共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

刃傷事件発生!

2024年10月29日 18時18分18秒 | 日記
今日、勤務先の小学校で、以前から恐れていたことが起きてしまいました。

今日、支援級で図工の授業があったのですが、ひとりの子が自分の思った通りに作品が出来上がらないことにイライラし始めました。この子は普段からその傾向が著しく強い子なので、この時まだ周りは子どもも大人も

『またか…』

くらいに思っていました。

ところが、今日は殊の外虫の居所が悪かったのか、その子は作りかけの作品を床に投げつけ、ハサミを振り回して奇声を発し出しました。さすがに事が事だけに担任が窘めたのですが、その子は担任に向かって

「うっせえ!黙れ◯ソ先公!!」

と暴言を投げつけて、ハサミを手にしたまま突進していったのです。

丁度ふたりの間に立っていた私は、咄嗟に手を出して止めようとしました。その時、急に攻撃先を私に変更したその子のハサミが私の腕に命中して



腕時計にキズがついてしまったのです。

避けた弾みでほんの少しその子に腕が当たったのですが、その瞬間、自分が担任に暴行を加えようとしていたことをチョモランマの頂に蹴り上げて有らん限りの量の涙を流しながら

「暴力教師だ!教育委員会に訴えて◯ビにしてやる!!!!!!!!」

と、私の足を踏みつけにかかったのです。これには、さすがに面食らいました。

一応申し上げておくと時計にキズがついただけで、腕そのものは負傷しませんでした。また、足を踏みつけにかかってきた時も、その足を苦笑しながらヒョイヒョイと避け続けたので実害はありませんでした。

しかし、何しろ子どもとはいえ刃傷沙汰に及んだのですから、こうなるとさすがに捨て置けません。その子の保護者を呼びつけて、大騒ぎに突入してしまいました。

応接室に当事者の子どもとその親・教頭・担任・私が揃い、事実確認が始まりました。

その子はいつもするように、いかに自分が被害者であり、私がとんでもない暴力教師であるかを親や教頭に涙ながらに語りました。その間、担任が反論しようとしましたが、私がそれを制して言いたいだけ言わせることにしました。

一頻り喋り終えたその子は『我が意を得たり』と言わんばかりの満足気な顔をしていました。しかし、その子にとって誤算だったのは、ここに誰一人として自身の味方がいなかったことでした。

私は極めて冷静に事の顛末を説明し、キズのついた腕時計を証拠として提出しました。すると、その子の親が私に向かって

「うちの子が大変なことをしでかしまして、本当に申し訳ございませんでした。」

と深々と頭を下げたのです。

自身が思ったのと180度違う方向に話が進んだことに驚いたその子は

「なんで!?なんでお母さんがコイツに謝るの!!??」

と抗議していました。しかしその子の親は

「黙りなさい!」

とその子を一喝したのです。

聞けば、その子は家でも下の兄弟に日常的に暴力をふるい、やり返されるとあたかも自身が被害者であると言わんばかりに泣き叫んで同情を乞うのだそうです。そうした狡猾な部分を始めは見過ごされていたようですが、それでもあまりにもそうした大騒ぎが続くと、むしろその子に疑惑の目が向けられるようになっているのが現状なのです。

小学校には謹慎処分というものがありませんから、その子は親が休ませない限りは明日からも学校に登校してきます。そうなった時にどのように対処するのか長い時間をかけて話し合いが続きましたが、その間その子は自分の憐れみ芝居を打ち砕かれたことに苛立ち、さりとて親の手前静かにしていなければならず、俯いた前髪の隙間から私をずっと睨みつけていたのでした。

勿論、昭和時代の鉄拳教師を肯定するつもりは毛頭ありませんが、こうした凶暴な小学生が存在しているということについて、教師側にも自身を護る術は持たせるべきだと思います。今回の刃傷沙汰は、こうしたことも起きうるという支援級の在り方を改めて考えさせられる事件となりました。

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