このところマイナスイオンという言葉をとんと聞かなくなってきました。ところが某新聞で、「プラズマクラスターイオン空気清浄機」に関する記事を読み、「シャープのHP」でプラズマクラスターイオンなるものを調べてみました。
この情報だけでは何とも判断できませんが、「ホントかなー?」と私の頭の中を多くの疑問符が飛び回ります。プラズマ放電によって、プラスイオンとマイナスイオンが作られるとありますが、「プラズマクラスターイオン発生機」の製品仕様の消費電力の項目をみるとたった数W~数十Wです。それも送風ファンの消費電力も含んでいるようです。確かに水素イオン、酸素イオンに電離させるだけならば充分なエネルギーでしょう。しかし、一旦生成したイオンなるものがクーロン力に打ち勝って、大気中に放出されて長時間さまようメカニズムはどう理解すればよろしいのでしょうか。そして、浮遊カビ菌やウイルスに選択的に取り付いて分解・除去あるいは作用を抑えるといったメカニズムも理解に苦しみます。
放電によってオゾンが発生することは良く知られたところです。このオゾンにも殺菌・脱臭効果があると言われております。プラズマ放電によって、オゾンは発生していないのでしょうか。もし発生しているとすれば、どのくらい発生しているのでしょうか。実証データに関しては、このオゾンの効果が除かれた、純粋にプラズマクラスターイオンのみによるものでしょうか?
と色々と分からないことだらけです。「ご採用企業」を見ると色々なところで知らない内に使われているようです。家電製品であれば買わなければ済む話ですが、強制的にメカニズムが分からない製品によって作られた空気を吸わされていると思うと何となく不気味な感覚を覚えます。
そういえば、マイナスイオンがもてはやされたのは、家電不況の時だったような記憶があります。シャープさんといえば、現在巨額赤字に苦しんでおります。パナさんも同様の状況です。こんな時にはヒット商品が必要となります。このような文脈で「ナノイー」なるものも登場してきたのでしょうか。