人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

ストコフスキー 二村定一 大澤武雄『ヒトラーの側近たち』(ちくま新書)

2012-02-06 05:00:00 | Weblog

久しぶりにストコフスキー編曲のJ.S.バッハ「トッカータとフーガ」(EMI CLASSI-
CS TOCE13062)を聴いた。
オルガンとオーケストラの両方を知り尽くしたストコフスキーならではの編曲であ
る。

指揮者ストコフスキーは、1882年(明治でいえば15年)ポーランド人の父とアイ
ルランド人の母の間に、ロンドンで生まれている。ロンドン王立音楽院では作曲
とオルガンを学んだ。1977年95歳没。

ワグネル出身のせいかどうか、普段はロマン派を聴くことが多いが、こうしてバッ
ハに耳を傾けるのもいいものだ。バッハはいったい何曲作曲したのだろう。BWV
番号からすると千曲以上のようだ。おそらくバッハばかり聴いている方もおられる
のではないかしらん。まさしく「バッハは(音楽の)小川(Bach)にあらず、大海」で
ある。

J.S.バッハ(ストコフスキー編曲)
1.トッカータとフーガ BWV565
2.パッサカリアとフーガ BWV582
3.アリア(G線上のアリア) (「管弦楽組曲第3番」BWV1068より)
4.神はわがやぐら
5.羊飼いのうた (「クリスマス・オラトリオ」BWV248より)
6.ゲッセマネにおけるわが主イエス
7.前奏曲 (「パルティータ第3番」BMV1006より)
8.ブーレ (「イギリス組曲第2番」BWV807より)
9.サラバンド (「パルティータ第1番」BWV1002より)
10.甘き死よ来たれ
11.小フーガ BWV578
レオポルド・ストコフスキー指揮 交響楽団
録音;1958~1959

「トッカータとフーガ BWV565」は、太平洋戦争後の昭和20年NHKラジオ「真
相はこうだ」(GHQによる一種のプロパガンダ)のテーマ曲となった。岩城宏之は
この曲を聴くと「真相はこうだ」を思い出すと書いていた。


TOCE-13062

西洋音楽(いわゆるクラシック音楽)は、20世紀初めにシェーンベルク等ウィーン
の作曲家(新ウィーン楽派)によって「発展」し、無調音楽、十二音技法の世界に
到達する。1920年代にはドイツ・ロマン派やフランス印象主義も「終焉」--マ
ーラーは1911年、ドビュッシーは1918年に亡くなっている。

1918年といえば第一次世界大戦(--私の祖母は「欧州大戦」といっていた。)
が終わった年である。ニーチェが『ツァラトゥストラはかく語りき』(1885年刊)で
"Gott ist tot." (「神は死んだ」)といったのは--その真意はひとまず置くとし
て--第一次世界大戦の30年も前のことのことだが、「大量破壊兵器」による総
力戦だった第一次世界大戦がキリスト教に与えた影響は大きいものがあったの
ではないかしらん。シュペングラーが『西洋の没落』を書いたのも第一次世界大
戦後の1918~1922年である。

その1920年代には「新古典主義(音楽)」といって「バッハへの回帰」が叫ばれた
ようである。ちなみに作曲家信時潔(のぶとききよし)がドイツ等に留学したのは
1920~1922年のようだ。


<読書>
大澤武男『ヒトラーの側近たち』(ちくま新書 2011/11/10刊)★★★★★
ドイツ在住の研究家大澤さんの本は、『ユダヤ人とドイツ』、『ヒトラーとユダヤ人』、
『ユダヤ人とローマ帝国』(講談社現代新書)、『ローマ教皇とナチス』(文春新書)
と、私にはおもしろく読んだが、年初に書店でこの本を見つけた。

ヒトラーの側近、後援者など--ゲーリング、ゲッペルス、最終的に妻となったエ
ヴァ・ブラウンなどはもちろん、1921年ヒトラーが国民社会主義ドイツ労働党
--ナチの党首に就任する前後から1945年のドイツ降伏までを舞台にした登
場人物について記述している。

ワーグナーの息子ジークフリートの28歳年下の妻となったイギリス人ヴィニフレ
ット(またはヴィニフレート)もその一人である。彼女は戦後も1980年まで生きた。
彼女は戦後もヒトラーをけっして悪くいわなかったようだ。

ちなみに、本書には登場しないが、ベルリン・オリンピックの記録映画を作成した
女流映画監督のレニ・リーフェンシュタール(1902~2003)も終生ヒトラーへの
批判はせず、賛辞を惜しまなかったらしい。
(むろん史上最大の犯罪ホロコーストが許されるはずはない。)





