにしておかなければ確実に間に合いませんでした。
そのことを確認しようとしたのですが、そういう肝心な時に限ってコーディネーターの姿がどこにもありません。それを待っているという悠長なこともしていられませんでしたから、学習アドバイザーたち総出で椅子の準備をして間に合ったのですが、どうやらそれがお気に召さなかったようです。
自分が持ち場を離れてどこかに行ってしまっていたことは富士の頂きに蹴り上げておいての
「自分を通さずに独自に判断すること罷りならぬ!私がルールブックぢゃ!(半泣)」
というヒステリーを聞かされているこちらも辟易させられていたのですが、ここでヘタに反論なんぞしようものなら火に油を注ぐことは明らかだったので言うだけ言わせておきました。自分がいなかったことに対する臨機応変な判断を責め立てられたのですから、気を使ったこちらとしてもそんな一方的なヒスなんぞ聞いていられません。
そんなグダグダなミーティングを終えてからコーディネーター以外と
「お疲れ様でした」
と微妙な顔で挨拶して最寄り駅まで歩いていたら、道すがらに

こんな美しい光景が広がっていました。菜の花畑の向こうに丹沢の峰々の影が連なり、その山の端に霞んだ夕日が沈んでいく中に暖かな春風がそよ吹く…そう、正に文部省唱歌の《朧月夜》の1番の歌詞そのものの世界観があったのです。
《朧月夜》は高野辰之の作詞、岡野貞一の作曲で1914年に発表されました(このコンビが書き上げた中には名曲《故郷》もあります)。その後、文部省唱歌として音楽の教科書に長く採り上げられ、日本の春の原風景を歌う抒情歌として広く愛唱され続けています。
一人の身勝手なヒステリーを一方的にぶつけられてササクレだっていた心が、この風景と《朧月夜》という名曲によってなだらかになっていきました。やはり文部省唱歌という作品は、もっと学校で教えていくべきです。
そんなわけで、今日は日本の名曲《朧月夜》をお聴きいただきたいと思います。NHK放送児童合唱団の歌唱で、美しい日本の原風景を思い起こしながらお楽しみください。