絵話塾だより

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2023年12月23日(土)文章たっぷりコース第5期・第3回の授業内容/高科正信先生

2023-12-28 17:20:37 | 文章たっぷりコース

約一か月ぶりの文章たっぷりコースの授業でした。
お一人だけ風邪で欠席の方がいらっしゃいましたが、他の方々は元気で今年最後の授業に臨んでおられました。
※ スタッフがうっかりして、この日の記録写真を撮り忘れたため、今回は授業風景の写真がなくて申し訳ありません。

年末ということで、今年の締めくくり的なお話から。

今年もたくさんの方が亡くなりました。
11月末に亡くなった脚本家の山田太一は、ドラマ「岸辺のアルバム」や「ふぞろいの林檎たち」などの話題作で有名です。
高科先生はこの人の作品がお好きで、脚本集も持っておられるとか。
たとえ亡くなっても、その人が残した作品を見るといつでも彼らの世界に触れることができます。
高科先生も、いま山田太一の作品を読み直しておられるところだそうです。

ということで、テキスト『60歳からの文章入門』(近藤勝重 著/幻冬舎新書) のP36〜P53を見ていきました。

著者は、新聞でコラムを書くようになってから「気づきメモ」を取るようになり、後日そのメモから文章の題材を見つけるようになったとか。
文章に行き詰まったら、歩き回るとアイデアが浮かぶ、とも。
中国で昔、欧陽脩という人が、「気づき/ひらめきが得られる場所は、鞍上・枕上・厠上である」と言い、それが「三上の説」として伝わっているそうです。
「今なら移動中の電車の中、床の中、トイレの中であろう」とは、外山滋比古が著書『思考の整理学』 (ちくま文庫) の中で言っていることです。 
外山氏はさらに、「夢中・入浴中・散歩中」にもアイデアが浮かぶことがある、と言います。これは皆さん思い当たることでしょう。
そして、時には「休む」ことも重要だとのこと。
人それぞれやり方があると思いますが、自分のやりやすい方法を探してみるのも良いのではないでしょうか。

 

休憩をはさんで後半は、広瀬友紀著『ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密』 (岩波科学ライブラリー)  から、
子どもたちがなぜ言い間違い、書き間違いをするのかという興味深い箇所を見ていきました。

「か」と「が」「た」と「だ」は発音する時の口の形が同じなのに、「は」と「ば」は違うから間違うのだ。とか、
「女心」は「おんなごころ」なのに、「女言葉」が「おんなことば」は、通常なら2つめの言葉の最初の文字が濁音になるところも、2つめの言葉に既に濁音が含まれているときはこの限りではない(ライマンの法則)とか、目からウロコな内容でした。

昔、日本には書き文字がありませんでしたが、奈良時代に中国から漢字が伝わり、平安時代にはかな文字ができて、書き言葉が盛んになったのは江戸時代になってからです。そして明治時代に学校ができ、現代仮名遣いが統一されました。
今はひらがな44音・濁音18音ですが、奈良時代にはかな61音・濁音27音もあったそうです。
もう使われなくなってしまった音も多いですが、神楽や能などの中には、昔の発音で歌われていることもあるようです。

最後は、課題についてです。

課題を提出するときに、書き直しを何回するかということで、皆に訊いていきました。
高科先生は、①下書き→②書き直す→③少し時間を置いて過不足を調整し、推敲する→④清書する→⑤読み直して、順番や言い換えを考慮して再度書き直す→⑥清書する
というように進めているそうです。
人それぞれにやり方がありますが、今はワープロソフトで書いている人も多いため書き直しも簡単にできるので、先生のような進め方も参考にすると良いでしょう。

そして、今回の課題のテーマは「わらう」です。
「あるく」「たべる」と動詞が続いていますが、テーマは言葉そのものではなく、「わらいにまつわるさまざまなこと」と捉えていただければ結構です。
いろんな「わらう」について好きなように、文字数やジャンルも自由に書いてください。

提出は、年明けの1月13日(土)にある次(4回目)の授業の時にしてください。よろしくお願いします。
お正月休みの間にアイデアを練ってくださいね。

それでは、良いお年を!

