2006-05-02 15:25:21
五月を迎え、大型連休~ゴールデンweekで、久々に休みを取り、
野山や潮干狩りや行楽地へ向かう家族ふれあいの方も多い事と存じます。
自然に親しむのに絶好の爽やかな季節ですね。
園庭に見事に咲き誇っていた桜、
新入・進級の子ども達に
あたたかい無言の励ましのエールを送ってくれていました。
園の歴史の流れを見守っているシンボルツリーsakuraも、
すっかり新緑の若葉に衣替えしました。
それで、このblog日記の背景も青空に広がるyumeピンクの桜の花から、
新緑の若葉にキラキラこぼれる木漏れ日に衣替えいたしました。
今、子ども達は、
親離れ子離れの「自立」の階段を一歩一歩上っています。
朝、園バスに乗る時点では、涙がこぼれ…別れが辛い親子が、
まだ新入園の各クラスに1~2名くらい見かけます。
が、バスに乗って5分も経たない内に、どの子も皆泣きやんでいます。
その時点で、添乗の先生が、バス無線で事務室に
「○組の○○さん泣きやみましたので、お家に電話してお母様にお伝え下さい。」
と報告が入ります。
で、直ぐに事務の先生が、自宅のお母様に
子どもの様子をお伝えして
「泣きやみました」とお知らせしています。
その後は保護者も
「おかげで一日、安心して家事や仕事に打ち込める。きめ細かい連絡や連携で指導してくださりありがたい…」
と、喜んでくださっています。
まだ、一ヶ月も経たないのに、すっかり慣れてきて、毎日 珍しいことの連続にワクワクしながら、園に来るのを楽しみにしている子ども達も多くて、
「連休で幼稚園はお休みです」と言うと、
「ようちえんがいい!」
と、残念がる子ども達もいる。
中には
「園長先生も一緒におんせんに行きたいの?じゃ、パパに連れて行ってとたのんであげようか?」
と、真剣な眼差しで誘ってくれる子もいて、嬉しいやら、ありがたいやら。感激!
益々目に入れても痛くない可愛いおさなご達です。
日々「自立心」も育ち、つい先日まで、自分のクラスの前まで
年長組のお兄さんお姉さん『ちびっ子先生』に玄関から手を引かれていた
「たんぽぽ」や「年少組」新入園児も、すっかり靴箱の自分の靴を置く位置も覚えて、
自分で上靴への履き替えも出来るようになりました。
異年齢の交流・ふれあいでお互いに自我を意識し始めています。
プライドも持ち始めて、嬉しい成長!
先週は、とびきり 感性のすごさにまいりました。
朝、涙を浮かべながら登園していたあの子が、靴箱前で
自分の履いてきたズック靴に話しかけている…
「お家から幼稚園まで、どうもありがとう!帰りまで待っててね~バイバイ!」
といって、別れを惜しみながら教室に入る姿~これにはビックリ!
わずか生まれて4年。
4才で、履いてきた靴へ感謝の言葉を言い、別れのご挨拶が、
お気に入りの靴にもちゃんと出来るなんて!感動!感激!
幼稚園児ならではの感性です。
自分のまわりの全ての物に、
「心」があり「いのち」があると感じ、自然に誰から強制された訳でもなく、
「ありがとう」「バイバイ」が口から出てきて、これは、凄い!
この職業に就かせていただき、子どもに学ぶ日々。有り難い!
素晴らしい佳い日になりました。
さて、それにしても、「こどもの日」が来るたびに考えるのですが、本来の子どもらしい子どもが激減し、子どもっぽい大人が激増しているように思われてならないのです。
もともと、幼児期の子どもは、自己中心の世界に生きていますが、それにも増してとことん自己中心な生き方の大人が増えていませんか?
子どもにばかり、良い子になりなさい!親のいうことをききなさい!勉強しなさい!
