人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

『改訂 日本史A』(山川出版社)--満州事変

2009-09-11 05:15:17 | 近現代史
昭和史を決定付けたといっても過言ではない満州事変という大事件は昭和6
(1931)年に発生した。現在では、関東軍(日本軍の現地部隊)が起こしたものと
されている。『改訂版 日本史A』(山川出版社)にはその<背景>がバランスよ
く、記述されている。高校生ばかりでなく、大人にもおすすめである。

  蒋介石の国民党が北伐を完了し、さらに1928年末、爆殺された張作霖の後継者
 張学良が満州全土に青天白日旗を掲げて国民政府に合流し、中国統一が実現し
 た。このため中国では不平等条約撤廃、鉄道権益・外国人の租界・租借地の回
 復、外国軍隊の撤廃などを要求するナショナリズムがいっそう高まり、国民政府
 も日本に対して公式に満州の権益回復を表明するに至った。

  日露戦争以来、日本が満州(中国東北部)に獲得してきた租借地・鉄道・鉱山
 などの権益は、ワシントン体制の下で国際的承認を得て、保たれてきたものであ
 った。世界恐慌の波が中国にも及び、満州にも恐慌が押し寄せると満州経営の中
 心である満鉄の経営も苦しくなっていった。また中村大尉事件や万宝山事件も起
 こり、軍部は日本の生命線「満蒙の危機」を叫び、幣原外交を攻撃するようにな
 っていった。(p175~176)



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東響 東京オペラシティシリ... | トップ | 飯森範親監修『「マエストロ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

近現代史」カテゴリの最新記事