絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2020年6月20日(土)イラストレベルアップコース・サタケシュンスケ先生の授業内容

2020-06-24 14:26:26 | イラストレベルアップコース
今日のイラストレベルアップクラスは、サタケシュンスケ先生の最後の授業です。
テーマは「いい絵とは・絵を上達させ続けるには」です。
最終日にぴったりのお話ですね。



まず「いい絵とは?について考えてみました」

イラストレーターとしていい絵とは?
・商業的効果が高い絵
・生活に不可欠な絵
・人の心を動かす絵
・自己表現としての絵 などですが、
サタケ先生がイラストレーターとして活動し始めの頃は、
「人の心を動かす絵」「自己表現としての絵」を意識したイラストだったそうです。
表面的なこと、見た目を気にしすぎて、個性的な絵を描いてましたが、
何かのために描きたいという目的が生まれ、絵を描く仕事がしたいと思ったそうです。



そして、個性を主張するよりも目的に合わせた表現が出来るよう、
雑誌のイメージに合わせて絵を描き変えれるよう絵のタッチを変えるようにしていったそうです。


次に「絵を上達させ続けるには」

1、人の作品からインスピレーションを得る
新しく何を描けば良いのか分からない、ということもあるでしょう。そんなとき、人の作品をたくさん見ます。
そして、その作品のどこが良いのか分析して、それを自分の絵に持ってきたらどうなるか、試してみるそうです。
参考にするといっても、そのままコピーはしません。
例えば、考え方、配色、構図だけを参考にしてみます。

2、いつもの慣れた方法を変える
例えば、色を変えてみる、線の数を減らしてみる、などサタケ先生の作品実例を見ながら方法の変え方を教えていただきます。



3、描くことが習慣になる仕組みを作る
こちらも、毎日継続して絵を描きSNSの更新をしていきましょう!


イラストレーターに必要な力とは「バランス感覚」
・イラスト力とコミュニケーションとのバランス
・好感が持てるイラストが描ける

イラストレーターとして絵が描けてもコミュニケーションが取れないと、仕事として成り立たない場合があります。
展覧会やグループ展に参加して、コミュニケーション力を高めるのもいいですね。



最後に皆さんからの質問
・ポートフォリオについて
・この先はデジタル化になっていくのか
・画力を上げるには
・仕事のラフとは



今日で授業は終わりですが、イラストレーターとして活動していくと、悩みは付きものだと思います。
イラストレベルアップコースが修了しても、先生とは繋がっていますので、質問がありましたら訊いてみてくださいね。

この8ヶ月の間にポートフォリオを作り営業をして、仕事の依頼があった方もいました。
皆さんの成長を見ていくのが楽しかったです。
一緒に学んだ仲間も出来たし、支えてくださる先生にも会え、充実した時間だったでしょう。

また来期のクラスも募集していますので、ご興味のある方は是非お問い合わせくださいね。






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2020年6月19日(金)文章たっぷりコース16回目(最終回)の授業内容・高科正信先生

2020-06-23 17:30:41 | 文章たっぷりコース
11月から行ってきた文章たっぷりコースの授業も、今回で最終回となります。
少人数で先生を囲んで和気藹々と、まるでゼミのように行ってきたこのクラスですが
後半はコロナの影響で出席できない方も多く、不完全燃焼気味な幕切れになってしまいました。
第1期最後の授業はどうだったかというと…
高科先生が児童文学作家を志していた40年程前の話から始まりました。

当時は、今のようにたやすく情報を得ることができない時代でしたので
各地で開催される絵本作家さんたちの講演会などのイベントにできるだけ参加して
その方々が薦めてくれる本を読んだり映画を観たりして
自分の中に吸収・蓄積していったのだそうです。



その頃から好きだった評論家・川本三郎氏のエッセイ集『君のいない食卓』から
「あとがき」と「母のオムライス」「漬け物をこまかく刻む」を見ていきました。



前回出された課題「幸せな食卓」というテーマにもつながるのですが
食の話題になると会話が盛り上がる、食は思い出と共にある、というものです。
確かにこのテーマで何か書こうと思ったら、いろんな記憶が蘇りました。
川本さんは若くして亡くなった奥様との思い出を、
本作と『いまも、君を想う』『そして、人生はつづく』の3部作で綴っています。

