毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
「隠し剣 鬼の爪」
3日の夜、山田洋次監督の「隠し剣 鬼の爪」を見た。正月に見ようと年末に買っておいたDVDを、1日・2日とあれこれ忙しくて時間がとれず、やっと3日になって見ることができた。「たそがれ清兵衛」と「武士の一分」は見ており、両作品とも、このブログにも感想を記したとおり秀逸な映画だったため、山田監督の「時代劇三部作」と呼ばれるシリーズの2作目に当たるこの作品も是非見たいと思ったのだ。あらすじは次のようだ。
時は幕末。東北の小藩である海坂藩の平侍、片桐宗蔵は、母の生前に奉公に来ていた百姓の娘きえと、3年ぶりに町で偶然再会する。宗蔵は、伊勢屋という大きな油問屋に嫁いで幸せに暮らしているとばかり思っていたきえの、痩せて寂しげな姿に胸を痛める。それから数ヵ月後、きえが病で伏せっていると聞いた宗蔵は伊勢屋に乗り込み、強引にきえを連れ帰る。平侍である宗蔵の貧しい暮らしが、回復したきえの笑顔で明るい毎日に戻った時、藩を揺るがす大事件が起きる。海坂藩江戸屋敷で謀反が発覚したのだ。首謀者の一人である狭間弥市郎と宗蔵は、かつて藩の剣術指南役だった戸田寛斎の門下生だった。戸田はなぜか、一番腕の立つ弥市郎ではなく、宗蔵に秘剣“鬼の爪”を伝授していた。まもなく弥市郎は脱走、宗蔵は家老から弥市郎を斬るように命じられるのだが……。
この作品も他の2作と同じように、藤沢周平原作で江戸末期の下級武士が主人公となっている。ストーリー的にも、淡々と暮らしていた男女の生活がある事件をきっかけとして動き始め、男女の愛情の機微を描きながら、クライマックスの果し合いへ進んでいく、といった展開が共通している。演じる役者も、複数の作品に出演している人たちが多く、全て特徴的な方言「~でがんす」という語尾を使って話すせいもあって、見る者に懐かしさというか、安心感のような感覚を抱かせる。(この辺りが山田監督の力量なのだろうか)
「武士の一分」の木村拓哉もよかったが、この作品の永瀬正敏も負けないほど素晴らしかった。私は今まで、彼のことを小泉今日子の元夫としてしか認識していなかったが、これだけしっかりした演技ができる役者だと知って驚いた。真田広之と木村拓哉は色男過ぎて妙に悔しくなるが、永瀬はどこにでもいるような平均的な容姿をしているため、それがかえって物語に現実味を加えたように思った。まあ、相手女優が松たか子という美女である以上、その現実感もかなり減ってはしまうが。(宮沢りえ、松たか子、壇れいの3人の女優では、宮沢りえが一番よかったかな)。
見終えた私は他の2作と比べて遜色のない作品だと思った。永瀬の殺陣も迫力があったし、共演陣もみなそれぞれに存在感を見せていて、場面ごとに見所あふれた作品になっていたと思う。しかし、今回は一緒に見ていた者に問題があった。酔っ払って時々意識が飛んだ妻と大学の映画サークルに所属し何本か映画制作に携わった娘と一緒に見ていては、おとなしくしているわけがなかった。
娘「へえー、フィルム撮影してるんだね、いまどき珍しい」
妻「何で最初から永瀬は松たか子と結婚しなかったんだろう、好きなら結婚すりゃいいのに」
娘「周りの風景がきれい過ぎて人物がかすんじゃってるよね」
妻「永瀬と闘った相手(小澤征悦)の殺陣が、あんなへっぴり腰じゃあ全然ダメ」
娘「地味だね。これじゃあ、若い子は見ないよね」
などなど、まさに言いたい放題だった。しんみりしながら見ていた私のすぐ横で文句ばかり並べられたら、さすがにかなわない。「うるさいなあ、黙って見てろよ」と何度か注意したが最後までずっとこんな調子だった。
確かに二人の言うことはもっともなことばかりであり、私も同意するけれど、何もそんなに文句ばかり並べなくてもいいのに。普段私がTVを見ながら、「何だこの番組は」などと言おうものなら、「あなたは文句ばかり言うから、一緒に見てると面白くない」と逆襲されるのに、その夜ばかりは攻守逆転してしまった。
