今日は久しぶりに朝から雨が降りました。朝から曇っていたせいか気温もそこまで上がらず、湿度は高いものの少しは過ごしやすい感じになりました。
ところで、今日9月4日は『クラシック音楽の日』です。これは1990年に日本音楽マネージャー協会が制定したもので、9と4を『ク(9)ラシ(4)ック』と語呂合わせしたものだそうです(だいぶ無理矢理ですが…)。
『クラシック音楽』というと、一般には西洋の芸術音楽を指します。1550年頃から1900年頃にかけてのバロック音楽、古典派音楽、ロマン派音楽に当たりますが、それ以前のゴシック・ルネサンス期の音楽も、それ以後の近現代音楽も、同じ流れに属する音楽は『クラシック音楽』と呼ばれることが多いです。
私は幼少期によく遊びに行っていた祖父の家でLPレコードで様々なクラシック音楽を聴いていて、自然とクラシック音楽が好きになっていました。その中で、何がきっかけになったのかと考えてみたのですが、恐らくヴィヴァルディの《四季》とベートーヴェンの《田園》だったと思います。
しかも、それぞれに演奏者も固定していて、《四季》は王道のイ・ムジチ合奏団ではなくカルル・ミュンヒンガー(とレコードジャケットには書いてありましたが、現在ではカール・ミュンヒンガーと書かれています)指揮によるシュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏によるレコードでした。そして《田園》は、エルネスト・アンセルメ指揮によるスイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるレコードでした。
一つの記事で《四季》と《田園》を両方載せると絶対に長くなってしまう(汗)ので、今回は《田園》のことについて簡単に書こうと思います。
エルネスト・アレクサンドル・アンセルメ(1883〜1969)は、スイスの指揮者であり、数学者でもあった人物です。1910年にモントルーで指揮者としてデビューしたアンセルメでしたが、この時のプログラムはベートーヴェンの《運命》を中心としたものであったことから、後に常任指揮者となったスイス・ロマンド管弦楽団でベートーヴェンの交響曲全集も録音しています。
祖父の家にあったレコードは1959年に録音されたものですが、レコードの針音とともにスピーカーから流れてくるアルセルメの《田園》の流麗で活き活きとした音楽に、子どもながらに魅了されていました。
それから数十年、いろいろな《田園》を聴いてきましたし、自身でも何度も演奏に参加していますが、私の中のベストワンはアルセルメのレコードです。それくらい、私にとってインパクトの強い存在となっています。
そんなわけで、今日はベートーヴェンの交響曲第6番《田園》を、エルネスト・アンセルメ指揮によるスイス・ロマンド管弦楽団の演奏でお聴きいただきたいと思います。1959年10月に、スイス・ジュネーヴのヴィクトリアホールで収録された演奏でお楽しみください。