その川本さんは、1982〜84年に偕成社から発行されていた『児童文学アニュアル』という
一年間の児童文学の動向を記録した本にも寄稿されていて、絵本の定義を
「読者である子どもを ここではないどこかへ 連れて行ってくれるもの」とされています。
絵やストーリーがどうこうというのではなく、本質的なものですね。



高科先生は、井上ひさしや灰谷健次郎の作品が好きだったので
まだご自分の書きたいものが定まってなかった時代は影響を受けて
彼らのように、辛いけれどどこかにユーモアがある話、
底にあるのはおもしろい、愉快なものを書きたいと思ったそうです。

井上ひさしの言葉
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」
は、文章を書くうえでも心がけたい言葉です。



先人の道を辿りながら、自分にないものを取り入れるセンスを身に付ける。
そのために、いろんなジャンルの本を読んだり、映画を観るようにしましょう。
以前、文章を書く時は辞書を手元に置く、というのがありましたが
文章の内容がたとえフィクションだとしても、間違ったことは書けないので
自分が知らないことは調べないと書けません。
専門的なことだけでなく、一般常識(例えば常緑樹には落ち葉など存在しないこと)についても
書く前に確認するようにしましょう。



絵本では、絵と文章を違う人が書く(描く)場合がありますが
その場合は、相手の表現が正しいかどうかも確認が必要です。

そして、文章たっぷりコース第1期最後の話題は「幸福とは何か」について。
前回の課題のテーマは「幸せな時間」でしたが
幸福とは何かを決めるのはとても難しいことです。

『ゲド戦記』の翻訳者・清水真砂子さんの「幸福に驚く力」という一文から
「子どもたちは、つまらない日常の中でも喜びを見つける “幸福に驚く力” を持っている。
この力はある程度の年齢になると弱まって、やがて再び幸福に驚こうともするけれど、
それにはとてつもないエネルギーが必要になる」

トルストイは
「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」
と言うけれど、他人から見たら不幸なことでもその人にとっては幸せなこともあります。

高科先生は最後に
「それぞれに違う幸せの中味の一つ一つを書くことが子どもの文学。
書くということを幸福と結びつけたいと思うし、清水(真砂子)さんの言うように
機嫌の良さこそが子どもの文学の本流だと思う」とまとめられました。

そして、今期本当は取り上げたかった、哲学者・鶴見俊輔さんの
『思い出袋』をできれば読んでもらいたいとのことでした。



高科先生、第1期クラスの皆さんお疲れさまでした。

第2期は10月頃から、今度は月2回土曜日の夕方(17時〜19時30分)に行う予定です。
初心者向け文章教室という大まかな路線は変わりませんが、
参考文献や課題などは第1期とは異なるものになります。
ご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。


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2020年6月5日(金)文章たっぷりコース15回目の授業内容・高科正信先生

2020-06-10 17:18:11 | 文章たっぷりコース
今回は県内の方が戻って来られたのと、見学者がいらっしゃったので、
久しぶりに教室が賑やかになりました。

先生は、最近ホトトギスが鳴くの耳にしたそうです。
コロナ禍で、人間の生活は変わっているけれど、
そんなこととは関係なく、自然の摂理は動いている。
人間なんか大したことない、と思うのだとか…



今日も辰濃和男さんの『文章のみがき方』の続きで、「肩の力を抜く」という箇所を学びました。
肩に力の入っていない文章の例として、本の中で武田百合子さんの『富士日記』『日日雑記』等を挙げています。
彼女の夫で作家の武田泰淳さんが、肩の力を抜いて書くことを妻にすすめたそうです。
何も書くことがなくても、その日にあったことや、おもしろかったこと、いやだったこと、
なんでもいいから、まず書く。そこから出発しよう、と言うのです。
最初から後世に残るいいものを目指すのではなく、
肩に力の入らない文章は、読む方も気楽な気分になれるのです。

宇野千代さんも、
①毎日、机の前に座る。
②なんでもいいから、書く。間違っても「巧いことを書いてやろう」
 「人の度肝を抜くようなことを書いてやろう」などと思ってはいけない。
③最小限の単純な言葉で、あなたの目に見えたこと、あなたの耳に聞こえたこと、
 あなたの心に浮かんだことを素直に、単純に、そのままを書く。
と言っていて、それは文章を書き始めようとする人に対する、
実に適切で実用的な忠告になっています。

机に座るのは儀式のようなもので、文章を書くスイッチを入れるために
ある人はコーヒーを飲んだり、ある人は万年筆を握ったりします。
皆さんはモードを切り替えるとき、どんなことをするのでしょうか?

