今、東京の丸の内エリア4ヵ所で、「AERA創刊20周年記念 坂田栄一郎 『LOVE CALL ―時代の肖像―』」という写真展が行われている。
いわずと知れた、「AERA」の表紙を飾った肖像写真の展覧会だ。その写真の撮影を20年間、続けてきたのが、坂田栄一郎さん。
坂田さんと言えば、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが抱き合っている写真が有名、っと写真学校の時から思っていたが、今となっては記憶が曖昧。違うかも???とにかく、昔から有名な写真家であることは確かです。
昨日、Apple Storeに行ったついでだったのですが、とりあえず、丸ビルの会場を皮切りに、すべての会場の作品を見ました。

感想としては、とりあえず、肖像写真でも長く続けると、ドキュメンタリーの要素が大きくなるんだな、と。
この場合は、著名人を撮影しているだけに、その要素が感じやすいですが、たとえ、フツーな人でも、何十年と撮影し続けると、その人を語るドキュメンタリーになりえます。
なので、街に昔からある写真館さんは偉大だな、と。少なくなってきていますが、例えばその地域の子供たちを、お宮参り、七五三、入学、卒業、成人式etcと、撮影し続けるわけでしょ。一種、ドキュメンタリーですよ、これは。だから、子供写真館じゃダメなんですよ。
そういえば、会場で撮影現場の動画が流れていたんですが、撮影している坂田さんを見ていると何となく、その辺の写真館のおっちゃんに見えました(良い意味で)。そういう意味において、坂田さんは、「時代の写真館」だったのかもしれません。

丸ビル・マルキューブ会場。
印象的だったのは、撮影が始まった当初の1988年から数年は、半身や全身を写しているのが多いのですが、途中から、表情のアップが中心になっていくのが、撮影の方針が決まってきたのか、面倒くさくなった(失礼)のか、わかりませんが、坂田さんの撮り手側の動きも感じられました。

行幸地下ギャラリー会場。

会場の作品は、すべてキヤノンの「imagePROGRAF」で出力。
あと、技術的なことを言えば、先ほどの撮影現場の動画を見ていて、そんなに細かいことにこだわらずに撮影されている印象がありました。三脚を使わず、助手の人がカメラを支えている場面がありましたからね。
それから、その人その人で撮り方が違うので、アングル、照明の当て方など、肖像写真の勉強になるように思いました。
また、今回の作品群を一冊にした写真集が出ています。
写真を勉強している方には、今、言ったように、教科書的な存在の写真集になるかもしれませんね。
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