絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2024年12月15日(日)絵本ゆっくりコース・18日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業内容

2024-12-19 16:41:35 | 絵本ゆっくり塾

はやしますみ先生の2回目の授業です。

12月15日(日)絵本ゆっくりコースと、18日(水)絵本わくわくコースの授業内容は同じですので、まとめてアップさせていただきます。

 

はやしますみ先生から、先月アリス館から発売された『クマダさんのどんぐりコーヒー』を紹介していただきました。

表紙を開いて見えるカバーの折り込み部分には、

この おはなしは とじていた とびらを あけて いっぽ ふみだす ものがたりです。とあります。

この文章は、絵本のテーマ・キャッチコピーになっています。

絵本を作るときに、このようなキャッチコピーがあると考えやすくていいですよ。

 

本日の授業は、ページネーションのワークショップをします。

その前に「絵本の面白さって、どこ?」という問いに答えていきました。

・めくる楽しさ ・声に出して読む楽しさ ・何度でも自分のペースで読める

・リアルとファンタジーが対立しない世界 ・言葉のリズム

・絵本の世界に入り込める ・小さい子どもから大人まで楽しめる

・親しい人の声で楽しめる ・自分なりの解釈ができる

 

絵本は、小学1、2年生までの子どもが、読み聞かせで楽しめるものが多いです。

ページをめくりながら、声を出して読む。そして、その絵本の世界に入り込める楽しさがあります。

 

ページネーションとは、ページの割り振りのことを言います。

本日は、はやし先生が考えた再話『うらしまたろう』と『おいしいおかゆ』のテキストを、 15場面でページ割りをしてみましょう。

今回のワークショップの目的は、文章の割り振りと場面構成を考えることです。

文章の割り振りをするときは、小さくてよいので、声に出して読んでみましょう。

 

絵本は流れを意識して作られていて、構図で心情表現しています。

前向きだと進行方向に進み、後ろ向きだと逆方向に進ませると、心の動きが分かりやすいです。

『クマダさんのどんぐりコーヒー』の構図を見ながら、説明していただきました。

 

ページネーションのワークショップは、色紙などの紙を、切り貼りしてページを作っていきます。

 

完成したら発表しましょう。

ページごとの強弱・緩急で、物語を「直感的」に表現する構図を見せれているといいですね。

 

『うらしまたろう』 ページの流れを考えて、進行方向に進んでいます。

『うらしまたろう』 構図で寂しさが表現されています。

 

 

『おいしいおかゆ』 おばあさんが、いい人か悪い人かが分からないので、おばあさんの顔が表現されていません。謎めいていますね。

 

皆さんがページネーションのワークショップをしている間に、はやし先生は皆さんのダミー本を読んでアドバイスをメモしています。

授業後、各々にアドバイスを伝えていました。

はやし先生、遅くまでありがとうございました。

 

次回は、ダミー本の発表です、

皆さんの前で一人ずつ発表していただきます。

 

今日の授業で、絵本ゆっくりコースと絵本わくわくコースの今年の授業が終わりました。

また来年もよろしくお願いいたします。

 

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2024年12月1日(日)絵本ゆっくりコース・高畠那生先生の授業内容

2024-12-10 18:40:31 | 絵本ゆっくり塾

本日は高畠那生先生の初回の授業でした。

「はじめまして、高畠那生です」

高畠那生先生は、ピンポイントギャラリーの絵本コンペで入賞。

また講談社の絵本新人賞で佳作を受賞され、その後に絵本作家としてデビューされました。

高畠先生の絵本は、ストーリーも面白く子どもに大人気です。

まずは、高畠那生先生が出版した絵本を読んでみましょう。

高畠先生の絵本はユーモアなお話が多いのですが、どういう風にお話を作るか、高畠先生のアイデアをお聞きしました。

ノートかスケッチブックに、32ページのコマ割りを描いて、

描きたいイメージで先に絵を描いていきます。

その絵からアイテムを見つけ、話の展開を考えるそうです。

無理な条件をつくる方が面白くなるとおっしゃっていました。

高畠先生も以前、荒井良二さんのワークショップを受けて、アイデア出しのヒントを教わったそうです。

頭のリミッターを外し、絵本の概念を取り、頭を柔軟にして考えてみましょう。

 

