絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2025年1月19日(日)絵本ゆっくりコース、22日(水)絵本わくわくコース・太田朋先生の授業内容

2025-01-23 18:38:29 | 絵本ゆっくり塾

絵本ゆっくりコースと絵本わくわくコースの授業内容が同じでしたので、まとめてアップさせていただきます。

太田朋先生の2回目授業は、課題「しりとり絵本」の発表と、プラ版画の制作をしました。

前半は課題の「しりとり絵本」の発表をしました。

いろんなアイデアの作品がありました。

広げて一枚のイラストになっていたり、短い絵本のようなストーリー性のあるものもありました。

日記のような作品は、日めくりカレンダーにしてみたら!という意見もあり、皆さんで意見を出し合って、より良い作品になるか話し合いながら進んでいって、たくさんの気づきや刺激になりました。

 

後半はプラ版画のワークショップをしました。

用意していたハガキサイズの下絵の上にプラ版を置いて、コンパスなど先の尖ったもので線を削っていきます。

印刷をすると反転してしまうので、文字を入れる場合は気を付けてくださいね。

 

版が完成しましたら削った面に、縦 横 斜めとインクを載せてローラーで丁寧伸ばしていきます。

 

削った溝にインクが入っているのを確認して、寒冷紗で拭き取っていきます。

拭き取る具合でインクの濃淡が出ますので、調節してくださいね。

ではプレスしていきましょう。

 

プラ版にハガキを載せて、プレス機のハンドルを回します。

今回は、赤・青・黒の3色です。どんな仕上がりか楽しみです。

 

右は、溝の部分までインクを入れなくて、拭き取りをしていないので、平らな部分が黒で線が白。

真ん中は、しっかりインクを溝にも入れてから、寒冷紗で拭き取り(少しインクが残る程度)プレスしました。

左は、インクが残らないようにきれいに拭き取りしています。

インクの拭き取り具合で、それぞれの印象が違っていいですね。

 

 

 

プラ版画のワークショップが終わったら、次回の課題の説明を聞きました。

「エピソード絵本」です。

自分のエピソードを絵本にしてきてください。

子どもの頃のエピソードや今思っていること、これからのこと、仕事や家族に対して思うことなど、一冊の絵本に仕上げてきてください。

ページ数、大きさ、画材は自由です。

 

どんなエピソードを絵本にしてくるのか楽しみにしています。


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2024年12月15日(日)絵本ゆっくりコース・18日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業内容

2024-12-19 16:41:35 | 絵本ゆっくり塾

はやしますみ先生の2回目の授業です。

12月15日(日)絵本ゆっくりコースと、18日(水)絵本わくわくコースの授業内容は同じですので、まとめてアップさせていただきます。

 

はやしますみ先生から、先月アリス館から発売された『クマダさんのどんぐりコーヒー』を紹介していただきました。

表紙を開いて見えるカバーの折り込み部分には、

この おはなしは とじていた とびらを あけて いっぽ ふみだす ものがたりです。とあります。

この文章は、絵本のテーマ・キャッチコピーになっています。

絵本を作るときに、このようなキャッチコピーがあると考えやすくていいですよ。

 

本日の授業は、ページネーションのワークショップをします。

その前に「絵本の面白さって、どこ?」という問いに答えていきました。

・めくる楽しさ ・声に出して読む楽しさ ・何度でも自分のペースで読める

・リアルとファンタジーが対立しない世界 ・言葉のリズム

・絵本の世界に入り込める ・小さい子どもから大人まで楽しめる

・親しい人の声で楽しめる ・自分なりの解釈ができる

 

絵本は、小学1、2年生までの子どもが、読み聞かせで楽しめるものが多いです。

ページをめくりながら、声を出して読む。そして、その絵本の世界に入り込める楽しさがあります。

 

ページネーションとは、ページの割り振りのことを言います。

本日は、はやし先生が考えた再話『うらしまたろう』と『おいしいおかゆ』のテキストを、 15場面でページ割りをしてみましょう。

今回のワークショップの目的は、文章の割り振りと場面構成を考えることです。

文章の割り振りをするときは、小さくてよいので、声に出して読んでみましょう。

 

絵本は流れを意識して作られていて、構図で心情表現しています。

前向きだと進行方向に進み、後ろ向きだと逆方向に進ませると、心の動きが分かりやすいです。

『クマダさんのどんぐりコーヒー』の構図を見ながら、説明していただきました。

 

ページネーションのワークショップは、色紙などの紙を、切り貼りしてページを作っていきます。

 

完成したら発表しましょう。

ページごとの強弱・緩急で、物語を「直感的」に表現する構図を見せれているといいですね。

 

