☆ 最近は手紙を書かなくなった。年賀状の季節だが、それもパソコンとプリンターが作ってくれる。乱筆乱文も味なもの、最近は随分と味気なくなったものだ。
☆ 向田邦子さんの随筆集「眠る盃」(講談社文庫)から「字のない葉書」を読んだ。
☆ 中学校の国語の教科書に載る有名な作品だ。まさに寺内貫太郎のようなぶきっちょうな父親。情には厚いが癇癪もち。外では結構気を使っているようだが、その反動で家では妻や子どもに当たり散らす。そんな父親だったようだ。
☆ 小学1年生の末の妹が学童疎開に行くことになった。まだ字の書けない彼女のために父親は自分の宛名を几帳面に書いたおびただしい葉書をもたせた。元気な日は〇を書いて送れというのだ。最初こそ〇の書いたはがきが送られてきたが、すぐに×になり、やがて葉書さえ来なくなった。
☆ 三か月後、母に連れられて帰ってきた妹はやせ衰え、その姿を見た父親は裸足で玄関を飛び出し号泣したという。
☆ 短い作品だが、ドラマの1シーンを見るようだ。
☆ 向田邦子さんの随筆集「眠る盃」(講談社文庫)から「字のない葉書」を読んだ。
☆ 中学校の国語の教科書に載る有名な作品だ。まさに寺内貫太郎のようなぶきっちょうな父親。情には厚いが癇癪もち。外では結構気を使っているようだが、その反動で家では妻や子どもに当たり散らす。そんな父親だったようだ。
☆ 小学1年生の末の妹が学童疎開に行くことになった。まだ字の書けない彼女のために父親は自分の宛名を几帳面に書いたおびただしい葉書をもたせた。元気な日は〇を書いて送れというのだ。最初こそ〇の書いたはがきが送られてきたが、すぐに×になり、やがて葉書さえ来なくなった。
☆ 三か月後、母に連れられて帰ってきた妹はやせ衰え、その姿を見た父親は裸足で玄関を飛び出し号泣したという。
☆ 短い作品だが、ドラマの1シーンを見るようだ。