後半は、高畠先生に絵を描いていただきます。

紙はケント紙を使用します。

今回は皆さんのリクエストで、ゾウとキツネの絵を描くことになりました。

コピー用紙に鉛筆で下書きをして構図が決まれば、ケント紙に描いていきます。

下書きも構図を考えてから描くというより、まずは手を動かして構図を探っていく感じでした。

使う色をパレットに出して、混色しながら色を作っていました。

まずは背景を塗ってから、ゾウとキツネを描きます。

細かい部分も丸筆の筆先を使って描いていました。

完成されるまで近くで見ることが出来て、皆さん大満足です。

 完成したイラストは、ジャンケンで勝った人にプレゼントします。

 

最後に皆さんにアドバイスがありました。

絵本の制作は、途中で諦めるよりやりきってみること(着色まで)。

やりきってみて分かることがあります。

 

次回の授業では、絵本のラフを発表していただきます。

頑張ってくださいね!

 

【課題】

絵本のラフを描いてきてください。

基本は15見開き(32ページ)、幼児向けなら11見開き(24ページ)です。

出来れば、描きたいページを1ページでいいので、着彩してください。

テーマは自由。

自由な発想で考えてくださいね。


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2024年11月24日(水)絵本ゆっくりコース・編集者の松田素子さんの授業内容

2024-11-26 18:31:24 | 絵本ゆっくり塾

本日はゲスト講師の編集者・松田素子さんの授業です。

松田さんが編集された絵本が、出版するまでのお話をお聞きしました。

 

長谷川義史さんの2000年に出版されたデビュー作『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』BL出版 の絵本を編集されています。

タウン誌に掲載されていた長谷川義史さんのイラストを見て、絵本を描いたら面白いかもと思って、依頼をされたそうです。

 

『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』は、主人公はおじいちゃんだけではなく時代も主人公。

この絵本で大事なのは、時代がさかのぼって読者がその時代に入っていけること。

絵本は絵が語るので、絵が大事です。

松田さんは時代背景を丁寧に描いてもらえるよう頼み、長谷川義史さんは何度もダミー本を描き直されたそうです。

 

絵本は出版してしまえば、作者から離れていきます。

「あ~、こうしとけば良かった」と思わないように、妥協をせずに納得のいくまで描き直します。

 

作者も編集者も「良い本をつくりたい」という目的は同じです。

「編集者は産婆さんのようなもの」と、松田さんはおっしゃっていました。

 

 

 

◎作者は読者のことを考える

 

『ぼくのかえりみち』 ひがしちから (BL出版)2008年 が出版される前のダミー本を見せていただきました。

ダミー本の段階では、読者は横から主人公を見ている構図になっていましたが、出版された絵本では読者が主人公になって、白線の上を歩いています。

緊張感を持たせ、余計な部分は描き込まない。

読者も一緒にドキドキハラハラし、どれだけ絵本の世界に入れるか、読者に共感させることが大事です。

 

この絵本のように、絵本には流れがあって、白い線が途切れないよう構図を考えられています。

 

 

 

◎ページをめくる大事さ

 

絵本はページをめくるので、次のページへの期待を持たせることも大事です。

『はみがきれっしゃ』くぼまちこ  (アリス館) 2015年 は、次のページをめくると、わ~と盛り上がります。

どう変更されてかダミー本も見せていただきました。

 

 

後半は、ダミー本の講評をしました。

 

松田さんはダミー本を見て、こうしたら良くなる。こうしなさい。とは言いません。

作者に気付いてもらいたい。本人がそうしたいと思ってもらえると信じて、ギリギリのアドバイスをしています。

・なぜこうなるのか?と、自問自答出来る人になってほしい

・どうしたらいいの……と、とことん困ってみる。困ったアンテナを高く出しているとちゃんとキャッチ出来る

・気付きは日常生活の中にありますよ

・出版するより、作家でありつづけることの方が難しい

・説明はいらない。絵で伝える

 

 

松田さんからお話がありました。

SNSは人間が使うものでしたが、今ではSNSに使われている感じがある。

SNSに頼るのではなく「どうして?なぜ?」と問いを見つけることをしてください。

絵本も同じです。深く丁寧に読んでほしいです。読む筋肉を付けてください。

 

