絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2020年4月5日(日)絵本ゆっくりコース・製本教室の授業内容

2020-04-08 13:11:41 | 絵本ゆっくり塾
本日は上製本(ハードカバー)の製本をしました。

まずは本の構造と名称をおさらい。
絵本は15見開きの32ページが基本です。
今回は32ページの本文と扉のページを付けて、最後に見返しも付けます。
本の構造と名称が理解できましたら、実際に製本をしていきましょう!

製本出来る絵本の原画コピーを持って来ている方は、ご自分の絵本で製本していきます。
用意されていない方は、無地のコピー用紙を使って、製本します。

本文のページが出来ましたら、ページの裏側にスプレーのりをし、きっちりと貼り合わせ、きれいに天地と小口をカットしていきます。

  

スプレーのりは、貼り合わせた後すぐにでしたら張り直しも出来、シワにもなりにくいです。
カッターや定規の使い方も慣れていない方が多いですので、手を切らないように気を付けましょう。

本文が完成したら、表紙(カバー)を作ります。これからが本番。

台紙は2ミリ厚のイラストレーションボードを使用しますが、
今回は建築模型を作るスチレンボードを使用します。

カットが出来ましたら、表紙の裏面に貼り付けます。
この時もスプレーのりを使うときれいに貼ることが出来ます。



台紙が貼れましたら、角をカッターで斜めにカットします。
台紙から1.5ミリ程空けてカットすると内側に折った時に角がきれいに仕上がります。
ここはきれいに仕上げるポイントです!





台紙の周りは木工用ボンドで薄く丁寧に塗って、内側に折り貼り付けます。

あとは本文に見返しを付け表紙とのり付けすると出来上がります。

段取りや制作工程など、一人で制作するには難しいと思いますが、みんなで出来ると大変な作業も楽しい時間になりました。
四時間の授業、お疲れさまでした。



6月には修了展もありますので、時間があれば上製本で製本してみてくださいね!

コロナウイルスの影響もあり、絵本ゆっくりコース・今期の授業はこの日が最終になってしましました。
修了展の時には、皆さんにお会いして「またね」と言えますように。

早く終息して笑顔で会える日を願っています。




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2020年4月3日(金)文章たっぷりコース11回目の授業内容・高科正信先生

2020-04-06 19:22:17 | 文章たっぷりコース
今日はお休みの方が多かったので、教科書の内容には触れませんでした。
「つかみ」のお話は、なんといっても「ウイルス」についてです。
そもそもウイルスは「生命体」なのでしょうか?
生命体の定義には諸説ありますが、高科先生は3つの定義について教えてくださいました。
それは
 ①膜を持っていて、外界と区別されている
 ②エネルギー代謝を行っている
 ③自己複製を行う
ということでした。
これによれば、ウイルスは①③には当てはまりますが、②の代謝は行っておらず、
何か別の生物に寄生しないと③の自己複製を行うこともできません。
この意味ではウイルスは完全な生命体とはいえないことになります。
このような生命体ともいえないものに悩まされているのは、人類としては悔しいことです。
どうやら緊急事態宣言が出されるようですが、一日でも早く事態が終息して
「あの時は大変だったね」と話せる時が来ることを祈って止みません。



今日はまず向田邦子さんの著作『眠る杯』について学びました。
前回出た課題は「コラムを書く」というものでしたが、
そのお手本となる例として、本作から「眠る杯」と「あ」という作品を見ていきました。
どちらも短い文章の中に、書きだしといくつかのエピソードの積み重ねた展開、
最後は納得・感心できるオチがあり、
何気ないエピソードをテーマに結びつけた作品に仕上げる参考になりました。



続いて、池上彰さんと竹内政明さん(読売新聞論説委員)の対談集『書く力〜私たちはこうして文章を磨いた』
の内容を見ていきました。
竹内さんは2001年から読売新聞のコラム「編集手帳」を17年間担当された方で
池上さんに促されて、実際に掲載された文章の裏話をしておられます。
竹内さんが意識されているという文章構成は、
まず、読者を惹きつける書き出し。
次に、読者に予想させない展開。
最後に、書き出しと結びつけたオチ。
これは向田さんと同じですが、私たちも参考にできる方法です。
しかしこれらをつないでいくには、文章にうまくブリッジをかける必要があります。



まず文章のテーマを見つけ、焦点を当てるポイントを決め、締めの部分を考える。
あとは部品を当てはめるようにして書いていくが
部品は自然に目の前に現れるものではないので、自分から探しに行く。
いざというときにぴったりな部品が出せるよう、引き出しにしまっておくことも大切。
時にはツッコミを先回りしたりして、文章に「保険をかける」ことも忘れない、等々。
竹内さんは、このようにして毎日『編集手帳』を書いておられたそうです。

この後、朝日新聞の『天声人語』から竹内さんと同じテーマのものを取り上げ
2つの文章の違いを見るということもしました。
コラムは新聞の「顔」であり、短い文字数の中に、
とんでもない主張を入れることもできるため
コラムニストは常に読者を引き込むような書き方を心がけています。
時には気に入ったコラムを丸写ししてみるのも、勉強になるそうです。

今回の課題は「風」をテーマにした文章です。
風にはいろんな名前のものがあり、イメージもさまざまです。
風をテーマにしたものなら、内容も長さも自由。
創作でもエッセイでも詩でもコラムでもOKです。
目には見えなくても見える「風」を、うまく言葉に置き換えて
次々回5月1日の授業の時に提出してください。
前回の課題「コラムを書く」がまだの方は、そちらの提出もよろしくお願いします。

