報道によりますと従量電灯の契約アンペアを小さくする変更が急増しているとのことです。余りにも多くなったのか、ブレーカの在庫が無くなり、工事が遅れてしまうこともある状況とのことです。東電のHPで確認してみましたら確かにそのような記述がありました。
これは東電の電気料金値上げへの対抗措置といった側面が強いのではないかと思います。昨夏は節電のためといったこともあったと聞いております。
先の報道では、60A⇒30Aへ変更するといったこともあるようです。この場合、基本料金は1,638円⇒819円へと半減します。年額9,828円の削減となりますが、その分家電製品の使い方に気をつけないとブレーカーが落ちて停電といったことにもなりかねません。確かに電気料金は安くなりますが、生活実態に即した無理の無い範囲でダウンしないと思わぬ不便を強いられることになってしまいます。
このようなアンペアダウンを行うことによって、ピークカットにも貢献できますし、電気の無駄を見直すことにより節電もできます。電力会社に申し込めば、基本的には無料で交換工事をしてくれますので、お手軽に挑戦できる方法ともいえます。ただ、注意しなければならないのは、電気を使い過ぎるとブレーカーが落ちてしまいます。それなりの生活スタイルの変更と工夫が必要になるのではないかと思います。
そこで、いきなりの停電では大変不便でしょうから、家庭版デマンドコントローラ(デマコン)を取り付けといった対策もあります。これは、ブレーカーが落ちる前に警報を鳴らしたり、自動的に負荷を入り切りするといったことができます。このような機能を持った分電盤(ピークカット機能付分電盤)は既に販売されております。しかしながら新規に設置する分には良いでしょうが、既存の分電盤と取り替えるには少々モッタイナイ気がします。東電の場合で計算しますと、60A→40Aに変更すると基本料金が年間6,552円安くなります。これでは導入費用の償却に10年程かかってしまいます。
分電盤でなく単体での製品が販売されていればもっと安くできるのでしょうが、取り付ける際には電気の知識が必要となりますので、電気屋さんに依頼することになります。電気屋さんも、この手の仕事に詳しい方は少ないでしょうから、結局は分電盤スタイルにしておいた方が無難というのが、メーカーの言い分なのでしょう。
どなたか過電流警報機を単体で仕入れて(あるいは開発して)、安価に設置をするビジネスをしませんか。結構ニーズがあるかも知れませんよ。
※一部電力会社には基本料金制度が無い場合があります。
<参考> 「アンペアダウンのためのツールのご紹介」 「アンペアダウンツール:家庭用電流報知器(Aらまー)を取り付けてみました」