今日も今日とて、厳しい暑さの一日となりました。そんな中でも体育の授業があったりすると一緒に行かなければならないこともあるのですが、運動していない私も汗だくになります…。
ところで、今日高学年の交流授業で音楽の授業があり、打楽器アンサンブルをすることになりました。その時サポートした子が
カウベルを担当することになったのですが、ここで一悶着ありました。
授業では何人かでグループを作って、その中で担当楽器とリズムパターンを振り分けてアンサンブルすることになっていました。その子は元々リズム音痴なところがあるので、私はギロとかカスタネットといったリズム音痴が目立ちにくい楽器を勧めたのですが、当人がどうしてもカウベルを譲らなかったのです。
それはそれで当人の自由なので、カウベルを持たせてみました。ところが、やっぱりというか何というか、打ち合わせしたリズムパターンなんぞガン無視してのやりたい放題が始まってしまったのです。
同じグループの子たちが何回もリズムパターンを教えようとするのですが、意地になっているのか聞く気がないのか、教えようとすればするほど好き勝手やりだしてしまいました。本来、こういった場面では極力子どもたちの間でのやり取りを静観するように言われているのですが、あまりにも勝手な行動が目についたので、一計を案じてみることにしました。
当初、その子の担当するリズムパターンには休符が含まれていたのですが、私が横から口を出して8分音符をひたすら叩きまくるパターンに変更させました。さすがに一定のリズムを叩き続けるだけの単純作業になりましたから、これなら他の子たちに迷惑にならないと思ったのです。
しかし、その子は最初反発してきたので、
「それでは、最初に皆さんと打ち合わせしたリズムを叩けるんですよね?じゃあ勝手なこと叩かないで、私の前でやってみせてくださいな。」
といってやらせてみました。当然ながら全く出来ないその子に
「では次に、私が提案したように8分音符をひたすら叩き続けて皆さんと合奏してみてくださいな。」
といってやらせてみたら、先程と比べるとかなりマシなアンサンブルになりました。
「はい、この2つのパターンを聴いて、どちらがきちんと合奏できていると思いますか?」
と問いかけてみたのですが、その子は現実を目の当たりにしたものの自身のやりたいこととはかなりズレたことをさせれれることになったので、返事もせずにただ恨みがましい目で私を睨みつけてくるばかりでした。それでも、一応私が音楽の専門家であることは認識しているその子は、最終的に8分音符をひたすら叩きまくるパターンに落ち着いたのでした。
打楽器というのは、叩けば誰でも音を鳴らせる手軽さが魅力のひとつです。それだけに、リズムやタイミングが揃わないと壊滅的な破壊力を発揮したりもするので、なかなか厄介な楽器でもあるのです。
それでも、支援級の教室の中でただ楽しくやっているだけなら、どんなリズムを叩こうがお好きにどうぞとなります。しかし、他の人たちと協力しての合奏となれば、話は変わってくるわけです。
今回は相手があることですから、彼らに迷惑をかけないようにするためにも、支援級の子であろうがある程度きちんとアンサンブルしてもらわなければ困ります。そういう時に先生が矢面に立つと後々いろいろと面倒ですが、私のような外野的な個別支援員なら子どもに恨まれようが何しようがどうにかなるわけです。
音楽というのは、芸術の中でもかなり不自由なものです。音楽の3大要素は『リズム・メロディ・ハーモニー』ですが、その筆頭のリズムが揃わないようでは、そもそも『音楽』にもならないのです。
支援級の子たちというのは、ある意味においてとても不便を強いられているということができます。しかし、だからといって支援級の子は不幸なわけではなく、ましてや支援級だからといってあれこれできなくていいわけではありません。
そう遠くない将来、彼らが放り出される世間は、今のように手厚いものではありません。なんでも自分たちのいいように気を使ってくれる人ばかりではないわけです。
そうした世界に彼らが放り出された時に絶望してしまわないようにするためにも、憎まれ役がひとりくらいは必要だと私は思っています。自己満足というならご自由にしていただいて結構ですが、私はこれからもこのスタンスは崩さずにやっていこうと考えています。