絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年11月29日(水)絵本わくわくコース・tupera tupera 亀山達矢さんの授業内容

2023-11-30 16:23:52 | 絵本わくわく塾

本日の授業は、tupera tupera ・亀山達矢さんです。

初回の授業ですので、お仕事と絵本が出版されるまでの苦労やアイデアなど、いろんな話をお聞きしました。

 

tupera tupera は、亀山達矢さんと中川敦子さん二人によるユニット名です。

今年で活動20周年だそうです。おめでとうございます!

始めは布雑貨を主に制作して、雑貨屋さんで販売していたそう。

その頃の雑貨作りは、とにかく楽しかったそうです。

 

 絵本以外にも沢山のお仕事をされています。

今までのお仕事では、舞台美術・商業施設などの広告用ポスターなどのビジュアル・テレビ番組や映画のキャラクター・教科書・CDジャケットなど、幅広く活躍されています。

その他にも美術館の展示や各地でのワークショップ・講演会などで、とってもお忙しそうです。

お忙しい中、授業でお会い出来るのはとてもありがたく嬉しい時間です。

 

授業では、パソコンで画像を見ながら説明されていきますので、とても分かりやすいですね。

 

後半は絵本制作のお話です。

出版した絵本は、約50冊だそう。

tupera tupera の作る雑貨の中にはストーリー性を感じるものが多いので、

「絵本は作らないのですか?絵本を作ったらいいのに!」という声が多く、

ちょうどその頃は、雑貨屋で洋書を部屋のインテリアとして扱っているお店も増えて、

部屋に飾れる絵本なら作れるかもと思い、絵本作りにも興味が出てきたのだそうです。

そして五味太郎さんとの出会いも大きかったそうです。

 

初めての絵本は『木がずらり』

2004年に自費出版で限定1000部制作され半年間で売り切れたそうです。

現在はブロンズ新社から販売されています。

 

その後『しましまじま』ブロンズ新社(2006年)『12の星のものがたり』ヴィレッジブックス(2007年)を出版。

制作に苦労した話をいろいろお聞きしました。

 

2008年にコクヨから出版した『かおノート』が大ヒットします!

『かおノート2』が出版されるころ、2010年に学研から『やさいさん』『くだものさん』続けて『ぼうしをとったら』のフリップブックが出版されます。

『やさいさん』『くだものさん』は「スッポ~ン」と野菜を引き抜くフリップブックです。

読み聞かせでは、みんなで「スッポ~ン」と掛け合いが出来て盛り上がります。

 

2012年に『しろくまのパンツ』ブロンズ新社、2013年に『パンダ銭湯』絵本館から出版されました。

大ヒット作の『しろくまのパンツ』や『パンダ銭湯』が誕生したエピソードをお聞きしました。

『しろくまのパンツ』10周年の記念に『ねずみさんのパンツ』も出版されました。

 

どの絵本も発想が面白くて、生活の中で発見したことが絵本に発展していっています。

 出版された沢山の絵本には、いろんなアイデアが盛り込まれています。

妥協をしないで絵本作りをされてきたのだなと、とても感じました。

 

最後に『うんこしりとり』のうんこを作っていただきました。

3分間で完成! 影がいい具合に入っていて、立体的に見えます。

 

 

この一年は、ワークショップや講演会のお仕事が多くて、絵本の出版がありませんでした。

来年からは、新たな気持ちで絵本を作りたい。と、おっしゃっていました。

 

絵本制作を始めた5年間に作ったものが、今になって形になっていってると実感しているそうです。

人の意見を聞いて止まるより、手を動かして作ってみる。

絵本になる種はいっぱいあります。

人の評価を気にせず、どんどん作った方がいいよ。と、亀山さんはおっしゃっていました。

 

次回は手を動かして、ワークショップをします。

お楽しみに!

 

 


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2023年11月25日(土)イラストじっくりコース・寺田順三先生の授業内容

2023-11-29 18:44:17 | イラストじっくり塾

イラストじっくりコース・寺田順三先生の初回の授業です。

皆さん、自分の作品を持ってきていたので、作品を見ながらアドバイスをいただきました。

 

初めは、作品を発表するので緊張していましたが、寺田先生の大阪弁で一気に和やかムードに、では発表していきましょう。

 

いろんなタイプの作品があり、もう既にお仕事しましたという方もいましたが、なかなか仕事に結びつけるのが難しい方も多かったです。

イラストが描けるだけでなく、デザインのセンスもいるよ。

最近の雑誌を見ていても、今っぽいイラストがよく使われています。

上手すぎて説明のできる絵は、堅苦しく感じて面白みが無いです。

個性がありすぎるのも使いにくいので、今っぽいと思う感覚って必要。

自分のスタイルって、意識しなくなった時に出てくるもの。

自分は意図していなくても、周りが「いいね!」って、決めてくれることがあります。

周りが求めてくれている。これが個性になります。

 

絵が描ける人が多いので、これからどう発信していくか。

企画展に参加したり、個展をしたり、SNSで発信したり、この一年で一歩前に進んで行きましょうね!

