テレビ番組で南極観測隊の料理人がゴミを出さないように食べ残しを使い回して別の料理にリメイクしていることが紹介されておりました。確かに南極は天然の冷凍庫です。生ゴミを捨てても永久に土に帰るなどということはないでしょうから貯まる一方です。ですから料理人さんが食べ残しを使い回す必要がある訳です。我々は、このことから多くを学ぶべきであろうと思います。
以前読んだ老舗料亭の板長さんへのインタビュー記事で「食材のきれっぱしなどは捨ててしまわずに活用すること、それが料理人の心だ。」、「捨てる食材を少なくすることは料理人の腕である。」と言い切っておられました。とても含蓄のある言葉です。家庭でそこまで実行するのは、なかなか難しいことでしょうが、チョットした工夫や手間をかけることで生ゴミを減らすことができるとすれば、チャレンジしてみない手はないと思います。
これは私自身が確かめたことではないのですが、生ゴミは水分を多く含むので、焼却するする際、焼却炉の温度を下げてしまうそうです。燃焼温度が下がるとダイオキシンの発生要因となるそうで、高温燃焼させるためにわざわざ油などの可燃物を添加しているとのことです。ということで、生ゴミを減らすことは、収集運搬に要するエネルギー等々を含めて省エネに繋がります。当然のことながら二酸化炭素排出量の減少等々の環境負荷削減にも貢献できることにもなります。
食品ロスに関する政府広報によりますと、年間約1900万トンの食品廃棄物が排出されているそうです。このような厖大な量の食品が廃棄されていると思うと誠にモッタイナイ限りです。そして地球上には、今現在餓えで命の危険にさらされている多くの人がいることを思わずにはいられません。私の祖父が生きていたら、「そんなことしていると、その内に罰が当たるぞ!」と怒り狂っていることでしょう。食品を作るにも、運ぶにも、そして廃棄するにもエネルギーを消費していることを忘れてはなりません。
ということで我が身を振り返ってみますと、我が家で発生する生ゴミは、稲藁と混合(生ゴミだけでは水分や窒素分が多過ぎるので)して堆肥にしておりますので廃棄することはありません。更には、私が残飯処理係りを兼任しておりますので、食べ残しはまずありません。ということで食べ残しの使いまわしなどということは考えてみたこともなかったので、ものすごく新鮮に感じてしまいました。今後、食べ残しの使い回しは無理のようですので、料亭の料理人さんのようにはいかないでしょうが、食材のきれっぱしなどを有効活用することにチャレンジしてみようと思っております。
このようなことでも省エネに貢献できるとすれば、それはそれで有意義なことではなかろうかと考える次第です。