絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2020年5月16日(土)イラストレベルアップコース・山内庸資先生のオンライン授業内容

2020-05-21 14:42:24 | イラストレベルアップコース
本日もZOOMを使ったオンライン授業です。
時間が三時間ですので、途中休憩をはさみながら進めていきましょう。

本日の授業は、神戸のデザイン会社・明後日デザイン制作所の近藤聡さんをゲストにお迎えして、デザイナーとしてのお仕事や皆さんからの質問にお答えいただきました。

近藤聡さんは、お店のロゴやパッケージ、内装デザインやエプロンなどを含めてブランディングされたり、美術館のポスターや保育園・図書館などのサインデザインなど、幅広いデザイン・企画のお仕事をされています。

元町にある「BISPOCKE」のブランディングもされていました。

 

海と山のイメージで考えられたそうです。
看板もパッケージもとても可愛くて、お土産に買いたくなりますよね。


山内先生とお仕事された「あかし市民図書館」

 

山内先生の描いたポスターが目を引きます。
身近に感じるキャラクターで、図書館に行く楽しみが増えますね。


サタケ先生のイラストもありました。


近藤聡さんのデザインは、デザインするだけではなく、そこから何か楽しめるものに繋がるといったアイデアがあり、
「なるほど〜」と思える見るだけではない楽しみが隠されていますね。

イラストレーターは、近藤さんのようなデザイナーに依頼されると、どう出来上がるのかワクワクし、また一緒にお仕事したいなと思うのでしょう。

前半はお仕事の紹介で、後半は質問をしてアドバイスをいただきました。

【質問】
・どんなイラストが使いやすいか?
・アナログとデジタルでは?
・見やすいポートフォリオ 
など、他にもたくさんの質問がありましたが、一つずつ丁寧にお答えいただきました。

イラストは上手だから使いたいのではなく、良いと思えるイラストを使いたい。
独特なその人らしいものがあるのはいいが、健全である健やかなイラスト。
誰もが好きと思える、ネガティブ要素のないイラストがいいとおしゃっていました。
またイラストだけでも伝わりやすい、というのも大事。

今回はオンライン授業でしたので、近藤さんにお会い出来なかったのが残念でしたが、
街中で近藤さんのデザインした看板やチラシなど、拝見出来ることを楽しみにしています。

明後日デザイン制作所の近藤聡さん、貴重なお話しをありがとうございました。






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2020年5月15日(金)文章たっぷりコース14回目の授業内容・高科正信先生

2020-05-19 16:48:20 | 文章たっぷりコース
今回も市外の方は参加できませんでしたので、教室内は寂しい授業となりました。
そろそろ自粛も緩和される見通しが付いてきて、次回からは皆さんに出席していただけるでしょうか。



ということで、今日はツバメの話題から始まりました。
高科先生は毎年ご自宅の近所にツバメたちが来るのを楽しみにしておられるそうです。
今年は渡ってくるのが遅くて、これからどんどん暑くなるのに、巣の中でヒナたちが酸欠にならないか心配なのだとか。
そういえば、以前ウグイスのお話しもされていましたし、身近な鳥で季節を感じるっていいですね。
前回の授業でも話題になった、日常の些細なことに目を止めてすくい取り、
それをからっぽの “引き出し” に入れて溜めておき、必要な時に取り出して文章にするということを思い出しました。

ということで、今日も辰濃和男さんの『文章のみがき方』から、「さあ、書こう」という箇所を見ていきました。
文章を書こうと思ったら、手元に辞書を置きましょうということでした。
辞書なしで文章を書くのは、関ヶ原の戦いに丸腰で挑むくらい無茶なことなのだそうです。
例えば「うとうと」と「うつらうつら」では、前者が眠りに重点があるのに対し、後者は覚めている方に重きを置いている。
辞書を引くとそんなことまでが詳らかになるのです。

例えばここに出てくる「トクチョウ」は、「特徴」なのか「特長」なのか、
この場合の「ツイキュウ」は「追求」か「追及」か「追究」か、
どの漢字を使うのが良いのか迷うことがあります。
そんな時は、各新聞社が出している『用語の手引き』を使えば便利です。