そして最後に、月見草の蕾から花が咲くまでをじっと観察し、撮影されたフリップブックを見せていただきました。

「ゆっくり回り道をしないと見つからないことがあります。日常生活が教室なのです」と、松田さんはおっしゃっていました。

気づきの多い授業をありがとうございました。

 

 

 


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2024年11月3日(日)絵本ゆっくりコース・荒井良二さんの授業内容

2024-11-06 15:23:30 | 絵本ゆっくり塾

本日は、荒井良二さんの授業です。

スポット受講の方も多いので、教室は賑やかです。

「みんな、どんな絵本が作りたいの」という質問から始まりました。

・子どもが何度も読み返す絵本

・自分の作った絵本が、本屋に並ぶといいな

・自分のために自分に贈る絵本

 

荒井さんは、高校三年生の時に絵を描いていて、絵本は描かないの?と訊かれたのが始まりだったそうです。

アメリカの本やアンディウォーホルなどのPOPアートに興味を持ち、プリントしたものを多くの人に見てもらえる。自分はここに居て絵が旅立っていく。それに絵本だと文章も作れる。という思いから絵本を作るようになります。

そして、編集者の土井章史さんと初の絵本『ユックリとジョジョに』が1991年に出版されました。

最近では、聖心女子大学でキュレーターの宮本武典さんとの特別授業も興味深い話でした。

 

休憩を挟んで後半は、ミニ絵本のワークショップをします。

1〜24ページの白い冊子にページ数を書き込みます。

今日のテーマは、題名が『にゅーでたよでたよ』

タイトルは決まってますが、内容は自由です。

長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』を読み聞かせていただきました。

扉のページの真ん中に一本線が引いてあって、その線は地平線です。

文章は「でました」だけです。

1,2ページの何も無い地平線が、途中の見開きでも出てきます。そして最後の見開きも同じ地平線のみで終わります。

何ページ目に同じ絵の見開きがくるのか、確認してみます。

こうやって、気になる絵本を読んで、どんなリズムで進んでいるのかを知ることは大事ですね。

短い時間で完成されたかたもいらしゃいました。

本日のワークショップのように、頭の中で考えたものを素早く出す。という作業をしていってほしいです。

 

最後に荒井さんからお知らせです!

荒井良二 Journey

『ねことほんとのはなし』

2024.12.07(土)〜2024.12.29(日)

『ねこのゆめ』の原画展が、京都のNEUTRLで開催されます。

 

 


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2024年10月27日(日)絵本ゆっくりコース・太田朋先生の授業内容

2024-10-30 18:08:09 | 絵本ゆっくり塾

本日は太田朋先生の初回の授業です。

「はじめまして、太田朋です」

太田朋先生の作品は、シンプルな線で描かれたイラストに温かなことばが添えられています。

先日まで、ギャラリーvieで作品展されていましたので、皆さんは先に作品とお会いしていましたね。

作品の雰囲気と同じで、穏やかで親しみやすい太田朋先生です。

 

本日の授業は「しりとり絵本」のアイデア出しをしました。

今までの生徒さんの作品を参考に見せていただきました。

広げたら動物園の案内地図になっているアイデア作品もありました。

 

土台の紙は、コピー用紙を八つ折りにして、真ん中の部分に切り込みを入れます。

パタパタと折れば、8ページのミニ絵本が完成します。

 

土台が完成したら「しりとり絵本」のアイデア出しを始めましょう。

好きなこと・日頃、気になっていることからイメージを膨らませていくといいですよ。

どんなことば、どんなイラストで繋げていくかを考えて、そのテーマに合う画材を決めます。

見開きに2つ以上の言葉を入れ、言葉や絵の入る位置、構図も考えてください。

しりとりの最初と最後の文字を大きめに書いたり、色を付けると分かりやすいですね。

ノートやスケッチブックにアイデアを出して、太田先生と相談しながら進めていきました。

 

最近では、タブレットで絵を描く方も多いです。

使ったことのない方もいますので、興味津々に操作を見ています。

こんな風に、お互いの得意な所をシェア出来るのも、絵話塾の良いところですね。

 

次回の授業で完成したしりとり絵本を発表しますが、

アイデアがまとまった方の作品を見せていただきました。

 

次回は「しりとり絵本」を発表した後、プラ版画のワークショップをします。

プラ版画にしたいイラストを、ハガキサイズで描いてきてください。

細かすぎないシンプルなイラストがいいですよ。

楽しみですね。

 


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