細江さんの名は写真学生だった頃から聞いたことのある有名な写真家です。
どちらかと言えば、「take」というより「make」の写真家だったような印象がありました。
しかしながら、今回の展示でマジマジと作品を拝見するに、そんなことはどうでもよいことで、それより作品から漲ってくる力・パワーを感じられずにはいられませんでした。
静かに、しかし、怒涛の勢いで迫ってくる作品自体が持つ迫力。
物凄い。
それと同時に、圓徳院の長きに渡る歴史のリアリティや庭園と長谷川等伯「山水図」の襖絵などの文化財などとのまさに「共演」、もしくは「競演」感がとても良いです。
圓徳院という施設にぴったりな展示方法を発想され非常にうまくそれぞれが融合しているように思いました。
特に、襖絵のように写真を展示するというある意味大胆な方法や北庭を望む北書院での掛け軸を手前に降ろしてくるような展示方法は凄く良いと思いました。
この展示を企画された方の意欲を強く感じるし、凄い発想力だと思います。
この展示方法自体がひとつの「作品」と言えるのではないでしょうか。
とにかく、細江さんの写真作品などの展示物ひとつひとつの迫力もさることながら、この展示方法にも大きな感銘を受けました。
すばらしいものを魅せていただいて非常に満足しています。
そして、あらためて感じたのは、「写真は音を出さない。」ということ。
当然といえば当然なんですが、日本の伝統的な文化の中でこのような静寂が必要なものと写真はコラボレーションできる余地が大いになるなぁ、と思ったのです。
あと、自分って、本当に日本人だなぁ、とあらためて思いましたw。
さて、今回のこの「KYOTO GRAPHIE(京都グラフィー 国際写真フェスティバル)」。
基本的には、去る5月6日に無事日程を終えることができたようです。
(二条城のみ、12日まで行われている模様。)
いろいろ見ていると、来年も行われるような勢いですが、今回のように充実した内容で行われるのであれば、来年は全部観て周りたくなりますね。
このイベント、来年も期待ですね。
TB。--------
「junzirog:高谷史郎『Ice Core』 『Snow Crystal』@西行庵(KYOTO GRAPHIE)」
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