上の画像をクリックすると、最新刊の情報が出て来ます。
目次部分の画像を見ていただくと分かりますが、
使用する漢字、送りがな、区切り記号、数詞・助動詞、外来語の扱いについて等々
およそ文章を書く時に迷いそうなことの答えが、たくさん載っています。

新聞は記者が取材した時のことを、間違いなく読者に伝えなければいけません。
識者のコメントを正しく伝えるため、記事にする時に誤解が生じないよう
日本新聞協会で統一している表記方法があり
それらをまとめている書籍なので、とても便利です。

最近では電子辞書やネット(出典が明らかな物に限る)で調べる場合も多いでしょうが、
普段から、意味が分からない言葉が出てきたら、
辞書で調べる習慣を付けておくとよいでしょう。
「逆引き辞典」や「類語辞典」なども使ってみると
ある言葉を使おうとするときに、もっと良い言葉はないか知ることもできます。
例えば『色の名前』『空の名前』などについての本もあり
それらを読んで知識を付けると、文章表現の幅が広がります。
文章をより豊かにするために、前述の “引き出し” に知識も溜めていきましょう。



続いては『本の旅人』という角川書店のPR誌に掲載されていた
窪美澄さんの「ページをめくる本能」といエッセイを見ていきました。
小さな子どもが絵本を手にすると、振り回したり口に入れたりして
その後、教えないのに一人でページをめくるようになる。
人間にとって物語の先を知りたいというのは本能なのではないか。
スマホやタブレットの画面をスワイプする時代になっても
物語のおもしろさというのは普遍的なものに違いない、ということでした。

本日の最後は、以前出ていた課題「風」に関する話題です。



先生は、マリー・ホール・エッツ作の『ジルベルトとかぜ』という絵本を読み聞かせてくださいました。
エッツは『もりのなか』や『わたしとあそんで』で有名な絵本作家ですが、
この作品では目には見えない「風」をどのように感じるか
「風」をどうやって絵にするか、ていねいに描かれています。



ラストシーンに出てくる柳は、世界中に自生している樹木で
風を取り込んで、受け流すことができる存在として描かれています。

授業はあと2回を残すのみになりました。
課題が2つ出されましたので、お伝えしておきます。

1つめは「幸せな時間」をテーマにした創作作品を書いてください。
登場人物は誰でも・何でもOKですが、本文を原稿用紙5枚(2000字)程度でお願いします。
タイトルと作家名が入るので、実際には6枚目5行目までで終わります。
実生活や経験を基にしても大丈夫ですが、創作にして仕上げてください。
何が幸福か、幸福な時間とは何か、幸福のあり方・考え方などよく考えて
自分の思う幸せな時間について書いてください。
こちらは次回6月5日の授業が締切です。

2つめは「幸福な食卓」について、こちらは形式も文字数も自由で
創作でもエッセイでも、コラムでも構いません。
締切は最後の授業6月19日ですが、講評を返却できるのは
授業が全部終わってから郵送になります。
もし次回までに仕上げられたら、提出してくだされば
最終日に返却できますので、よろしくお願いいたします。

なお今までの課題を提出できていない方も、
絵話塾まで送っていただいたら、先生に講評していただきますので
よろしければステイホーム中に書いてみてください。
お待ちしています。

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2020年5月1日(金)文章たっぷりコース13回目の授業内容・高科正信先生

2020-05-04 16:13:55 | 文章たっぷりコース
今回も少人数で行いました。

在宅時間が長い中、皆さん何か特別なことをしておられますか?
高科先生は、この機会に紙モノを片付けておられるそうです。
今後は読まないであろう書物や、出版前の校正紙やゲラなど、
たくさんゴミを出したそうです。紙は重いので、収集の方はご苦労様です。



今日はまず、以前から学んでいる辰濃和男さんの『文章のみがき方』から
「小さな発見を重ねる」というテーマです。

高科先生が絶賛する向田邦子さんが、女性が働く時の心構えについて
「どんな小さなことでもいい。毎日何かしらを発見し、『へえ、なるほどなあ』と感心をして
面白がって働くと、努力も楽しみの方に組み込むことが出来るように思う」
と言っているのですが、これは文章を書く時にも大切な心構えになるそうです。
彼女は、「神は細部に宿りたもう」という言葉をよく引用していたように
日常の些細なことを見逃さずにすくい取り、魅力的な文章にする名手で
短い場面を切り取られたものが、脚本の中に丁寧に書き込まれているそうです。