 

次回の授業では、課題を発表していただきます。

【課題】

ファッション雑誌・生活や暮らしについての雑誌・旅行の雑誌など、いろんなジャンルの雑誌があります。

雑誌にカットイラストを描くとしたら、自分ならこんな風に描くというイメージをしてイラストにしてきてください。

実際にある雑誌のページに見えるように、はめ込んでプリントしてきてくださいね。

 

 


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2023年11月25日(土)文章たっぷりコース第5期・第2回の授業内容/高科正信先生

2023-11-26 20:54:52 | 文章たっぷりコース

文章たっぷりコース第5期の第2回目の授業は、高科先生が自作にかけた思いについての話から始まりました。

世の中には沢山の本があります。書店に並んだ本からお気に入りを選び、それを買って読んだり
あるいは図書館で借りて読むこともあるでしょう。
その時は、読者はその本を好きに読むことができるし、どんな感想を持っても良いでしょう。
作者が何を思って作品にしたかなど、できあがってしまうと読者には関係ありません。
でも、ほんの少しでよいから、作者が伝えたかったことについて気にかけてくれると嬉しいとのことでした。

まず、今期テキストとなる『60歳からの文章入門』(近藤勝重 著/幻冬舎新書)を皆で音読。
前回の【思うより思い出すことを書け】の続きで、筆者が毎日新聞で発表したコラム「アジサイを振り返り眺めつつ」と
【身のまわりの変化をとらえる】から、灘中の入試問題に使われたコラム「サンダルからブーツ」と、「天気は天の気」
を見ていきましたが、入試問題はとても難しく、先生を含め受講生の皆さんはどうやら灘中に入れそうにないことが分かりました。

続いて、哲学者の鶴見俊輔が1979年に行った一般向けの文章教室で話した内容をまとめた『文章心得帖』(ちくま学芸文庫)から
鶴見氏が考える理想の文章の条件が書いてある部分を皆で読んでいきました。

鶴見氏は必要なのは、①誠実であること ②明晰であること ③わかりやすいこと だと言っています。
 ①は、人が作った言い回しなどを使わずに、普段使っているような自分の言葉で書くこと
 ②は、自分できちんと定義できる範囲の言葉で書くこと
 ③は、読者にとって分かりやすい表現で書くこと だそうです。
 特に高度な知識を持つ人は、「おりていく」ことが必要ではないかということでした。

では、分かりやすく書くにはどうすれば良いか。
文章をまとめていく段階として①思いつき ②裏付け ③うったえ の順番があるそうです。
 ①は、発想、気づき、ひらめき のこと
 ②は、①の根拠を調べて確認する作業のこと。文章にリアリティを持たせるうえで、重要になります。
 ③は、何が書きたかったかを明確に示すこと なのだとか。
最後まで書いても分かりにくいときは、②③を繰り返しましょう。
以上は、コラムなどを書く場合で、小説を書くときはもう少し複雑な作業になるそうです。

休憩をはさんで後半は、ひらがなについての興味深いお話です。
50音には、各行ごとに色や形の特徴的な感覚があるというのです。
そこで、絵本『かっきくけっこ』(作・谷川俊太郎/絵・堀内誠一 初出・ひかりのくに/再版・くもん出版)を紹介してくださいました。

この本は、1972年に ひかりのくに から出版され、高科先生はそのバージョンを持って来てくださったのですが
そのバージョンには、ことばパフォーマーの はせみつこ さんたちが朗読したソノシートがついていて、今回はその音声を聞かせていただきました。

言葉というものは発声しないとわからないこともあって、ひらがなの各行には特徴的なイメージがあります。
ひらがなに濁点がつくと、また違ってきます。
ひらがなの持つ柔軟性と、その中から生まれてくる言葉遣いに気をつけて、かなを使うようにしましょう。

最後に、前回の課題「あるく」の参考文献として、朝日新聞に寄稿した平民金子さんのコラム『神戸の、その向こう』より
「心の中に きみだけの花を」「ふいに特別な 深夜散歩」を見ていきました。
平民さんのコラムはいつも、日常のほんの一瞬を捉えた “この人にしか書けない文章” になっているので、先生は以前からよく紹介してくださいます。
ユーモアやペーソスがあり、具体的に分かりやすく、読んでいると情景が浮かんでくる…彼のような文章が自在に書けたらいいですね。