        *        *        *        *

1月28日(土) 二子玉川の紀伊国屋書店。
『音楽家の名言』という本に目が留まる。
シュナーベルの名言--
 私の出す音は、ふつうのピアニストたちの音と
 似たようなものだ。
 だが、大切なのは音と音のあいだの間だ。
 芸術が宿るのはまさにそこなのだ。

音楽書コーナーで菊池清麿『私の青空 二村定一』(→こちら)を手に取る。二村
定一については、フランク永井のリバイバル「君恋し」(時雨音羽作詞、佐々紅華
作曲)を歌った人という程度のことしか知らなかったが、わが国初めてのジャズ
シンガーで、戦前は大スターだったらしい。二村は明治33(1900)年に生まれ、
昭和23(48)年に48歳の若さで亡くなっている。

1月31日(火) 産経新聞に「二村定一--よみがえるJ・POPの源流 歌声に
希望の光」(毛利眞人)という記事が出た。どうも二村定一はちょっとしたブーム
らしい。
「♪宵闇迫れば 悩みは果てなし」は「君恋し」の出だしだが、「♪俺は村中で一番
 モボだといわれた男」(「洒落男」、3拍子)、「♪砂漠に日が落ちて夜となるころ」
(「アラビアの唄」)もどこかで聴いたことがある。すべて二村のレパートリーだっ
た。YouTubeで聴くことができる。
ちなみに毛利さんの著書は→こちら


2月2日(木) 文京シビックにてOB合唱団の練習に出席。混声版「水のいのち」
の初練習。高校1年の時、音楽部にお手伝いに行き、混声合唱をやったことがあ
ったが、その時は(混声の)バスを歌っていた。混声版の「水のいのち」は歌った
ことがない。譜読みから始めるのかと思いきや、みなさん初見(?)で歌詩をつけ
て歌い始めたのでビックリ!

帰る時、先輩のFさんから「ブログは毎回読んでるよ」と声をかけられる。普段は、
「仮面の告白」として思ったことを気楽に書いているが、仮面を脱ぐと赤面の至り
である。

22:20帰宅。普段は寝ている時間。NHK TV爆笑問題の「爆問学問」--「寄
食屋台 世界のありえない食物」を視聴。「トサカの白ワイン煮」はちょっと食べ
られない。

ヨーロッパでは「生卵を食べるのはヘビと日本人だけだ」といわれているらしい。
「ゲテ物とは自分たちの食べないもの」と定義されそうだ。

2日(木)~3日(金) 「20年に一度」の寒波襲来。東京の最低気温は-1℃を記
録。


2月4日(土) NHK TV「ニュース深読み」で「初音みく」を知る。
まさしく音符に音をあてはめた歌になる。微妙なデュナミークは人間にしか表現
できない、といえるかもしれない。

NHK TV「テストの花道」は勉強になる。
所ジョージ(顧問)、城島茂(部長)が中心となって勉強の仕方を紹介する。この
日は「質問する力」の再放送だった。質問するには・・・・・・とにかく「分からない」
をチェックする、だった。(--それが難しいのだが・・・・・・。)

勉強すればするほど分からないことが増えてくる、といえそうだ。


寒さ厳しく、信州諏訪湖に「御神渡り」が「4年ぶりに」出現したという。(ニュース
でやっていた。)

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4 コメント

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トッカータとフーガ (しおの@S56)
2012-02-06 17:43:43
ストコフスキーのトッカータとフーガと言えば、ディズニーアニメ「ファンタジア」が懐かしいですね。
自分は遙か昔、中学時代には吹奏楽やってましたが、
当時買った名演集で聴いた出雲一中が昭和42年度コンクール1位を取った
吹奏楽版の「トッカータとフーガ」にノックアウトされました。
http://www.youtube.com/watch?v=OyQHoKer90A
返信する
Re;トッカータとフーガ (katsura1125)
2012-02-06 21:14:09
しおのサン、初コメントありがとうございます。
吹奏楽をやっておられたのですね。ほかにもたしか吹奏楽出身の方がおられたかと。
出雲一中、たしかにすごいですね~。全国は広いですね~。
返信する
二村定一 (近藤大介@H1)
2012-02-10 10:33:06
昨日はありがとうございました。
後になって、CDにちゃんと音が入っているか不安になりました(笑)。不備がありましたらお知らせ下さい。
4年ほど前に「乾杯の歌」(Stein Song)について調べていて、二村定一に行き当たりました。確か小沢昭一さんもエッセイで触れていた記憶があります。
返信する
Re;二村定一 (katsura1125)
2012-02-10 21:05:43
近藤さん、実名(?)コメント有難うございます。(KDでもわかるのですが(笑)。)

おかげさまで、CDに16曲入っています。まだ「君恋し」だけちょっとですが聴きました。ジャズというか軽音楽ですね~。(あとの15曲も大変楽しみ!です。)

この道も調べてみるとおもしろそうですね~。また教えてください。
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