★ 「秋の一日」と聞くと、下成佐登子さんの曲を思い浮かべる。コッキーポップ、ポプコン、懐かしいなぁ。
★ さて、野上弥生子さんの「秋の一日」を読んだ。本が見当たらなかったので、2017年度大学入試センター試験問題で読んだ。1912年発表の作品だという。例年秋になると体調を崩す直子。今年は何故か調子が良い。夫が土産に買ってきた手提げかごを下げてピクニックに行くことをした。
★ 幼子と女中を伴って、上野を散策し絵の展覧会に行く。ある絵の前に行き着いたとき、直子は学生時代のあるエピソードを思い起こす。無邪気な仲良しグループ。そのお姉さん分に淑子という人がいた。みんなは暑中休暇の話題で盛り上がっていたが、淑子は気乗りしない。理由を言わず、「秋になれば分る事」とだけ告げる。
★ そして秋になって絵の展覧会に行ってみれば、淑子がモデルの絵が展示してあった。淑子は夏の間、兄のモデルを務めていたのだ。そんな淑子は早く結婚し、そして間もなく亡くなった。「淑子さんはそれから卒業すると間もなくお嫁に行って、そして間もなく亡くなられた。今はもうこの世にない人である」と簡潔に書かれている。簡潔ゆえにジーンと来る。
★ 今、直子が足を止め見入っている絵は、彼女の兄が描いたものだった。
★ かつての女学生も今や母となる。短歌のような美しいリズム、いいタイミングで幼子の声が響く。時に「かアかアかア」とカラスを口真似、裸婦の絵を見ては「おっぱいおっぱい」、最後は虎の絵を見て「とや、とや」と大泣き。上品な地の文と無邪気な子どもの風景が絶妙だと感じた。
★ 年末が迫り、街中は殺気立ってきた。理不尽な事件が相次ぎ、コロナの脅威は来年も続きそうだ。車の量も増え、運転も少々荒い。私のように運動能力が衰えつつある者は一層の注意が必要だ。「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」。懐かしい標語だ。
★ さて、野上弥生子さんの「秋の一日」を読んだ。本が見当たらなかったので、2017年度大学入試センター試験問題で読んだ。1912年発表の作品だという。例年秋になると体調を崩す直子。今年は何故か調子が良い。夫が土産に買ってきた手提げかごを下げてピクニックに行くことをした。
★ 幼子と女中を伴って、上野を散策し絵の展覧会に行く。ある絵の前に行き着いたとき、直子は学生時代のあるエピソードを思い起こす。無邪気な仲良しグループ。そのお姉さん分に淑子という人がいた。みんなは暑中休暇の話題で盛り上がっていたが、淑子は気乗りしない。理由を言わず、「秋になれば分る事」とだけ告げる。
★ そして秋になって絵の展覧会に行ってみれば、淑子がモデルの絵が展示してあった。淑子は夏の間、兄のモデルを務めていたのだ。そんな淑子は早く結婚し、そして間もなく亡くなった。「淑子さんはそれから卒業すると間もなくお嫁に行って、そして間もなく亡くなられた。今はもうこの世にない人である」と簡潔に書かれている。簡潔ゆえにジーンと来る。
★ 今、直子が足を止め見入っている絵は、彼女の兄が描いたものだった。
★ かつての女学生も今や母となる。短歌のような美しいリズム、いいタイミングで幼子の声が響く。時に「かアかアかア」とカラスを口真似、裸婦の絵を見ては「おっぱいおっぱい」、最後は虎の絵を見て「とや、とや」と大泣き。上品な地の文と無邪気な子どもの風景が絶妙だと感じた。
★ 年末が迫り、街中は殺気立ってきた。理不尽な事件が相次ぎ、コロナの脅威は来年も続きそうだ。車の量も増え、運転も少々荒い。私のように運動能力が衰えつつある者は一層の注意が必要だ。「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」。懐かしい標語だ。