次に、英文学者外村滋比古さんの『ことばのある暮し』から、
「テンとマル」について見ていきました。
文章を書いていくうちに、文法では 「。」 にすべきところを
文章の勢いを止めないように、あえて 「、」 にする場合もあるそうです。
その他、引用符の使い方の約束が日本語では曖昧で、
英語では、引用文が続いているときに段落が変わっても、
とじの引用符を使わず、新しい段落の頭に引用符を付けるそうですが
外村さんはそのようにしようとして、編集部と揉めたことがあるとか。
このように、表現するときに細部にこだわって
特別なルールで記述することがありますが、
一つの作品の中では統一しましょう。

例えば、会話文が長く続いているのに改行すると分かりにくいので
そんな時は段落を短くしたり、途中で地の文を入れるテクニックを使います。
絵本など、会話文だけの文章になりがちですが、
それだけだと情景描写がないので、地の文で補う方が読み手に親切です。



ということで、会話文がたくさん出てくる、高科先生(文)と荒井良二さん(絵)の絵本
『おおきなおおきなさかな』を、読み聞かせてくださいました。
※ この本は今月の「キンダーおはなしえほん」で再版になり、絵話塾でも販売しております。(¥400)



たくさんの登場人物がいろんな場面で主人公の ぼく と会話をしますが、
誰がしゃべっているかよく分かります。

どうしたら文章が書けるようになるかを考えると
人の書いた文章をたくさん読んで、体に染み通らせるようにして
それを糧にし、自分で書く時の参考にすることが大切だということでした。



次は、以前出ていた課題「ブランコの情景描写」の参考として
『くまの子ウーフ』シリーズの作家、神沢利子さんの
『同じうたをうたい続けて』と『いないいないばあや』から
ちょうどブランコを漕ぐ描写のあるところを読み聞かせてくださいました。

情景描写は、景色が映像として見えるように書くもので
読むと、人物の表情、仕草、声音なども想像できます。
人物と人物の関係性や、心の動きを表すのにも必要になります。
「桃太郎」や「はなさかじいさん」などの昔話には、
記述はありますが、情景描写はありません。
もし、桃太郎が鬼をどのようにして退治したか克明に描写して
血がどう飛び散ったかなど描写をすると、たいへんなことになります。



そして高科先生の『ツバメ日和』から、
二人の少年が別れを惜しむシーンを朗読してくださいました。

先生は、創作でもリアリティが大事だと思っているので
少年二人が抱き合った時に爪痕がつく場所を探して
ご自分の腕をあちこちぎゅっと掴んでみたそうです。

また、この作品では会話が関西弁ですので
文章にするのが難しかったそうです。

関西弁の作品もたくさんありますが
田辺聖子さんの『ブス愚痴録』
マイク・セイラーの文を今江祥智さんが翻訳した『ぼちぼちいこか』は秀逸とのこと。
ちなみに関西弁の絵本の先駆けは、
長谷川集平さんの『はせがわくんきらいや』だそうです。

また、TVドラマでメインキャストなのに関西弁を使ったのは
明石家さんまだった、というお話もされていました。

いよいよ次回で文章たっぷりコース第1期は最後の授業になります。
少人数で、途中まで楽しく進んでおりましたのに
コロナで皆さんが思うように授業に参加出来なくなり大変残念です。

最終回までにはもう少し落ち着いて、
皆さん無理せず参加できるようになって欲しいです。

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2020年6月6日(土)イラストレベルアップコース・山内庸資先生の授業内容

2020-06-09 14:38:04 | イラストレベルアップコース
本日のイラストレベルアップコースは、山内庸資先生の今期最後の授業でした。
久しぶりに教室での授業です。
皆さん元気そうで良かったです!

「自分をブランディングする」
この先どう活動していきたいのか?