 

 

 


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2023年12月10日(日) 絵本レベルアップコース・松田素子さんの授業内容

2023-12-26 16:30:15 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」2回目の授業です。 講師は松田素子さん。

先ずは新刊の紹介。松田素子さんが編集しました絵本『水はうたいます』。まど・みちお さんの詩にnakabanさんが絵を描いています。

売れている絵本だから、良い絵本!?ご自身の眼で確かめてこれが果たして10年20年先も残るのかなと考えてください。

今日紹介します3冊の絵本は、この先も末永く読み継がれるものと確信しています。  

 

絵本とは  

人の心の中心まで大切なものを届ける  「のりもの」

 

また、絵本を書店で購入する時は、どれがいいか迷って買いますね。だけど買って家で読み返すと、何でこの本を買ったんだろうと後悔することがあると思います。この後悔が大事で、失敗することで自分の眼が肥えてきます。失敗や後悔から学ぶことは沢山あります。  

 

あたりまえの事を続ければ  特別なものになる。  

 

自分の好きな文章や詩に絵をつける練習は、非常に勉強になります。

 

次は松田さんがイギリスに行ったお話です。

イギリスで思ったこと

イギリスに時々仕事で行くことがあるのですが、毎回思うことは日本ほど絵本に恵まれている国は他にないと思います。というのは世界各国の絵本が流通している所は、日本以外ではどこを探しても見あたらないと思います。

アメリカやイギリスなどの英語圏に住んでいる人は、英語が世界共通言語という意識があるので、他の国の絵本を翻訳してわざわざ出版することはあまりありません。そう言う点で日本は絵本に関してはすごく恵まれています。

 

美術館でワークショップを見学  

イギリスの美術館で面白いワークショップをしていました。

名画の前に座り模写するのです。日本では模写をしようものなら係員がとんできて、「紙と鉛筆をしまってください!」ときつく言われますが、海外では模写や写真を撮っている方を多く見かけます。絵画の考え方が外国では、名画と呼ばれるものでもたまたま美術館が所有していますが、絵は国民みんなの共有財産的な考えかたです。

模写の風景

 

さてこの模写のワークショップですが、たんに絵の全体を見て描くのではなく、1枚の絵画作品をじっと見て一部分だけを模写するのです。何もその通りに描かなくてもOKです。参加した方が描いた模写は、みんなそれぞれ違う絵なのです。  

答えは一つではないのです!

また、自然史博物館では、キノコの展示をしていましたが、地上に見えている所だけではなく、キノコの「根」も含めて全体を展示していました。見えない所も実際には存在していることを改めて実感しました。

 

次の絵本レベルアップの授業は、2024年1月14日です。
では皆さま、良い年になりますように願っています。

 

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1月  13日(土)11:00〜

  14日(日)18:00〜

  20日(土)11:00〜

  21日(日)11:00〜

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2023年11月12日(日)絵本レベルアップコース・高畠純先生の授業内容

2023-12-26 16:05:09 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」1回目の授業です。 講師は高畠純さん。

先ずは高畠さんが持ってこられた『おもしろがるた』で準備体操をしましょう!

カルタで遊んだことはあるかと思いますが、久々にすれば皆さん歓声を上げて遊んでいました。

体も心もほぐれたところで、ワークショップを開始。

文章を考えて、絵を描く。

高畠さんが持ってこられた袋には、「あ」行「か」行……。のカードが入っています。

どの袋でもいいのでカードを1枚引いてください。それが「あ」でしたら、「あ」から始まる文章を考えます。

例えば) あ なら→あめにぬれた      あまがえる い なら→いくらをたべる      いか う なら→うがいをする      うみねこ など。

添付の用紙に、考えた文章と 絵を描いていきましょう。  

 

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2023年12月20日(水)絵本わくわくコース・ゲスト講師マメイケダさんの授業内容

2023-12-24 13:00:49 | 絵本わくわく塾

今年の授業も本日が最後です。

本日の授業はゲスト講師マメイケダさんの特別授業です。

マメイケダさんは絵話塾の卒業生で、今では食べ物のイラストが雑誌の表紙で使われたり、絵本を出版したりと大活躍されています。

 

