絵話塾だより

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2022年5月7日(土)イラストレベルアップコース・サタケシュンスケ先生の授業内容

2022-05-13 17:56:48 | イラストレベルアップコース
今日のイラストレベルアップコースは、サタケシュンスケ先生6回目の授業です。
今回は、デジタルツールのお話です。



サタケ先生がここでの授業を始めた4年前に比べて、デジタルツールの状況は大きく変わっています。
以前は手描きがほとんどだったこのレベルアップクラスも、今は生徒さんの半数がiPadを使っています。
以下、デジタルとアナログの比較をしてみると

<デジタル>
・デジタルツールを使うと、人とのやり取り、例えばデータでの納品や修正、管理など、仕事上で必要な場面は多いです。
・作業効率が上がります。iPadなどは制作場所を選びませんし、使用媒体での色もそのまま再現されます。
・カットイラストなど、同じ線で同じ物をたくさん描く時に向いています。
 大型作品の場合、場所を取らず、後から大きく引き伸ばせます。
 アニメーションも、データだと絵を描いて動かすことがしやすいです。
<アナログ>
・手書きならではの表現ができます。一点ものであるプレミア感がありますし、改変加工など悪用されにくいです。
・実際に画材を使って描いているところを見てもらえる、似顔絵やワークショップなどのイベントに向いています。
・絵本の場合、原画展を見てもアナログの力は強いと感じますし、
 水彩や筆文字も、デジタルではまだまだ再現しきれない表現が魅力です。
・昨今では、入り口からのデジタル派が増えた分、アナログスキルに希少価値を感じることもあって、
 チャンスと捉えることもできます。

どちらかに絞る必要はないので、使う媒体や用途で使い分けできるのがベストです。

デジタルにおける制作環境については、MacとWindows、どちらにも一長一短があります。
<Mac>
・メリット=クリエイター系のユーザーが多く、iPhoneやiPadなどの連携がとれる。
・デメリット=本体の価格が高いこと、選択肢が少ないこと、Macでは使えないアプリもある。
<Windows>
・メリット=PCユーザー全体でのシェアが圧倒的で、選択肢が多く安い。
・デメリット=iPadやアップル製品との互換性が良くない。

作画に使用するペンタブレットは、マウスの代わりにペンを動かすことでカーソルを動かせるツールで
デジタルに抵抗感がある人は使った方が良いです。以下の2種類があります。
<板タブ(ペンタブ)>=パソコンやノートパソコンに接続し、ディスプレイを見ながら使う。
・メリット=液タブと比べて安く、軽くて持ち運びも楽。また、手で絵が隠れない、首に負担がかからないという人もいる。
・デメリット=モニターと手元が離れていて直感的に描くには慣れが必要。
<液タブ(液晶タブレット)>=専用のペンで液晶画面に直接描いて使います。
・メリット=直感的に描けるので、入りやすく馴染みやすいし、大きなモニタも魅力の一つ。
・デメリット=プロ仕様は高額で、大きなものは持ち運びに向かない。
どちらを選ぶかは好みに分かれます。使い分けると良いですが、どちらもPC環境が必要になります。



実際にサタケ先生が使ってこられて、使い勝手が良いお薦めのメーカーや機種について、具体的な機種や価格についても紹介してもらいました。



iPad は液タブの性能と機動性を持ち、単独での生産性も期待できます。ペイントアプリも豊富にあるので、やりたいことに応じて選びましょう。
サタケ先生はFrescoの本も書かれていることもあって、よく使われているそうです。(YouTubeでも紹介されています)

とはいえまだまだ必要なPC環境、特にAdobeの2大アプリは外せません。
Illustrator向きなのは、色や形がハッキリしていて、動かしたり組み合わせたりして描く絵や、使用サイズの大きい絵、数をたくさん描く絵です。
Photoshop向きの絵は、ぼかしや滲みなど、手書きタッチを再現したり、写実的な表現をしたりする絵です。iPadと併用する場合にも、行き来しやすいです。

ここからは、デジタルツールそれぞれの描き方を、実演を交えて紹介してくださいました。
サタケ先生の場合、iPadでアイデアを練ってラフを描いた後、PCへ持っていって制作するそうです。






デジタルツールでできることはたくさんありますが、全部やろうとすると大変です。
まず、自分に何が必要か、「これが作りたい」と目標を持つことが大切です。
あくまでも道具の一つとして考え、付き合っていくのが良いと考えます。

ワークショップでは、25パターンの表情を描き分けました。
表情やアングルを変えたり、手に動きをつけて表しても。オーバーリアクションな方が、絵として伝わりやすいですね。
目、眉、口、仕草の変化をフルに使って、バリエーションをつけましょう。



それでは、みんなで見てみましょう。見せ合うことで、捉え方の違いを感じ、客観的に見る力が付きます。
白目を描くことで表現の幅が広がりますね。
表情パターンの前後関係も想像して描くと描きやすくなりますよ。
このワークシートをインターネットで検索すると、世界中の上手な人の例が見られます。とても勉強になりますよ。



今日は、たまたま来られていた山内先生も、生徒の皆さんと一緒に授業に参加されていて、すごく勉強になりました、とおっしゃられていました。
プロが受けても面白い、サタケ先生の授業でした。



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絵本とイラストを学べる「絵話塾」からのお知らせです。
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皆さん待っています!

・5月15日 (日) 17:00〜
・5月22日 (日) 17:00〜
・5月29日 (日) 11:00〜/17:00〜

よろしくお願いいたします。
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