一人ずつこの先の目標を聞き、丁寧にアドバイスをいただきました。



まず自分が成長する為の情報収集をすることが、ブランディングには必要です。

ポジティブに自分を引き上げるところ(目標)を見ていきましょう!
メンタルを上げてポジティブに行くことが大事です!

それぞれにいただいたアドバイス
・イラストを上手くなるには模写してみる
・イラストには安定性(ぶれない)ことが大事
・線は時間をかけて描く。線の太さを合わせて整える



山内先生からは、イラストだけでなく人生について大事なことなど、大切なメッセージをいただきました。

イラストは一つの要素、それよりも自分自身と見つめ合ってほしい。
自分を上げるものも足を引っ張るものも結局は自分。
自分を客観視してみましょう!

授業が終わってからも、イラストの話で盛り上がりました。
生徒さんが描いたイラストを、山内先生が同じように描いてみました。
実際に描いているところを見れてラッキーです。

 

また、生徒さんからも「お仕事の依頼がありました!」と嬉しい報告もありました。

山内先生、たくさんのアドバイスをありがとうございました。

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2020年5月30日(土)イラストレベルアップコース・サタケシュンスケ先生のオンライン授業内容

2020-06-02 15:01:26 | イラストレベルアップコース
本日のイラストレベルアップクラスは、ZOOMでのオンライン授業で、サタケシュンスケ先生の「グッズ製作について」です。

今ではコロナの影響もあって、オンラインでグッズを販売しているイラストレーターも多いです。
サタケ先生も「SUZURI」というサービスで、簡単にグッズを作って販売されたそうです。

今話題のアマビエのイラストです。


グッズ製作が出来るようになると、個展などでも販売が出来ます。
原画に比べてお手頃なお値段ですので、グッズの売り上げが大きいとおしゃっていました。

それぞれメリット・デメリットがあるので、いろんな業者さんを比べてみるといいですね。

①在庫を持たずに販売
十分な利益が見込めないうちから、たくさん作るのはリスクが高い。
データをアップロードして、オリジナルグッズを簡単に作成、販売できるサイトをいくつか挙げていただきます。サイトの使い方、メリット、デメリットも。
Tシャツ、iPhoneケース、スウェット、トートバック、マグカップなどなどの多様なグッズが在庫無く、作れるというのは、魅力的です。

②1点でも作ってくれる
こちらも、1点から製作してくれるサイトを紹介。
受注生産や、プレゼント、試作品製作のために利用できます。

③専門メーカーで作る
専門の業者さんの方が安いこともあります。
マスキングテープ、トートバック、スタンプ、缶バッジ、本など、それぞれにオススメの業者さんのサイトを教えてもらいます。

④自分の手で作る
業者に頼むのではなく、自分で作ると安く作れます。
作業時間はかかるけど、他にはないものを作ることができます。

⑤自分の手で作る(さらに専門的に)
より専門的な道具(レーザーカッターや、3Dプリンターなど)を使うことができる工房を利用する。

それから、BASE、STORES.JPなど、自分が作った商品を登録して販売するサービスのサイトの使い方も丁寧に教えていただきました。



・総柄・パターンものが作れると、ファブリックやマスキングテープ、スマホケースなどの展開できるのでオススメです。
・ワンポイントのイラストは、キャラクター性のあるもの(アマビエのような)が好まれやすいです。

本格的になればなるほど、描く時間よりも、作る時間売る時間が増えることがあります。
どちらに重きを置いて活動するか、バランスを考える必要があるとのこと。
そして、原価には作業費、宣伝費、出店料なども含まれるというお金の話も、ためになります。

また雑貨を作ることが出来ると、ワークショップを開くことも出来ますよ。



授業の後半には、皆さんのイラストを見て講評をいただきました。

一人ずつ丁寧に講評をしていただき、さらに良くなるアドバイスもいただきました。

 
・ファッションイラストなら、洋服の部分が引き立つイラストにした方がいいですね。



・人物を描いてレイアウトするにも、毎回同じパターンではなく余白を作ってみる。
そうすると、余白の部分に文章を入れてみたくなります。

 

他にも、食べ物を描くには? インスタグラムにアップするには?など、
皆さんの質問にも分かりやすく説明してくださりました。

次回の授業で、サタケ先生の授業は最後です。
次回は、教室に集まって授業しましょう!

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