※ 今のところ次回12回目の授業は、4月17日(金)の予定ですが
実施するかどうかは今後の状況を見て決めたいと思います。
変更する時はお知らせしますので、皆さまどうか気を付けてお過ごしください。


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2020年4月4日(土)イラストじっくりコース・弓削ナオミ先生の授業内容

2020-04-04 19:52:37 | イラストじっくり塾
本日は弓削ナオミ先生の今期最後の授業です。
窓を開け座る距離を保って、授業を始めます。

課題「フワフワ・まぶしい・雨」のことばからイメージしたイラストを描いてきていただきました。

 

思い浮かぶイメージでお話しを作った作品もありました。
絵本の1ページを見ているようで、また一冊の絵本が出来上がるかのようなストーリー性のあるイラスト。



同じことばでも思い浮かぶイメージはそれぞれ違います。
どんなイメージを思い浮かんで、テーマやタイトルなどをお聞きしました。

「レインツリー」
穴の空いたサボテンの皮に綿を乗せています。
部屋を暗くしてライトをかざすと光が穴から漏れて幻想的な雰囲気になります。


「きらきら降り注ぐやさしい雨」
使っていないミラーやアクセサリーを材料にしています。
仕舞い込んでいた物が、また飾ってもらえる素敵な作品ですね。


「春の色の記憶」
大好きな春の色を小箱に詰めました。
桜の花が入っていて、春の暖かくてやさしさが感じられます。


 

 




後半は似顔絵を描きました。

似顔絵で大事なことは、特徴を捉える。
まずどこか1つを決めて、その部分を強調して描く。
パーツの配置も大事です。
目や鼻のレイアウトで似ているかが決まります。
見るのではなく観るということを意識しましょう!
目の位置で子どもっぽくなります。



注意点を意識して描いてみましょう。

 

顔だけでなく全体を想像して描いている方もいました。
  

今日は殆どの方がマスクをしているので、目や髪型を重視して描いています。

 

 

今日の課題では、いろんな表現方法があり、作品にして見せていただきました。
自分では思いつかない作品を見て感心した授業でした。

弓削ナオミ先生、一年間ありがとうございました。





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2020年4月1日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2020-04-01 18:19:01 | 絵本わくわく塾
本日は高科先生の今期最後の授業でした。
毎年、話されるテーマが違うのですが、今期は子どもの本についての話をしていただき、
本日は「子どもを生きる」がテーマでした。

最後の授業ですので、まずは皆さんからの質問。
高科先生の子どもの頃の話や、児童文学作家になったきっかけの絵本など教えていただきました。
高科先生が子どもに伝えたいこと、なぜ子どもの話を書いているのか、大事なお話をお聞きしました。



6月に『おおきなおおきなさかな』が、福音館の月刊絵本で出版されます。
この絵本の絵は荒井良二さんが担当していて、1998年に初版が出ています。
月刊絵本ですので、書店での販売がありませんが、
絵話塾(ギャラリーvie)で販売出来るよう、高科先生が手配してくださっています。
楽しみですね!


では、本日のテーマ「子どもを生きる」のお話しです。

12世紀の古文で『梁塵秘抄』があります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 遊びをせんとや生まれけむ
 戯れせんとや生まれけむ

 遊ぶ子どもの声聞けば
 我が身さへこそ揺るがるれ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子どもは、遊ぶために戯れるために生まれてきた。
子どもの声を聞けば、自分の中にある子どもが揺るがれる。
という内容の古文です。



また岡本夏木の『幼児期』岩波新書(2005年)の中でも、
「わが身まで揺り動かされるのはなぜか。
それはわれわれ自身の中にも遊びへの強う要求と感情があり、
それが子どもの声によって強い共感へとかりたてられるからです。
このことはまた、われわれ大人自身の中にかつて子どもであった自分を宿し続けていて、
その内なる子どもが大人の自分をゆるがすことも示しているといえます」
と、大人になっても「子どもを生きる」ことはできる。と、書かれています。




子どもは自由で素晴らしい感性の持ち主だ!と、いう絵本を紹介していただきました。

『ぼくのくれよん』    長新太 (講談社)  1993年
『おばあさんの青い空』 片山健 (偕成社)  1994年
『みずまき』      木葉井悦子 (講談社) 2003年



『おばあさんの青い空』の主人公コジさんは、スズキコージさんのことだそうです。

長新太・片山健・木葉井悦子・スズキコージ・荒井良二などの絵本作家は、
自分の中に子どもを持っていて、子どもを生きることで絵本を作ることが出来る絵本作家です。

あまんきみこさんのエッセイ集『空の絵本』で
「人は誰でも幼年期・思春期・青年期…と、木の年輪の内側の部分(幼年期)の感覚を沢山持っている」と、あります。
絵本を描くには、幼年期の感覚がとても大切なんですね。

高科先生の授業では毎年話すテーマが違いますので、来年はどんなテーマでお話されるのか楽しみです。
ぜひ来年もスポット受講で受けに来てくださいね。



最後に生徒さんから、お酒のプレゼントがありました。
ラベルをよく見ると、高科先生とチャン・ツィイーが!

一年間、絵本のお話しを沢山してくださり、ありがとうございました。





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