
先日、近所でドラックストアのチェーン店がオープンした傍らで、駅前で30年来営業を続けていた名物喫茶店が閉店となった。
いかにも「昔ながらの地元の喫茶店」と言えるその店は、近隣企業のサラリーマンがランチに訪れたり、近所の主婦層が毎日井戸端会議するような店で、僕の母もよく行っており、父の逝去の際もマスターはよく元気づける言葉をかけてくれたりした。
閉店の理由は、そのマスターがここ数日入院していたらしく、主なところは体調不良と言えるが、その背景には昨年4月の消費税増税やここ数ヶ月相次いでいるいろいろな食料品の値上げがあり、閉店のきっかけを作ったと言っても過言ではない。
大阪の下町で、今までよくあった、いわゆる人情味の塊のようなお店でありマスターだった。
そのような店が存在できなくなっている時代の雰囲気が、いよいよこの下町にも押し寄せてきた感じだ。
そして、ドラッグストアのチェーン店が進出。近くでは、別の食品スーパーの進出計画の話も聞く。
小さきながらも強く生きる人々が、大きな時代の波の大きな力によって、波間の木の葉ように人生を翻弄される。
そして、社会に、国に、その生存を確かにする力もない。
昔、某コメディアンのキャラクターの歌であった、
「強きを助け、弱きを憎む。」という歌詞を地で行く時代。
今の政府も、むしろ、そんな時代を促進している感が拭えない。
そのような波をいつまでも推し進めると行き着くところ、強き者もやがて弱き者となり、そして、誰もいなくなる。
そんなことを思いました。