その例として、飛行機事故で亡くなる前の最後のエッセイ集『女どき 男どき』から
山小屋に居る雑種犬がスキー客に豚汁の肉片をねだる「草津の犬」と
小学校の遠足の時、足の悪い同級生の母親からたくさん押しつけられた「ゆでたまご」
を読んでくださいました。



イチロー選手がボールを捉える「動体視力」に優れていたように、
彼女には情景を文章に換えていく「洞察視力」が優れていたのでしょう。
文章を書くうえで「洞察視力」は重要ですし、この力は鍛えれば鍛えるほど
強まっていくものなのです。

先生によれば、作家は作品の中でどうでもいいようなことに力を入れがちなのだとか。
テーマだけを書いていると息が詰まってくるので、そこを緩和させるためにも
脇役に焦点を当てて書くことがあるそうです。
そのおかげで、物語自体が膨らむことがあるのです。

向田さんはスチール製の「『う』の引き出し」を持っていたそうです。
『う』とは、うまいものの『う』。
食通の彼女はおいしい物を食べた時に、パンフレットやメモ書きをそこに入れる
言わば宝箱のようなものでした。

からっぽの引き出しを用意して、そこにいろんな物を入れていき
必要な時に取り出して見るということは、文章を書く時も役立つでしょう。

今はコロナ禍の活動自粛で、いつもより時間がゆっくり流れているので
私たちも立ち止まって考える時期かもしれません。
時間の流れがゆっくりになると、いろんなことが違って見えます。
今回を良い機会と捉えて、引き出しの中にさまざまなものを溜めていきましょう。

続いては朝日新聞のコラムから、生物学者の福岡伸一先生と
文化人類学者の松村圭一郎先生の文章を見ていきました。
普段は難しい論文を書いているであろう学者の方々が、
一般にも分かりやすい平易な言葉を使った短い文章の中で
しっかり伝えたいことを記しているのは、興味深いものでした。

実は福岡先生は、子どもの頃に加古里子(かこさとし)さんの『かわ』を読んで
科学者を目指したのだそうです。

そこで、『かわ』を読み聞かせてくださいました。



1962年に出版されたこの作品は、山奧の水源から水が流れてせせらぎから小川となり、
いろんな場所を流れて行くうちにどんどん大きくなって
最後は大海原に注ぐところまでを描いた “知識絵本” です。
子どもの頃この本に出会った人は、ものごとを不思議に思ったり
なぜそうなるのかを考える人に育っていくでしょう。

今日の最後は、その福岡先生と彼が尊敬する かこさとし さんの共著
『ちっちゃな科学 好奇心がおおきくなる読書&教育論』を紹介してもらいました。



本の中で、かこ さんは子どもの興味を持つ対象の多様性について語っています。
一口に昆虫が好き、と言っても、カブトムシだけではなくトンボやバッタに興味を持つ子もいます。
だから、かこ さんの絵本は細部に渡ってさまざまな描き込みがされています。
この世界は多様であり、自分はどこか端っこに存在している。
でも、端っこでも世界の中にいることには変わりない、ということを表すために
かこ さんは繰り返し大勢を描いていたのだそうです。

今日は、ざっくり「情景描写」について学びました。
そこで、今回の課題は「情景を描写する」です。
誰か、または何かが、ブランコに乗って、漕いでいる情景を
ありありと目に浮かぶように書いてください。
長さや内容は自由。ストーリーはあってもなくてもOKです。
誰がどうやって漕いでいるのか、本人が見ている景色はどんなのか
周囲からどう見えているのか、時間帯はいつで、場所はどんなところか
どんなブランコなのか、何のために乗ったのか、等々。
情景を描写するのは、第三者に伝えるために特に大切ですので
頑張って書いてください。

提出は、次回15日の授業時にお願いします。
出席出来ない方は郵送でも受け付けますので、よろしくお願いします。








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