共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日は芥川也寸志の誕生日〜日本中が感動した大河ドラマ《赤穂浪士》メインテーマ

2022年07月12日 18時15分18秒 | 音楽
小田原市内の小学校の子どもたちの中で、新型コロナウィルスの新規罹患者が出てしまいました。発生してしまった学校では当該のクラスを学級閉鎖にして、今週末までは自宅待機でのオンライン授業を行うことになったのだそうです。

夏休みを目前にしてのこの措置は、子どもたちにとっても学校にとっても痛いものでしょう。熱中症対策として登下校時や体育の授業中にはマスクを外すことが推奨されていますが、手放しでコロナ対策をしなくてよくなったわけではないことを、改めて子どもたちに徹底させなければなりません。

ところで、今日7月12日は芥川也寸志の誕生日です。



芥川 也寸志(1925〜1989)は、日本の作曲家、指揮者で、JASRACの元理事長でもあります。

芥川也寸志は大正14年に、作家の芥川龍之介の三男として東京に生まれました。2歳で父を亡くした彼は、子どもの頃に父の残したレコードでストラヴィンスキーの音楽を聴くのが好きだったといいます。

16歳の頃に音楽の道へ進むことを決意すると、猛勉強の末に18歳で東京音楽学校(現東京藝術大学)の作曲科に入学します。その頃の日本は第二次大戦の真っ只中で、芥川も間もなく学徒動員によって陸軍戸山学校軍楽隊に入りますが終戦後に音楽学校に戻り、伊福部昭(1914〜2006)に学んで大きな影響を受けました。

作曲家としては、25歳のときに《交響管弦楽のための音楽》がNHKの管弦楽曲懸賞の特賞となって注目を集めます。その後、同じく作曲家の團伊玖磨(1924〜2001)や黛敏郎(1929〜1997)と共にグループ「3人の会」を結成し、管弦楽曲を中心に数々の作品を発表していきました。

主な作品には《絃楽のための3楽章(トリプティーク)》や《エローラ交響曲》などがあり、他にも映画音楽や放送音楽、童謡も数多く作曲しました。そのほか、NHKテレビの音楽番組『音楽の広場』の司会や、アマチュアオーケストラの新交響楽団の音楽監督なども務めるなど、幅広い活動を行いました。

様々な作品のある芥川也寸志ですが、今回は大河ドラマ《赤穂浪士》のテーマ音楽をご紹介したいと思います。

《赤穂浪士》は、1964年1月5日から12月27日にNHKで放映された2作目の大河ドラマで、原作は大衆文学の重鎮である大佛次郎の大作『赤穂浪士』です。主役の大石内蔵助に、大映の看板俳優で後に国民栄誉賞を受賞する長谷川一夫を担ぎ出した他にも歌舞伎界や新劇界の大物、歌謡界の人気アイドルまでも起用するという豪華キャストの競演で当時の話題を集めました。

《赤穂浪士》は芥川也寸志のテーマ曲も話題となりました。この曲は新東宝映画『たけくらべ』(1955年)の主題曲を使い回ししたものでしたが、冒頭から一貫して響く板ムチのパシッ!パシッ!という音やオーケストラに組み込まれたチェンバロの冷たい音色が討ち入りの厳しさを感じさせるものとなっていて、後に視聴者の共感を得てレコードも発売されました。

ドラマと同様にこのテーマ音楽への反響も凄まじく、放送から50年以上経つ現在でも「忠臣蔵といえばこの音楽」というイメージが定着しています。また『大河のテーマは交響楽』というイメージも定着し、翌年以降の大河ドラマのテーマ演奏はNHK交響楽団によって演奏されるようにもなりました。

そんなわけで、芥川也寸志の誕生日である今日は《赤穂浪士》のメインテーマをお聴きいただきたいと思います。大河ドラマ史に残る名曲を、飯守泰次郎の指揮、芥川也寸志が育てた新交響楽団による演奏でお楽しみください。




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