1月26日(木) 港区立笄(こうがい)小学校でOB合唱団「尾崎喜八の詩から」の
練習に参加。
笄小学校は明治40(1907)年の創立である。私の母は昭和9年か10年に小田
原から笄町(現西麻布)に転居。笄小学校を卒業して第六(現三田高校)へ進ん
だのではないかしらん。
笄町は、笄(*)を作る職人さんが集まっている町だったのかな。
(*)笄はこちら。
同小学校は広尾駅から外苑西通りを天現寺と反対方面に500mほど歩いたとこ
ろにあるが、私は初めてなので学校の夜間入口が分からず、学校前で出会った、
これまた初めてのSさんとしばしウロウロ。そのうちHさんと一緒になり、無事に入
ることができた。
練習が始まるまで、先輩方のコンピュータ談義に聞き入る。
練習会場の多目的室には
学校教育目標
気づき
考え
進んでおこなう
笄の子ども
とあった。
尾崎喜八は、明治25(1892)年に東京に生まれている。昭和21(1946)年から
7年間、信州の富士見町に住み、詩作を重ねた。男性的な詩である。「自然」と
「(人生)思索」の詩人、といったらいいのかしらん。
多田武彦さん44歳、昭和49年の作品--お忙しい時期に、これだけ語法という
のかしらん表現法の多い作品を作っておられたとは、同じサラリーマンとして信じ
られない。
この日は第3曲「春愁」
静かに賢く老いるということは
満ちてくつろいだ願わしい境地だ
と歌っていて、突然涙があふれてきた。
練習でトップ・テノールの中で歌っていると、その「景色」は40年前と変わらず、昨
日まで現役だったかと錯覚に陥るから不思議だ。
しかし、あいかわらず、(私は)音がとれない、発声が悪い、ブレスが続かない、上
半身に力が入る一日だった。(22:10帰宅)。
<読書>
年末に購入した本を、そのままにしていては本にも悪いので、一生懸命読んでい
る。
吉田秀和『フルトヴェングラー』(河出文庫)★★★★★
昨年、平成23(2011)年はフルトヴェングラー生誕125年(*)だった。本書は、
フルトヴェングラーをテーマにした、吉田秀和さんのアンソロジーである。
(*)フルトヴェングラーは1886年生まれ。小泉信三さんの2歳年長だった。私の
祖父母の世代だ。
フルトヴェングラーには、何回聴いてもひきつけられる。感情に訴える演奏だ。生
演奏はさぞすばらしかったことだろう。
KAWADE 夢ムック 『文藝』別冊 『フルトヴェングラー』(河出書房新社)
上記同様河出書房新社が『文藝』別冊として、昨年9月に発売したもの。
多くの音楽評論家等がフルトヴェングラーについて、書き、語っている。
中では、フルトヴェングラーの生演奏を聴いた、野村光一、近衛秀麿、諸井三郎
等明治生まれ各氏の証言がおもしろい。
近衛秀麿によれば、フルトヴェングラーはあまり練習を止めなかったという。一方、
トスカニーニはしばしば止めたらしい。
練習時に曲を止める指揮者と止めない指揮者がいるとすれば、北村協一先生は
細かく止める方であり、木下保先生は止めない方であっただろうか。福永陽一郎
先生が「協一は細かく止めすぎる」と笑いながらいっておられたことを思い出す。
むろん紡ぎだされる音楽がどうとかこうとかはまた別の問題だろう。
なかにし礼『歌謡曲から「昭和」を読む』(NHK出版新書)★★★★
出版社の紹介には
「昭和」というあの時代、歌は世につれ、世は歌につれていた。流行歌はいま、ど
こへ行ったのか。ヒット曲を量産した実作者が語る「歌謡曲」の神髄
とある。
私は約40年を昭和とともに過ごした。それはまた、昭和の歌謡曲と過ごしたとい
えるかもしれない。
美空ひばりが亡くなったのは平成元年。美空ひばりとともに歌謡曲の時代は終わ
ったのだろうか。
酒井亨『「親日」台湾の幻想』(扶桑社新書)★★★★★
司馬遼太郎『街道をゆく40台湾紀行』(朝日文庫)、伊藤潔『台湾--四百年の歴
史と展望』(中公新書)に続く、台湾関連読書第3弾。
台湾在住の著者は、<今日(こんにち)の台湾>を多面的な眼で紹介している。
本のタイトルは若干ジャーナリスティックだが、新書的で、内容の豊富な、いい本で
ある。
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