さて、今回の課題のテーマは「たべる」です。
食べること、食べたこと(思い出)、食べ物についての考えなどについて、自由に書いてください。
食べることをテーマにした、創作でもかまいません。
枚数も自由ですが、できるだけ人に伝わるように書くためには、それなりのボリュームが必要になってきますね。

ということで、次回12月23日の授業の時までによろしくお願いいたします。

授業はここまででしたが、終わった後で生徒さんから
一つの作品の中で時間が行き来したりすることがある場合、一行空けたりするのはどうしたらよいか?という質問がありました。

文章には、まず “音節” があります。音節とは「わたしは」など、これ以上小さくできない(意味のある)言葉の単位です。
それを集めたものが “文章” で、文章を集めたものが “段落” です。段落は、意味がそんなに違わない文の固まりです。
段落は、あまり長くなりすぎると読みづらいので、4〜5行から長くても7〜8行を目安にすると、書き手も読み手も分かりやすいです。
そこから別の文章に移るときに、“改行” をします。
改行をしてからも話は続くのですが、そこで今まで書いてきた時点から時間が経ったり、別の視点から書くことになる場合は、
そのまま続けて書くと話が分かりにくくなるので、“一行空け” たりして進めるのが、常套的な手段になります。

また、会話文の書き方についても質問がありました。
先生の考え方では、(慣れないうちは)会話文と地の文は分けて書いた方が良いでしょうということです。
でも会話だけで続けていくと、話し手の様子が分かりにくくなるので、「…」の前後で情景が分かる文章を入れる場合もあります。

という具合に、このクラスでは先生のお話だけでなく、生徒さんからの質問で思いがけず授業が盛り上がることも多々あります。
皆さん意欲的に授業に参加されているので、2時間半があっという間な感じがします。

次回の授業まで一か月ほどあきますので、受講生の皆さんは体調を崩さぬよう気をつけて、課題執筆に務めてください。

なお、高科先生はつねづね課題以外の文章についても、何か書いたものがあれば読んでアドバイスしてくださるとおっしゃっているので、
皆さんどんどん書いていってくださいね!

 


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2023年11月23日(土)イラストレベルアップコース・初回の授業内容

2023-11-23 18:44:42 | イラストレベルアップコース

今日はイラストレベルアップコース、今期第1回目の授業です。 

この授業では、3名の先生が授業ごとにローテーションで1名ずつ、または合同で授業を行います。 

初回の授業は、イラストレーターの山内庸資先生、朝野ペコ先生、デザイナーの駒井和彬先生の合同授業です。 

 

まずは全員で自己紹介。最初は先生方からです。 

 

山内先生

「このコースが始まった時から6年目の担当となります。書籍・ロゴ・壁画など幅広くイラストレーターとして活動しています。何を吸収してどう出すか、インプットを重要視して授業を進めていきます」 

ペコ先生

「イラストレーターとして書籍のお仕事をメインに活動しています。授業では今まで自分がやったお仕事についてのプロセスを辿りながら、どうやって考えたかを皆さんと共有していけたらと思います」 

駒井先生

「普段は本のお仕事を中心に、デザインのお仕事をしています。絵話塾には、10数年前に、ペコ先生と同時期に通っていた卒業生でもあり、昨年からは講師として授業を担当しています」 

 

続いて、生徒の皆さんの自己紹介です。 

・今年に入ってから初めて絵を描き始めて勉強したくなった 

・独学でイラストを描いていたけれど絵を描く環境に入りたくなった 

・過去にイラストをお仕事にしていて再挑戦したい 

・現在もイラストを本業にしているが、新しい場所でも絵を描くた  めに成長したい 

など、様々な目的や意識で受講されています。 

 

続いて、それぞれの先生方から次回までの授業課題の発表です。 

駒井先生

①企業からカレンダーを依頼されたと想定し、ノベルティアイテムとして「企業カレンダー」を制作してきてください。手にするお客さんなど対象は誰か、日めくりや月めくり、卓上、壁掛けなどを考え、課題発表の授業前に1度ラフを提出してください。 

②年間を通した課題として、「イラストで売り上げ」を立てて来てください。方法はグッズやコンペ、ストックイラストなど何でも構いません。そちらは最終授業日に発表です」 

 

ペコ先生

「A4用紙3枚程度に『クロッキー』をしてきてください。素早く形をとらえるという練習なので下書きはなし。小さくて良いので沢山描きましょう。苦手をなくすために普段描かないものなど、色んなものを描いてきてください」 

 