『うらしまたろう』 ページの流れを考えて、進行方向に進んでいます。

『うらしまたろう』 構図で寂しさが表現されています。

 

 

『おいしいおかゆ』 おばあさんが、いい人か悪い人かが分からないので、おばあさんの顔が表現されていません。謎めいていますね。

 

皆さんがページネーションのワークショップをしている間に、はやし先生は皆さんのダミー本を読んでアドバイスをメモしています。

授業後、各々にアドバイスを伝えていました。

はやし先生、遅くまでありがとうございました。

 

次回は、ダミー本の発表です、

皆さんの前で一人ずつ発表していただきます。

 

今日の授業で、絵本ゆっくりコースと絵本わくわくコースの今年の授業が終わりました。

また来年もよろしくお願いいたします。

 

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絵話塾22期生 (2025年9月末スタート)の説明会(ガイダンス)が始まります。

2025年1月31日(金)までにお申し込みの方に、早期特典をご用意しています!

 

・2025年1月5日(日)14:00〜

・2025年1月11日(土)14:00〜

・2025年1月18日(土)11:00〜

・2025年1月19日(日)11:00〜

・2025年1月25日(土)11:00〜

ご興味のある方・受講を考えている方でしたら誰でも参加できます。

受講に関して不安なことや迷っていることなど、どんな些細なこともお気軽にご相談ください。

  ……………………………………………………………………………………………………
〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 担当・村上政行
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2024年12月1日(日)絵本ゆっくりコース・高畠那生先生の授業内容

2024-12-10 18:40:31 | 絵本ゆっくり塾

本日は高畠那生先生の初回の授業でした。

「はじめまして、高畠那生です」

高畠那生先生は、ピンポイントギャラリーの絵本コンペで入賞。

また講談社の絵本新人賞で佳作を受賞され、その後に絵本作家としてデビューされました。

高畠先生の絵本は、ストーリーも面白く子どもに大人気です。

まずは、高畠那生先生が出版した絵本を読んでみましょう。

高畠先生の絵本はユーモアなお話が多いのですが、どういう風にお話を作るか、高畠先生のアイデアをお聞きしました。

ノートかスケッチブックに、32ページのコマ割りを描いて、

描きたいイメージで先に絵を描いていきます。

その絵からアイテムを見つけ、話の展開を考えるそうです。

無理な条件をつくる方が面白くなるとおっしゃっていました。

高畠先生も以前、荒井良二さんのワークショップを受けて、アイデア出しのヒントを教わったそうです。

頭のリミッターを外し、絵本の概念を取り、頭を柔軟にして考えてみましょう。

 

後半は、高畠先生に絵を描いていただきます。

紙はケント紙を使用します。

今回は皆さんのリクエストで、ゾウとキツネの絵を描くことになりました。

コピー用紙に鉛筆で下書きをして構図が決まれば、ケント紙に描いていきます。

下書きも構図を考えてから描くというより、まずは手を動かして構図を探っていく感じでした。

使う色をパレットに出して、混色しながら色を作っていました。

まずは背景を塗ってから、ゾウとキツネを描きます。

細かい部分も丸筆の筆先を使って描いていました。

完成されるまで近くで見ることが出来て、皆さん大満足です。

 完成したイラストは、ジャンケンで勝った人にプレゼントします。

 

最後に皆さんにアドバイスがありました。

絵本の制作は、途中で諦めるよりやりきってみること(着色まで)。

やりきってみて分かることがあります。

 

次回の授業では、絵本のラフを発表していただきます。

頑張ってくださいね!

 

【課題】

絵本のラフを描いてきてください。

基本は15見開き(32ページ)、幼児向けなら11見開き(24ページ)です。

出来れば、描きたいページを1ページでいいので、着彩してください。

テーマは自由。

自由な発想で考えてくださいね。


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2024年11月24日(水)絵本ゆっくりコース・編集者の松田素子さんの授業内容

2024-11-26 18:31:24 | 絵本ゆっくり塾

本日はゲスト講師の編集者・松田素子さんの授業です。

松田さんが編集された絵本が、出版するまでのお話をお聞きしました。

 

長谷川義史さんの2000年に出版されたデビュー作『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』BL出版 の絵本を編集されています。

タウン誌に掲載されていた長谷川義史さんのイラストを見て、絵本を描いたら面白いかもと思って、依頼をされたそうです。

 

『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』は、主人公はおじいちゃんだけではなく時代も主人公。

この絵本で大事なのは、時代がさかのぼって読者がその時代に入っていけること。

絵本は絵が語るので、絵が大事です。

松田さんは時代背景を丁寧に描いてもらえるよう頼み、長谷川義史さんは何度もダミー本を描き直されたそうです。

 

