「生誕百年中田喜直展」を機に、改めて中田喜直『音楽と人生』
(音楽之友社/1994/3/10)を読む。
帯には「第一随筆集」とある。
中田喜直先生は、
・畑中良輔先生と音楽学校の同期で、親友だった。
・昭和48年、木下保先生の古稀祝賀パーティーに来ていただいた。
・昭和50年代、聴きに行った日本女声合唱団の演奏会で司会進行
役をされていた。
私の印象では、声もさほど大きくない、穏やかな方というものだ
った。
本書を読むと、中田先生は、
・読書家だった
・オーディオ以外、テレビ(中田先生によればTV)もよく視聴
する
・野球、スキー等スポーツマンだった
・見て見ぬふりのできない正義感の強い方だった
などということが分かる。
「タバコの有害性」については、繰り返し力説されており、本書
の多く、4割ほどがそれに費やされている。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とはちょっと違うかもしれないが、
本書では実名をあげて、タバコを吸う人は信用できないと言って
おられる。
以下、若干引用させていただく(順不同)と
私は中学生の時にタバコを吸ってみたいと思ったが、百科事典で調べたら、タ
バコは百害あって一利なし、と書いてあったので、中学生の時に生涯の禁煙を
決めた。
喫煙者は知識人とは言えない(文明人ではない、とも言える)
D氏も随分勘違いをしているようだ。もしD氏が列車で長時間旅行した時、隣
の席の人がラジカセでガンガン音楽を鳴らしたら、やめて欲しいとか、イヤフォ
ーンできいてくれと言うだろうと思う。・・・・・・タバコの場合も同じで、隣の席
でタバコを吸われたら(ヘビースモーカーだったらひどいことになる)、吸いた
くない煙を無理に吸わされ大変な苦痛になるのである。
以前からIさんの映画は見ないことにしていたが、その理由は猛烈なヘVイ
ースモーカーだからで、そのことは多くの人が知っている。
音楽で言えばオーボエ奏者のM氏の演奏も聴きたくない。体をくねくね動かし
てオーボエを吹き、その後でタバコを吸うCMを見てがっかりした。M氏のCD
はかなり売れているらしいが、私は勿論買わないし、もらっても捨ててしまう。
その他、手紙の便箋や電話についても苦言を呈しておられる。
(注)イニシャル部分は、本書ではすべて実名で書かれている。
(「あとがき」より)
私は人の意見をよく聞く方だが、言いたいことは遠慮なく言う性格だから、か
なり強く書いた所もある。内容の責任は全部私だけにある。
私の家内は常々「実名をあげて人の悪口を書いてはいけない」ときびしく言っ
ている人だから、この本を読んだらひっくり返ってしまうかもしれない。
だから原稿は全く見せなかった。
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