明けて昨日、東京パラリンピックが閉幕しました。何故か開催地であるはずの日本国内の各方面、特にオフィシャルスポンサーであるはずの新聞社からディスりにディスられながらの開催となりましたが、終わってみればオリンピックと共に無事に成功したのは何よりでした。
ギリギリまでマスコミ各社が、新型コロナウィルスを錦の御旗に必要以上に不安を煽りまくって「中止にしろ!」と声高に叫んでいたものの、蓋を開けてみればどういたしまして、直前まで開催そのものを批判しまくっていたことなんぞどこ吹く風。まるではじめから開催を歓迎していたかの如くメダリストたちに擦り寄って、恥も外聞も無くニヤついた顔をぶら下げてインタビューをしまくっていた姿は、呆れを通り越して滑稽ですらありました。
パラリンピック閉会式では様々なパフォーマンスが展開され、コロナ禍で出来得る最大限の演出が繰り広げられていました。そんな中で私が個人的に感動したのは、
聖火が消えていく時に様々なアーティストや子どもたちによって歌われた《What a wonderful world(この素晴らしき世界)》でした。
《What a wonderful world》といえば
言わずと知れたジャズ界のレジェンド、ルイ・アームストロング(1901〜1971)が歌った名曲です。現在でも様々なドラマやCMに使われているので、聴いたことの無い方は少ないのではないでしょうか。
歌詞の大まかな意味は
緑の木々が見える
赤いバラの花たちも
僕と君のために咲いている
そして一人思うんだ
何て素晴らしい世界だと
青い空や白い雲が見える
輝き祝福された日
暗く神聖な夜
そして一人思うんだ
何て素晴らしい世界だと
虹の色が空に美しく映えている
行き交う人々の顔にも
その美しさがある
友達たちが
「御機嫌よう」と言いながら
握手をしている
彼らは本当は
「愛している」と
言っているんだ
赤ちゃんの泣き声が聞こえる
彼らはやがて大きくなって
僕が知り得る以上に
多くのことを学んでいくことだろう
そして一人思うんだ
何て素晴らしい世界だと
そう、僕は一人思うんだ
何て素晴らしい世界だと
といった感じです。
かつて音楽プロデューサーのボブ・シールがベトナム戦争を嘆き平和な世界を夢見て書いたというこの曲の詩は、至極素朴な内容ながら、こんなに平和な世界をストレートに希求したものもなかなかありません。それを『多様性』をテーマとして掲げていたパラリンピックの幕引きに使ったということに、演出側の深い意図を感じました。
そんなわけで今日は、静かに東京パラリンピックの聖火を送ったその名曲の動画を転載してみました。トレードマークである満面の笑みをたたえて歌う、ルイ・アームストロング自身の歌唱でお楽しみください。