お稽古ごとも、好むと好まざるにかかわらず押しつけて、何でも人と比べて、
早く早く~とせき立てて、大人の都合で子どもを振り回すタイプ…
激増していますね。
朝、大人があと1時間位早起きすれば、子どもにも
「早く 早く~」を連発しなくても、済むはずなのですが…
生活リズムの確立は、この時期の子どもに、これから先の人生を左右する
大事なことです。
子どもの生活中心に、大人が夜更かししないようにして、就寝時間も
午後8時までには寝床に入れる態勢にし、
明かりを消して、静かに子守歌で添い寝もし…
最低10時間以上は確保し、熟睡出来るようにご配慮を。
充分睡眠が足りていれば、自然に気分良く~
他人から起こされなくても自分から目覚めます。
いつも子どもの心に寄り添い、
今、何に興味関心があり、どんな友達とどんな遊びをし、
どんな気持ちで過ごしているのか?
もっと、しっかり心の中を見つめ、我が子の良いところ(個性の輝き)を、ドンドン見つけて、認め、褒めて自信をつけ、自分の存在の価値を自覚できるよい関わり(スキンシップ…しっかり視線を合わせて言葉掛けや抱きしめ)を心がけて子ども達にもっともっと丁寧に関わってあげて欲しいですね。
そういえば、先日4月29日みどりの日に福岡市で教育者研修会がありました。
講演会で、中盤にさしかかり、講師の石川県からいらっしゃったベテラン西村倭子先生は、良い子を育てる家庭の秘訣は… 夫への『背中流し』と『膝枕』のすすめ 等とおっしゃったのでした。
午後の質疑応答で、そのことが問題になり、30代半ばのある女性が、
「私も仕事をしていて、夕方はくたくたに疲れて帰り、夫の背中を流す前に、私の方が流してもらいたいくらいの日もあります。正直なところ、実行は難しいです。」
「何故かというと、夫は帰ると同時に、「おいビール!」と持ってこさせ酌をさせ、自分がいかに大変な仕事をして帰ったかを、ぐちぐち愚痴り、私の話は全然聞かない。」「子どものことは、全て私任せ。ちょっとでも具合の悪い点があれば、君の躾方がまずいからじゃないのか?等と他人事のように言い、今や、爆発寸前で、日々我慢。だから、背中を流す気にもならない。」
「顔も見たくないし、モノも言いたくない日もある。が、子どもの前だけは、喧嘩しないように努めている。無理してまでも夫の背中流しはしたくない…どうしてもイヤでも実行しなくては良い子にならないですか?」
というのでした。
最初、若い女性たちは、皆、少し頷きながら同感という空気だった。
が、中高年の女性や男性の反応は、明らかに違っていた。(苦笑)
愛情をどれだけ子どもや夫に注いでいるか…それが問題
で、とにかく『背中流し』を したりされたり、これは、理屈ではなく
実行し『膝枕』しながら、耳掻きし合うのも、純粋にシンプルに、
身の回りの人やモノや水も空気も自然も、全てを
かけがいのない存在として熱愛し、『冬のソナタ』のヨン様よりも、
縁あって伴侶となった『そばのあなた』を大事になさい。
要は、全身全霊を込めて感謝の生活を~というすすめでした。
「あなたが変われば、夫も変わります。」
「先生が、変われば、生徒は変わります。」
仲の良い夫婦の子どもは、そんなに急に、暴走族に入ったり、非行に走ったり、引きこもったり、問題行動で他人に迷惑を平気でかけたり、まして況や自殺したりはしない筈。 というお話に、最後は、全員納得なのでした。
ちなみに、午後その分科会会場にいた人で、いつも夫への『背中流し』と『膝枕』を実行している女性は、僅か3人でした。
「これから、背中流し、実行しますか?」と念を押され「はい!」と答えたのが、約50人位全員でした。
ただ[心に思うだけ]の片想いではなく、大人らしく~
もっと、子どもや相手に通じる愛情表現をすることが大事、そして実践実行の努力を惜しまない事を教えられました。
楽な方へ逃げ、自己弁護ばかりし、子どもっぽい自己中心の大人が、これ以上増えて欲しくない気がします。
が、子ども受難の時代は、残念ながらまだ暫く続きそうです。
いたいけな何の罪もない子ども達を、誘拐したり、拉致したり、虐待や心も凍る殺人のニュースは、もうこれ以上聞きたくないですね。
こどもの日には、家族で楽しくふれあい、一生の思い出のGWになるように、
お祈りしています。
今日は、少し長文、最後まで読んでいただき 誠に有り難うございます。
緑ヶ丘・第二幼稚園 園長 長濱光古(ながはまつやこ)