絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2024年11月17日(日)絵本レベルアップクラス・高畠純先生の授業内容

2024-12-28 16:36:48 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」1回目の授業です。講師は高畠純さん。

先ずは頭の体操をしましょう。

3〜4人のグループに分かれて、高畠さんが言う「言葉」から連想するものをどんどん書いていきます。

頭の体操。連想するものを書いていく

 

①秋と言えば

栗、柿、サンマ……など思いつくままに書いていきます。

 

②冬と言えば

●●●……

 

③ホームセンターで売っているもの

●●●……

 

次は「しりとり」です。

④イヌからしりとりを始めて、  書いていきます。

イヌ→ぬりかべ→ベルト→●●●●……

 

⑤次に動物といえば

ウシ、イヌ、サイ、●●●●……

 

⑥人間の動作といえば

ねる、あくび、走る、●●●●……

 

⑦人間の感情といえば

笑う、怒る、泣く、●●●●……

 

⑧食べ物のメニュー

オムライス、ラーメン、餃子、●●●●……

 

⑧乗り物の種類

バス、車、飛行機、空飛ぶじゅうたん、●●●●…… 

さあ、頭が柔らかくなりましたか!

 

次はワークショップです。
純さんが持ってきました袋の中には「動物」の名前が入っています。袋から1枚引いてそこにある名前で「しりとり絵本」を作ります。

何もないところから絵本を作るにはハードルが高いので、このようにヒントとなるテーマがあれば、すこしは制作しやすいかと思います。

例えば 「くま」でしたら、「ま」から始まる言葉ではなく、くまの前に言葉をつける。やさしいくま→まの悪いネコ→●●●●→●●●●→●●●●→最後の言葉は「ん」で終わるか「や」で終わる。

 

個別に絵本のダミーを講評

 

今日の授業は以上です。
ではまた12月にお会いしましょう!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年12月22日(日)絵本レベルアップクラス・松田素子さんの授業内容

2024-12-27 16:00:14 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」2回目の授業です。

講師は松田素子さん。

今ギャラリーVieで中野真典さんの作品展を開催しています(12月25日まで)。松田さんと中野さんの出会いは、東京で中野さんの個展を見に行った時、りんごの作品を見て、これは絵本になるかも、と思い『リンゴちゃん』の絵本ができました。このように1枚の絵でも物語性のある魅力的な絵は、絵本になる可能性があります。

また、絵本を書店で購入する時は、どれがいいか迷って買いますね。だけど買って家で読み返すと、何でこの本を買ったんだろうと後悔することがあると思います。この後悔が大事で、失敗することで自分の眼が肥えてきます。失敗や後悔から学ぶことは沢山あります。

絵本を制作するときは、物語も絵も順序立てて考える人もいますが、日々の生活の中でアイデアが浮かぶことがあります。ただこのアイデアは作品ではなくあくまで素材。食材と同じでお皿に食材を載せても料理にはなりません。いくら良いアイデアが浮かんでも、それをどのように料理をするかで絵本が完成します。

 

きたやまようこさんのお話

きたやまさんは、小さいときから動物が大好きでした。「大きな犬と暮らすことにあこがれていた」そうで、大人になって初て飼かった犬は、体重30キロほどに成長するシベリアンハスキーで名前は「チェス」。1985年ごろ、子犬のときに、きたやまさんの家に来きました。きたやまさんは1年間仕事を休み、「育犬休暇」をとって育てました。

1988年にきたやまさんが描いた「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズの1作目「ゆうたはともだち」は「おれ いぬ。おまえ にんげん。」で始まります。「これはチェスが『言った』言葉。チェスがいなかったら、生まれなかった本だと思います」と、きたやまさんは話しています。

 

片山健さんのお話

かたやまさんは、気になる言葉があれば、「箱」に入れています。

役に立つとか制作のヒントになるかは関係なく、とりあえず「箱」にいれています。 時間を経て、箱の中に入れている言葉を取り出して、その言葉から絵本『木はなんにもいわない』が誕生しました、

このように自分だけの「特別な箱」に気になる言葉をメモして入れておくと、それがのちのちアイデアの原点になって絵本が生まれることがあるので、皆さんも試してみてはどうですか。   

絵本は図書館で借りて読む人も多いかもしれませんが、絵本を学んでいる人は、できたら書店に足を運んで買ってほしいですね。 なかには「絵本って高いでしょ!」という方もいます。小説等は3、4回読む人は、そう多くないと思いますが、自分が好きな絵本は、何回も繰り返して読みますね。例えば1冊1,600円の絵本を5回読めば1冊アタリ320円。考え方で決して高くはありません。

絵本は読み込むことで、新たな発見が必ずあります。読み方にもコツがあり、最初は文章と絵を見ながら2、3回読んで、次に文章はとばして絵だけを見ていきます。

絵本は絵で語ることが多いので、新たな発見があります。 一度試してください。

ではまた来年、風邪には気をつけてくださいね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年10月20日(日)絵本レベルアップコース・松田素子さんの授業内容