絵本は出版してしまえば、作者から離れていきます。

「あ~、こうしとけば良かった」と思わないように、妥協をせずに納得のいくまで描き直します。

 

作者も編集者も「良い本をつくりたい」という目的は同じです。

「編集者は産婆さんのようなもの」と、松田さんはおっしゃっていました。

 

 

 

◎作者は読者のことを考える

 

『ぼくのかえりみち』 ひがしちから (BL出版)2008年 が出版される前のダミー本を見せていただきました。

ダミー本の段階では、読者は横から主人公を見ている構図になっていましたが、出版された絵本では読者が主人公になって、白線の上を歩いています。

緊張感を持たせ、余計な部分は描き込まない。

読者も一緒にドキドキハラハラし、どれだけ絵本の世界に入れるか、読者に共感させることが大事です。

 

この絵本のように、絵本には流れがあって、白い線が途切れないよう構図を考えられています。

 

 

 

◎ページをめくる大事さ

 

絵本はページをめくるので、次のページへの期待を持たせることも大事です。

『はみがきれっしゃ』くぼまちこ  (アリス館) 2015年 は、次のページをめくると、わ~と盛り上がります。

どう変更されてかダミー本も見せていただきました。

 

 

後半は、ダミー本の講評をしました。

 

松田さんはダミー本を見て、こうしたら良くなる。こうしなさい。とは言いません。

作者に気付いてもらいたい。本人がそうしたいと思ってもらえると信じて、ギリギリのアドバイスをしています。

・なぜこうなるのか?と、自問自答出来る人になってほしい

・どうしたらいいの……と、とことん困ってみる。困ったアンテナを高く出しているとちゃんとキャッチ出来る

・気付きは日常生活の中にありますよ

・出版するより、作家でありつづけることの方が難しい

・説明はいらない。絵で伝える

 

 

松田さんからお話がありました。

SNSは人間が使うものでしたが、今ではSNSに使われている感じがある。

SNSに頼るのではなく「どうして?なぜ?」と問いを見つけることをしてください。

絵本も同じです。深く丁寧に読んでほしいです。読む筋肉を付けてください。

 

そして最後に、月見草の蕾から花が咲くまでをじっと観察し、撮影されたフリップブックを見せていただきました。

「ゆっくり回り道をしないと見つからないことがあります。日常生活が教室なのです」と、松田さんはおっしゃっていました。

気づきの多い授業をありがとうございました。

 

 

 


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2024年11月3日(日)絵本ゆっくりコース・荒井良二さんの授業内容

2024-11-06 15:23:30 | 絵本ゆっくり塾

本日は、荒井良二さんの授業です。

スポット受講の方も多いので、教室は賑やかです。

「みんな、どんな絵本が作りたいの」という質問から始まりました。

・子どもが何度も読み返す絵本

・自分の作った絵本が、本屋に並ぶといいな

・自分のために自分に贈る絵本

 

荒井さんは、高校三年生の時に絵を描いていて、絵本は描かないの?と訊かれたのが始まりだったそうです。

アメリカの本やアンディウォーホルなどのPOPアートに興味を持ち、プリントしたものを多くの人に見てもらえる。自分はここに居て絵が旅立っていく。それに絵本だと文章も作れる。という思いから絵本を作るようになります。

そして、編集者の土井章史さんと初の絵本『ユックリとジョジョに』が1991年に出版されました。

最近では、聖心女子大学でキュレーターの宮本武典さんとの特別授業も興味深い話でした。

 

休憩を挟んで後半は、ミニ絵本のワークショップをします。

1〜24ページの白い冊子にページ数を書き込みます。

今日のテーマは、題名が『にゅーでたよでたよ』

タイトルは決まってますが、内容は自由です。

長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』を読み聞かせていただきました。

扉のページの真ん中に一本線が引いてあって、その線は地平線です。

文章は「でました」だけです。

1,2ページの何も無い地平線が、途中の見開きでも出てきます。そして最後の見開きも同じ地平線のみで終わります。

何ページ目に同じ絵の見開きがくるのか、確認してみます。

こうやって、気になる絵本を読んで、どんなリズムで進んでいるのかを知ることは大事ですね。

短い時間で完成されたかたもいらしゃいました。

本日のワークショップのように、頭の中で考えたものを素早く出す。という作業をしていってほしいです。

 

最後に荒井さんからお知らせです!

荒井良二 Journey

『ねことほんとのはなし』

2024.12.07(土)〜2024.12.29(日)

『ねこのゆめ』の原画展が、京都のNEUTRLで開催されます。

 

 


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