年明け最初の授業です。長らく体調を崩してお休みしておられた方もこの日から復帰され、教室が賑やかになりました。
寒い季節は風邪やインフルエンザなど危険もいっぱいですが、皆さんこのまま健康に過ごしましょう!
元日から能登半島地震が起こったということで、神戸の人間はどうしても29年前のことを思い出してしまいます。
高科先生も「どうってことない日常が毎日続くということが、ありふれた奇跡である」とおっしゃっていました。
私たちも震災当時を思い出しながら、今の穏やかな日々をありがたく思い、一日一日を大切に過ごしていきましょう。
ということで、テキスト『60歳からの文章入門』(近藤勝重 著/幻冬舎新書)のP54~P74を見ていきました。
「読むだけで上達する藤沢周平作品のすすめ~村上春樹も文章のうまさを絶賛」とあり、いくつかの例文が紹介されています。
もちろん好き嫌いはあると思いますが、確かに簡潔で臨場感のある描写は魅力的で、リズミカルな文章は読むだけで学びになるのは分かります。
次の「驚くうちは楽しみがある」のところで、最近ではビジネスの企画書などで「5W1H」ではなく「6W2H」と言われるとありました。
Who When Where What Why How に、「Wow」(感動を表す)と「How much」(費用がいくらかかるか)が必要なのだそうです。
藤沢周平が奥様を亡くされた時の話(『半生の記』文春文庫)が紹介されていた流れで、『いまも、君を想う』(川本三郎・新潮文庫)の一部を見ていきました。
奥様に先立たれた文筆家の方々は、皆さんセンチメンタルな文章を書いておられますが、それに違和感を覚えるという人もいました。
そこで先生は「人間は情動の生き物であり、それをどのように書くかが問題だ」とおっしゃっていました。
即ち、素人は感情の赴くままに書いても良いが、プロの書き手は自分を対象化して、自分を客観的に見る必要がある。
それには自分で実際にいっぱい経験をし、いっぱい人の書いたものを読まないと、技量を獲得できない、と。
人の書いた文章を読むとき、自分ならどんなことをどんなふうに書くだろうかと考えて過ごしているのだとか…
休憩をはさんで後半は、前回も見ていった 広瀬友紀著『ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密』 (岩波科学ライブラリー) の続きをやりました。
今回は、「しゃ、しゅ、しょ」と記載する時の子音と母音部分の数が合わないとか、「じ」と「ぢ」・「ず」と「づ」の使い分けなど、ややこしいことが出てきました。
実は、学校では英語の文法を学ぶ授業はあるのに、国語の授業では日本語の文法は習いません。私たちは、経験で習得していきます。
だから、なぜそうなるのか疑問に思って、日本語の法則を発見したりするのは、子どもだったり外国人だったりするのだそうです。
前回の提出した課題「たべる」をテーマにした作品については、皆がそれぞれの切り口で書いてきたことを紹介した後で、
もし先生が「たべる」をテーマにした作品を書くなら…という内容について教えていただきました。
まさに先ほどおっしゃっていた「人の書いた文章を読むとき、自分ならどんなことをどんなふうに書くだろうかと考えて過ごしている」ということですね。
最後に、今回の課題は「コラムを書く」です。
コラムは各新聞に必ずある、いわば各新聞社の顔とも言えるコーナーです。
参考に2024年1月11日付けの「天声人語」を見ていきました。先日八代亜紀さんが亡くなったことについて、高倉健の映画『駅〜station』のエピソードを絡めて書かれた作品です。
今回は書く内容は自由ですが、文章のスタイルは18字×35行で、そのうち文頭の5行は14字、文末の2行は17字で書き、書き出しは1字下げて改行の代わりに▼を使う、という約束事があります。
ぜひあーでもないこーでもないと練り上げて、あなたならではの味のあるコラムを書いてください。
提出は次回1月27日(土)の授業の時です。よろしくお願いいたします。