2024-11-21 18:24:01 | 絵本レベルアップ

今日で今期の「絵本レベルアップコース」も最終授業です。先ずは絵本『ぐりとぐら』のお話。

ぐらのエプロンは赤ですが、これは思いつきでこの色にしたのではなく、なかがわさんはこの絵本を作るにあたって「ネズミ」の剥製を数限りなく見てその中に、グレーではなくオレンジ系のネズミを見つけて、この色にしたそうです。

このように、作り手は絵本であってもその中でリアリティーを考えています。

因みに原画では玉子はピンク色ですが、絵本では白にしています。

 

さて今日は課題の好きな詩を選んで絵をつける、でしたね。ここで注意することは、詩をテキストにする場合、文章は勝手に変更してはいけません。

平仮名を漢字や片仮名、漢字を平仮名や片仮名に変更をしないでください。

  

今日は全員の方が課題を持ってきました。すごい!

まどみちおさんの詩で絵を付けている方が、多くいました。

ではまたお会いできる日を楽しみにしています。アディオス!


絵話塾・村上政行


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年10月6日(日)絵本レベルアップコース・松田素子さんの授業内容

2024-11-21 18:11:53 | 絵本レベルアップ

今期の「絵本レベルアップコース」も今日を入れてあと2回です。

松田さんのお話はあとでしますので、今日はダミーの発表からすすめていきます。

全体的にいえることは、作った絵本を読者が何回も読んで楽しいかどうか。1回読んだだけで終わる絵本より、2、3回と読んでも面白いか、新たな発見があるか、を考えましょう!


絵本『ふきふきぱっ!』のお話

この絵本の誕生秘話をすこしお話します。

内容は、動物たちが乗ったバスが出発しようとすると、ばっしゃーん!と泥がかかっ てしまいました。あらあら、窓がどろだらけ。さあ、ぞうきんで、きれいにふ きふきしてあげましょう。窓をふくと、次々と動物たちがにっこり!

バスの窓に泥が掛かって雑巾で拭くのですが、最初はバスに乗っている動物のシルエットを描いていたのです。しかしこれでは読者はどんな動物か分かってしまうので、動物のシルエットはなくして窓には泥だけを描いています。また雑巾を拭いている時に人の手を描いたのですが、あくまで拭くのは読者なので、手は省略しました。このように出版社や編集者、作家がああでもない、こうでもないと考えて1冊の絵本が完成します。
さあ、次の授業で絵本レベルアップの授業は最後です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年9月22日(日)絵本レベルアップコース・松田素子さんの授業内容

2024-11-21 17:49:11 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」松田素子さんの授業です。

先ずは日本の絵本の黎明期に多大な影響を及ぼした、福音館のお話。

1916年、カナダ人の宣教師によりキリスト教関係の図書を扱う書店として石川県金沢市で創設された「福音館」は、昭和初期に一般書籍も扱う書店に移行していきましたが、第2次世界大戦が始まり、カナダ人宣教師が日本から引き揚げるのを機に、1940年、日本人経営者に譲渡されました。

戦後、受験用問題集やキリスト教会向け冊子などの制作、販売を手がけるようになり、書店事業とともに出版活動への取り組みをはじめました。

 

松居直さんのお話 月刊

「こどものとも」初代編集長、松居さんは大学卒業後福音館に入社して、編集者としては経験もなくゼロからスタートしました。

1956年毎月一冊の絵本を届ける、当時としては画期的な形態の月刊絵本「こどものとも」を創刊しました。

当初は販売が伸びなくて廃刊が検討された頃、第4回産経児童出版文化賞に「こどものとも」が選ばれ、続刊することになりました。

松居さんは固定観念に捉われず、多様なジャンルで活躍する方に絵本制作を依頼していきます。

雑誌「anan」「BRUTUS」などのロゴを手がけたグラフィックデザイナーの堀内誠一さん、漫画家として活動していた長新太さんなど…。

また絵本制作において、それまで絵本の文字はタテ打ちが主流でしたが、あえて横打ちの文字で判型もさまざまな形を世に送り出しました。

日本で最初の横長の形で横書き文字の絵本『とらっく とらっく とらっく』を編集しました。

また、翻訳絵本も日本に初めて紹介。ディック・ブルーナの『うさこちゃん』、ハンス・フィッシャー『ブレーメンのおんがくたい』、『てぶくろ』『三びきのやぎのがらがらどん』など多数あります。

松居さんが日本の絵本業界に多大な影響を及ぼしたことは言うまでもありません。

 

授業中に紹介しました絵本


『ふきふきぱっ!』 作: 矢野アケミ 出版社: アリス館

 

『きょういちにちのラッタッタ!』 人形:柚木沙弥郎 絵とことば:荒井良二 出版社: アリス館


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする