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バンザイシステム

 センター試験というのは、よく知られているようにマークシートに答案を書く。しかも問題用紙を持ち帰ることができるので、自分がマークした答えを問題用紙にチェックしておけば、帰宅後、その日のうちにネット上で公表される正答と照らし合わせて、何点取れたかを自己採点できる。したがって、センター試験の終了する2日目の夜には、自分の得点を殆ど完全に知ることができてしまう。翌日、その結果をそれぞれの学校に持ち込んで、幾つかの予備校が配布している用紙に自己採点の結果を書き込んで提出すれば、各予備校がそれを集計して、独自のデータを作り、センター試験の結果による各大学に合格するためのボーダーラインを設定してくれる。自分の成績とボーダーラインと照らし合わせながら、2次試験に出願する大学を決定するというのが、センター試験を受験した生徒の一般的な動きである。
 その結果が今年も24日の夕方に公開された。約55万人の受験者のうち、河合塾は40万人弱のデータを集め、わずか2日のうちにその膨大なデータを集計・分析し、各大学の各学部ごとにボーダーラインを設定するのだから、ものすごいスピードだ。しかもこれは無償の、いわばサービスのようなものであるから、本当に感心する。信頼に足るデーターを迅速に受験生に与えることで、予備校としての使命を全うしているようで、正直感心する。勿論、河合塾だけではなく、駿台予備学校と代々木ゼミナールも同じようにデータを出している。その3大予備校のボーダーラインを比べてみると、若干の違いがあって、どれを信頼するかによって、受験生の命運が左右される可能性もある。特に、大学全入時代を迎えた今年は、強気の出願を勧める報道も多数あって、受験生はしばらく悩まなければならないだろう。
 このボーダーラインはネットで調べることも勿論できる。しかも、10年ほど前から各予備校のホームページ上で、合格可能性を判定してくれるシステムも開設されていて、とても便利だ。河合塾は、それを「バンザイシステム」と名づけて、簡単な操作をすれば、センター試験の結果から合格可能性が分るサービスを提供している。各科目の自己採点結果を入力し、自分の志望大学・学科を入力してクリックするだけで、即座に判定が出る。志望大学名の横に、少年のイラストが付いていて、それが金色の服を着てバンザイをしていると「合格濃厚ライン(合格可能性80%の目安)以上」、青い服でバンザイをしていると「合格濃厚ライン~ボーダーライン(合格可能性50%の目安)」、少し憮然とした顔をしていたら「ボーダーライン~注意ライン(合格可能性20%の目安)」、大きな涙を流していたら「注意ライン未満」というように、一目見ただけで分るようになっている。もっと詳しいデータを知りたければ、詳細ボタンをクリックすれば、自分がその大学の志望者の中でどれくらいの順位にいるかを棒グラフで示してくれる。 
 駿台は「インターネット選太君」、代ゼミは「合格判定サービス」という名で同じシステムをHP上で提供しているが、私は河合塾の見やすさが一番だと思って、毎年利用している。今年も、息子を始め塾生の何人かの自己採点結果から、バンザイシステムを利用したのだが、微妙な判定が出た。今年は問題が難化したせいもあって各大学のボーダーラインが下がり、得点率で言えば、どこも5~6%減っている。昨年のボーダーを見て、ため息をついていた者も多かったが、この得点率の低下で2次で頑張れば何とかなるという生徒も出てきた。わが息子も、色々試した結果、2次での出願校もほぼ決まった。決して楽ではないが、ぜひとも乗り越えてほしいと心から願っている。
 河合塾のHPには、受験生へのメッセージとして「自分の夢まで、自己採点しないでください」との文言が掲げてあるが、センターの自己採点の結果、どん底に落ち込んでいる者にはなかなか届かないかもしれない。しかし、まだまだ可能性はいくらでもある。前を見て頑張るだけだ。
 まずは、私立!!
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