しかし、妻の最後の一言がこの映画に対するスマヲタさんの模範解答だったような気がする。「やっぱり私は木村さんのほうがいいなあ・・」--はい、どうも。
時は幕末。東北の小藩である海坂藩の平侍、片桐宗蔵は、母の生前に奉公に来ていた百姓の娘きえと、3年ぶりに町で偶然再会する。宗蔵は、伊勢屋という大きな油問屋に嫁いで幸せに暮らしているとばかり思っていたきえの、痩せて寂しげな姿に胸を痛める。それから数ヵ月後、きえが病で伏せっていると聞いた宗蔵は伊勢屋に乗り込み、強引にきえを連れ帰る。平侍である宗蔵の貧しい暮らしが、回復したきえの笑顔で明るい毎日に戻った時、藩を揺るがす大事件が起きる。海坂藩江戸屋敷で謀反が発覚したのだ。首謀者の一人である狭間弥市郎と宗蔵は、かつて藩の剣術指南役だった戸田寛斎の門下生だった。戸田はなぜか、一番腕の立つ弥市郎ではなく、宗蔵に秘剣“鬼の爪”を伝授していた。まもなく弥市郎は脱走、宗蔵は家老から弥市郎を斬るように命じられるのだが……。
この作品も他の2作と同じように、藤沢周平原作で江戸末期の下級武士が主人公となっている。ストーリー的にも、淡々と暮らしていた男女の生活がある事件をきっかけとして動き始め、男女の愛情の機微を描きながら、クライマックスの果し合いへ進んでいく、といった展開が共通している。演じる役者も、複数の作品に出演している人たちが多く、全て特徴的な方言「~でがんす」という語尾を使って話すせいもあって、見る者に懐かしさというか、安心感のような感覚を抱かせる。(この辺りが山田監督の力量なのだろうか)
「武士の一分」の木村拓哉もよかったが、この作品の永瀬正敏も負けないほど素晴らしかった。私は今まで、彼のことを小泉今日子の元夫としてしか認識していなかったが、これだけしっかりした演技ができる役者だと知って驚いた。真田広之と木村拓哉は色男過ぎて妙に悔しくなるが、永瀬はどこにでもいるような平均的な容姿をしているため、それがかえって物語に現実味を加えたように思った。まあ、相手女優が松たか子という美女である以上、その現実感もかなり減ってはしまうが。(宮沢りえ、松たか子、壇れいの3人の女優では、宮沢りえが一番よかったかな)。
見終えた私は他の2作と比べて遜色のない作品だと思った。永瀬の殺陣も迫力があったし、共演陣もみなそれぞれに存在感を見せていて、場面ごとに見所あふれた作品になっていたと思う。しかし、今回は一緒に見ていた者に問題があった。酔っ払って時々意識が飛んだ妻と大学の映画サークルに所属し何本か映画制作に携わった娘と一緒に見ていては、おとなしくしているわけがなかった。
娘「へえー、フィルム撮影してるんだね、いまどき珍しい」
妻「何で最初から永瀬は松たか子と結婚しなかったんだろう、好きなら結婚すりゃいいのに」
娘「周りの風景がきれい過ぎて人物がかすんじゃってるよね」
妻「永瀬と闘った相手(小澤征悦)の殺陣が、あんなへっぴり腰じゃあ全然ダメ」
娘「地味だね。これじゃあ、若い子は見ないよね」
などなど、まさに言いたい放題だった。しんみりしながら見ていた私のすぐ横で文句ばかり並べられたら、さすがにかなわない。「うるさいなあ、黙って見てろよ」と何度か注意したが最後までずっとこんな調子だった。
確かに二人の言うことはもっともなことばかりであり、私も同意するけれど、何もそんなに文句ばかり並べなくてもいいのに。普段私がTVを見ながら、「何だこの番組は」などと言おうものなら、「あなたは文句ばかり言うから、一緒に見てると面白くない」と逆襲されるのに、その夜ばかりは攻守逆転してしまった。
しかし、妻の最後の一言がこの映画に対するスマヲタさんの模範解答だったような気がする。「やっぱり私は木村さんのほうがいいなあ・・」--はい、どうも。
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