時間は3時間あるので、マメイケダさんと一緒に食べ物の絵を描いていきます。

それぞれが描きたい食べ物の写真を持ってきていただきました。

クリスマスが近いので、クリスマスケーキもありますね。梅干し、ハンバーガーなど、写真を見ているとお腹が減ってきます。

マメイケダさんは、お寿司の絵を描いています。

魚の光沢や筋の部分などは、写真を拡大しながら細かく描かれています。

 

 

画材はサクラクレパスを使っています。ざらっとした紙が良いので、わら半紙に描いているそうです。

 

マメイケダさんの描き方は、薄い色から濃い色を重ねていきます。

食パンが焦げていくような感じとおっしゃっていました。 分かりやすい説明ですね。

あと、練り消しを使って薄くしたり、指でのばしたりします。

  

ガラスの透け感やスープのような半透明のものを描くのは難しいですが、丁寧に教えてくださりました。

マメイケダさんに教わると、みるみる本物のように描けていってるのを見て、みんな感激していました。

 

生徒さんの作品

  

 

マメちゃん、ありがとうございました。

 

次回のゲスト講師は、『じごくのそうべえ』の作者 田島征彦さんが来てくださります。 

どんなお話が聞けるのか、楽しみですね!

 

今年の授業は今日で終わりでした。皆さん、良いお年をお迎えください。

来年もよろしくお願いいたします。

 

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2023年12月16日(土)イラストレベルアップコース・朝野ペコ先生の授業内容

2023-12-23 17:50:32 | イラストレベルアップコース

今日はイラストレベルアップコース、
イラストレーター朝野ペコ先生の授業です。 
 
今回の授業は、課題の「クロッキー」の講評です。 
クロッキーとは、スケッチやデッサンより素早く描くことで、おおまかに、ざっくりと情報を写し取ることです。 
 
ペコ先生から事前に「素早く形をとる練習です。下書きはせず、小さくて良いので、苦手をなくすためにも、色んなものをたくさん描いてきてください」と言われていたので、皆さん様々なモチーフにチャレンジされてきました。 
 
今回の課題では、実物だけではなく、写真を見て描いてもOKなので、写真アプリを使ったり、クロッキーのWEBサイトを利用したり、雑誌を見たりと、皆さん色々な方法で取り組んでおられました。 
生徒さん同士でおすすめのサイトやアプリの共有もされていましたよ。 
 
それではペコ先生から講評です。 


 
・「普段全然描かないモチーフも、1回描いてみると “意外と良いな” が見つかりますよ」 
・「描く=見るということなので、見る練習をたくさんしましょう」 
・「観察と緊張感が増すと更に良くなりそうですね」 
ペコ先生から、1人ずつにコメントやアドバイスが伝えられます。 
 
生徒さん同士でも
「クロッキー自体も、1枚の中にそれをレイアウトするのも完成度が高い」
「これはどこから描くの?」
「素敵な線だけど、これはどんなペンで描いているの?」
「どういう練習方法がオススメ?」など、
お互いに相談や質問をしたり、感想を伝え合ったりしていました。 
人に見てもらって、感想や情報をもらえるのは、授業を受講する醍醐味ですね。 
 
ペコ先生から「同じモチーフでも、描くと、人によって全然違うものになります。どの線を入れて、どの線を省くか。無意識にそれを選択しているので、量を描いていると気付きがあり、それがオリジナリティーに繋がります。これからもクロッキーを続けてくださいね」と皆さんにお話ししてくださいました。 
 
さて、次回の課題は「雑誌の挿絵を描く」です。自分がやりたい、タッチが合うと思う雑誌を見つけてきて「ここに、こういうイラストがあったら良いのでは?」と考えて10点程度制作し、雑誌と一緒に持って来てください。 
勉強のために、実際に本屋さんに行って、雑誌を探してきてくださいね。 
 
次回の授業は年が明けてからです。来年も一緒に楽しくイラストを描いていきましょう!良いお年を! 

 


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