山内先生

「持参課題はありませんが、授業内で課題をやっていくというスタイルで進めます。イラストの仕事の6~7割は人物です。初回の授業内では人の頭身を描き分けるという授業を行います」 

 

授業後半では、先生方への質疑応答です。 

普段どんなデジタルツールを使われているのか、アナログ原画を仕事として納品する時はどうするのか、修正や料金、イラストレーターとしてのHP制作についてなど、多岐にわたった内容で、たっぷり時間をとって回答して頂きました。 

もし、何か疑問が出てきた時に、先生や一緒に受講している仲間に聞けるのは嬉しいですね。 

先生だけではなく、横の繋がりが出来るのは仕事をしていく上でもお互いに支え合える心強い存在になります。 

 

それでは、次の授業は山内先生の担当です。 

「人の頭身を描き分ける」というテーマでお会いしましょう。 

 

チャオ!


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2023年10月28日(土)ドローイングクラス・イヌイマサノリ先生の授業内容

2023-11-21 14:30:19 | ドローイングクラス

今日は、ドローイングクラス第一回目の授業です。

初めにイヌイ先生から、授業の大まかな流れについての説明と、先生の自己紹介がありました。

ドローイングコースは、外で描くことがメインですから、苦にならないように、楽しみながら描いていきましょう。

オリジナリティーというのは、描いていくうちに、徐々に「良い感じの線や色の組み合わせ」が見つかるものです。

僕はうまく描く方法を教えるのではなくて、自分なりの良い感じを見つけるアドバイスをしていきます。 画材や紙ひとつとっても、描くときの感触や表現の仕方で自分に合うものがあるはずです。それを試行錯誤しながら描いていく習慣もつけていきましょう。 自分なりの何かを、見つけられる8ヵ月になればと思っています。

 

自己紹介です。 僕は少し前まで鎌倉に住んでいました。今は姫路に住んでいて、実家の手入れをしながら、普段はイラストレーターをメインに仕事をしています。 趣味はギターを弾くこと、それとキャンプも好きです。 初めの仕事は美術の先生でした。それから、雑貨を作ったり、絵本を描いたり、ロンドンに住んでいた頃のスケッチ画集を出したり、壁画もやりました。他にも広告関係など、いろんな仕事を経験しているので、皆さんの質問にも答えられると思います。

 

では次は皆さんの自己紹介です。

名前、普段の仕事、絵を描いた経験、好きなこと、好きな作家、伸ばしたいところ、受講理由……それから今日持ってきた作品があれば見せてくださいね!

今期の生徒さんは、以前に絵話塾の他のコースを受講された方、今期のコースをダブル受講の方、初めましての方など様々です。 想いも様々で、画力を上げたい、描く習慣をつけたい、趣味にして楽しみたい、それに絵のことを話せる仲間が8ヵ月、どうぞよろしくお願いします!

 

まずは、ウォーミングアップです。 ファッション雑誌の切り抜きを見ながら、人物をクロッキーしましょう。

これで、自分がじっくり描くタイプか、瞬発力で描く方が向いているタイプか、見つけやすいと思います。

イヌイ先生も一緒に描きます。

 

クロッキー帳やスケッチブックは、B5以上のある程度の大きさが良いでしょう。 描画材は、鉛筆だと4Bなど柔らかいものをカッターで削ると、芯の長さや先の形が変えられるので、面で塗ったり、強弱などの表情がつけやすくなりますよ。外で描くときは削りカスが出るので鉛筆削りも使います。

また着彩には、色鉛筆やクレパス、ペンなど、屋外で扱いやすいものが良いですね。

今日は初めてなので、皆さんの絵の感じを見せてもらうだけにしますね。

5分ぐらいで、何回か描いていきましょう。描いていくと慣れてきますよ。これは、家でもできるしね。

最後の授業にも、同じようにクロッキーをします。8ヵ月後には、どう変わっているかな?

描き終えたら隣の人に回して、次の切り抜きを見てまた描きます。数枚描いたところで、一旦休憩です。

 

南京町周辺でドローイング。 ピンとくるものを自由に探して、描いてみましょう。

今の時期の南京町はとても賑わっていて、人混みから少し外れたところや、お店に入って描かれている方も多いようでした。

皆さん、楽しく描いているようで、絵が好きなことが伝わってきました。

4時前に、再び教室へ集合です。 大切なのは、時間を決めて5分でも、毎日描く事!

 

次は一旦教室に集合して、皆んなで歩いてメリケンパークに行きましょう。 改装中のポートタワーも足場が外されて、数年ぶりに(ほとんど)姿を 現しているので、近くで見られるのも楽しみですね。

では次回お会いしましょう!チャオ!


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