じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

渡辺淳一「花埋み」

2018-12-27 20:32:57 | Weblog
☆ 近代日本最初の女性医師が誕生して130年あまり。医大の不正入試に見れれるように、女性に対する偏見、不公正は今でも根強く残っているようだ。

☆ 渡辺淳一さんの「花埋み」(新潮文庫)を読んだ。近代日本で最初の女性医師となった荻野吟子の生涯を描いた大河小説だ。

☆ 富農の娘として育った「ぎん」は同じく富農の家に嫁いだものの家に馴染めず、おまけに夫から性病をうつされ実家に帰る。その治療で感じた恥ずかしさ。まだ開業医が男の独占的職業であった時代、「ぎん」は自ら吟子と名を改め、医師の道を目指す。

☆ 新しい分野の開拓者の常だが、女性医師への道は困難を極めた。明治となり文明開化とは言われながら、女子差別は歴然と残っていた。そもそも女性を受け入れる養成機関がなかったし、開業医のための試験を女性が受験することさえできなかった。

☆ 作品の前半は、吟子が医師になるまでの苦労を描く。後半は、開業医として成功をおさめる吟子が、医術だけでは救えない女性の現実に直面し、キリスト教に傾倒するとともに、社会活動に参加していく。そして志方という14歳も年下の男性との結婚。舞台は未開の酷寒の地、北海道へと移る。

☆ 当時の吟子の周りの人々が一斉に反対したように、志方との結婚が吟子の人生を大きく変えたともいえる。歴史に「もし」は禁物だが、もし吟子が志方の求婚を受け入れず、開業医としてまた社会活動家としてその生涯を全うしたならば、その評価は大きく変わっていたであろう。ただ、人生の意味は本人しかわからないし、他人がとやかく言うのは野次馬の遠吠えでしかない。

☆ 晩年は不遇のようにも思えるのだが、それも人生。

☆ 渡辺淳一さんの医師ならではの視点、簡潔な文章が物語の世界に引き入れてくれる。
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株価暴騰

2018-12-27 07:56:53 | Weblog
☆ 休み明けのニューヨークの株式が暴騰している。先日は大暴落だったが、それを超える暴騰だ。

☆ ニューヨーク株式の高騰や円売りに連動して、東京市場も上がるのだろう。

☆ 最近、株価の乱高下が激しい。コントロールを失いつつあるように思える。ダブついた資金が行き先を求めてのた打ち回っているようにも思える。

☆ ドーンと何かが起こるような、ぼんやりとした不安に襲われる。
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